第002話 夕餉
秘書の人と護衛の人はアルバートを食堂に座らせると、二歩ほど下がって後ろで手を組んで直立の姿勢を取った。この食堂の椅子は肘掛けがないのでこのまま滑り落ちる事態に備えたのである。アルバートはふらふらしながら、半分寝たまま、しかし何とか姿勢を保ち続けていた。
「
調理場に戻ったノエルは器にスープを盛り自分で運んで夫の前に添えた。他には
「………いただきます………」
アルバートはか細い声でそう言ってスープを飲み始めた。その様子を見てたノエルはほっとした。アルバートの疲労は大きく分けて二種類ある。激務か、対人ストレスを伴う激務か、である。後者の場合はスープすら受け付けないときがあるのだ。今日は半分もスープも飲んだので少なくとも精神的負担は少なそうであった。
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