第10話 反抗のともしび
ムル達がクレメンスを連れて棲家に戻ると周辺の確認から始めた。
ドゥーム達は生きた獲物しか食べない。
だから、生きた物が居ないと解るとそこに長いはしないし、余計な破壊も労力の無駄と言う事で行わない。
ドゥームが立ち寄った形跡は確かに残っていた。
人のものでもリザードンのものでもない足跡が村中に残っていた。
ムルとクレメンスはそれを確認してから棲家に入った。
クレメンスが図々しく声を上げた。
「リムル、酒をくれ。」
まあ、遠慮しない性格は皆に知られていてここにも何度も酒をおよばれしているのでリムルも慣れたものである。
間もなくリムルが果実酒のグラスを二つ持ってきた。
二人は静かにグラスを持ち相手のグラスにコツンとふれて、それが合図であるようにクレメンスが話し始めた。
「ドゥームを倒したい。」
ムルはピクリと肩を怒らせた。
「倒したいのは誰もが同じ思いだろう。だが誰もどうすればあれを倒せるのか知らないのだ。」
彼の答は想定どうりだったようで間髪入れずクレメンスは話を続けた。
「奴等は30年前に突然現れた。そしてそれまでは何処で何をしていた。
その時の前後で何が起きたのか良く調べてみないか。
そのあたりに何かきっかけがあるんじゃ無いかと思ってるんだが。」
ムルは少し考えて口を開いた。
「俺がずっと気になってたのは魔法使いの事だ。
あの男が寝返ったのがきっかけじゃないだろうか。
あくまで俺の想像だけどな。」
クレメンスは唸るようにぼそっとこぼした。
「うーん、魔法使いかあ。」
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