次の朝

第008話 翌朝

ノエルの朝は早い。メイド時代、いやそれ以前の修道院時代からの生活習慣により身体がそうなっているのだ。それでも修道院時代と比べるとずいぶんと遅くなったが。


修道院時代は夏など4時起きもあったが、今はさすがにそんな時間には目覚めない。それでも6時前には目が覚めるとまずいつものメイド服──ではなく私服に着替える。そしてメイド時代からの使用人部屋から出るとすぐ左手にある洗面台に行き顔と手を洗い軽く髪をといで歯を磨く。水場の正面にある大きな鏡に自分の姿が映っているがその姿を見るとたまにこんな事を思ってしまう。


よくアルバート様も私と結婚する気になったなあ。


ノエルの髪は比較的短く肩下に届く程度の色の薄い茶髪で、その目は濃い茶色ブラウンで大きい。鼻梁の形はいいが少し小さめ、唇は小さくやや色が薄い。別に美貌を誇るわけではないが自分では充分に美人だと思っているし周囲もそう言ってくれる。しかしその全体的な印象は夫アルバートと瓜二つなのである。

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