サーナス線②
開業日を迎えた。
試験走行から1ヶ月が経ち、サルサとサーナス領都スパムを結ぶ国鉄サーナス線が動き出す。
1番列車はサルサ発の便である。
サルサ駅は商業エリアである南門近くに建設された。
サルサ駅には広場も整備され、多くの日が行き交っている。まさに経済の中心地としてさらに発展していく未来が見える。
式典も開かれ、多くの貴族が集まっている。
今日の式典には国王も招待したが、公務の為来れなかった。
本人は相当悔しがっていた。
国王が来れない代わりに、貴族のトップである財務大臣であるノスタ公爵ロフが挨拶をしてくた。
「いよいよ、開業の日がやって来ました。国王に代わり挨拶をさせていただきます。このサーナス線は王都サルサとサーナス領都スパムを結ぶ国鉄として開業します。マリアナ王国の中心部とマリアナ王国南部の中心地であり、経済都市であるスパムを結ぶことでこのマリアナ王国はより豊かに、発展していくことでしょう。皆で祝福をしましょう!」
ロフがそういうと歓声が沸く。
そしてロフはこう続けた。
「またこのサーナス線の開業に続き、他の路線を開発することを決定した!」
「えっ、もういっちゃうの!?」
アルスはロフの発表にかなり驚いた。
何故なら何も聞いていなかったからだ。
国王や宰相と話し合っていたに違いないとアルスは思った。
式典が終わり、サルサ発の1番列車の発車時刻となった。
列車は10両編成、1号車から7号車までは客室、8号車から10号車は貨物室となっており、
人員輸送と貨物輸送の両方を担う。
ダイヤは上り下りとも1時間に6本設定にしている。線路は複線にしているため、増便も可能だ。
第1便は乗車率100パーセント。完全予約制だ。
ちなみに1号車は貴族専用列車であり、ノスタ財務大臣もこの1番列車を予約している。
所要時間は約2時間半。
馬車での移動の事を考えたら信じられないことである。
定刻時刻となった。
アルスは発案者としてサルサ駅の一日駅長をしている。
「それでは、国鉄サーナス線、下り1番列車。しゅっぱーつ!」
アルスが高らかに宣言すると列車は動き出す。
観衆からは歓喜の声が聞こえてくる。
「無事、出発出来たか、」
アルスは胸を下ろした。
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この国鉄サーナス線はなんとこのマリアナ王国にとてつもない利益を及ぼすこととなった。
開業から1ヶ月、最初の売上はマリアナ王国の国家予算の3分の2を上げたのだ。貨物列車としての機能も持つ為収益率がかなり高いためだ。
客室の予約率も90パーセント後半を維持しており、ほぼ満員状態となってた。そのため増便を検討する段階となっていた。
この増便に伴い、旅客列車と貨物列車をそれぞれ専用列車として新たに導入することになっている。
これにより、マリアナ王国の財政はより豊かになり、アルスは新たなことに挑戦することにも繋がっていくのである。
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