第11話 クレメンスとジュエル

 クレメンスはムルと話した内容を青年隊の集会所に戻って、ジュエルにその話をした。


 「魔法使いの話は誰もがおとぎ話だとおもってるんじゃないか?」


 ジュエルが言った事が大多数の意見だろう。


 「まあ、何か昔からの言い伝えでそれらしい事を拾い出してみないか。」


 クレメンスの提案は常に至極真っ当だ。


 それ故に皆には煙たいやつと距離を置かれてしまう。


 あまりにも真っ直ぐ過ぎるのが彼の弱点かもしれない。


 我々だけでは無理だろう。


 そう思いクレメンスは村からは遠く離れた場所で、若者達の避難の足手まといになるからと自ら隠居生活をしている年寄り達に話を聞きに行くことをジュエルに提案した。


 「そうだな。老人達なら何か記憶の中に残っているものがあるやもしれないな。


 そう、老人達に会いに行くのにリナを連れていきたいんだが。」


 この間の事で落ち込んでいる彼女に、今回は危険もないだろうし老人達の隠居所に行く事は気分転換になるかなと思いクレメンスにリナの同行を話してみたのである。


 クレメンスは断る理由もないのであっさりと了承した。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る