第14話 タンガルの村再び

村へ戻ると、すぐに村長の元へ向かった。

村長は、

「お帰りなさいませ。それで、サファイアは?」

とキョロキョロする。

オレは袋から宝石、サファイアを取り出すと町長に見せた。

「この通り、サファイアは取り戻してきました。それに、安心してください。あいつらは、こちらの村へは二度と来ないでしょう。こちらからもあちらへは行けないように、水門の鍵は捨てておきました。」

「あ、あの…わたしが申しましたのは…」

「違うんですか?盗賊にサファイアを盗まれたんですよね?」

「そ、それは…」

「勇者様を騙したなんてことがあったら…」

「サ、サファイアをありがとうございます。」

老人は宝石を受け取った。

「良かった。」

オレはニッコリ笑ってみせた。

キルトも満足そうにしていた。




「次はどっちに向かって行こうか?」

「またじゃんけんする?」

そんな話をしながら、村を出ようとしたところを、呼び止められた。


「あのう、勇者様ですか?」



あ…やばい感じ…



「ステラの町へ働きに行った姉から、急に手紙が届かなくなったんです。どうか様子を見に行っていただけませんか?」



これも「勇者の旅あるある」にあったよ…

「町や村では、他の町に行った身内の安否確認を頼まれることが多い」

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