第34話


 「部活の練習とかあるし、月末に行くって話になってたんだ」


 「…ふーん」


 「だから、明日…」



 …え?


 なに。


 まさか、行けって言うの?


 九州に??



 「約束してたし」


 「してたって言っても、退院したばっかだよ??」


 「多分、ライン来てるから」



 えーっと…



 あ、ほんとだ。


 あんま見てなかったから気づかなかった。


 何々…


 『明日は無理しなくて良いからね』


 だってよ。


 じゃあ行かなくて良いじゃん。


 気ぃ使ってくれてるよ?



 「行くって返信しておいて」


 「はぁ!?」


 「お金ならもうあるし、オヤジも説得すればなんとかなる」



 いやいやいやいや


 お泊まりデートって感じでしょ?


 ようするに。


 なんで私が行かなきゃなんないのよ


 断ればいいじゃん。


 事情があるんだし、しょうがないって話になるでしょ。



 「彼女に悪いから」



 …はぁ?


 私には悪いって思わないわけ??


 いくらあんたの体を借りてるとは言え、こっちにも自由時間ってものがあるんだけれど

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