第13話 サファイア
「本当です。父はわたしを隣町のお金持ちの男と結婚させたがっていたのですが、わたしはここにいるランダスのことが好きで…だから逃げ出したのです。」
「ちょ、ちょっと待って。盗賊が宝のサファイアを盗んだ、て聞いたんだけど?」
「わたしがサファイアです。それに、彼は木こりです。盗賊なんかじゃありません。この森に
住んでいるみんなも木こりです。」
まじかーっ。
危うく「勇者による大量虐殺!血塗られた夜の真相!」みたいな文秋砲はなたれるとこだった!
あいつら眠らせただけで良かったーっ。
ちらりとキルトを見ると、キルトは目をうるうるさせていた。
か、感動してる感じ?
どこに?
ホント、わかんないやつだ。
しょうがないなぁ。
「ランダスさん、サファイアさん、どうかここにいる勇者様にお任せください。2人はこのままここで幸せに暮らしてください。」
「ありがとうございます!」
ランダスとサファイアは嬉しそうに言った。
小屋を出て、来た道を帰る時もまだ木こりたちは眠ったままでいた。
どんだけ魔力強いんだよ。
水門を抜けたところで、鍵を水の中に投げ捨てる。
「やっぱり、鍵いらなかったね。」
キルトが笑った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます