サーナス線①
財務庁からの予算を無事確保したアルスは、サーナス線を敷設する為に商務庁の職員を総動員して資材の確保を急いだ。
そのため資材は2ヶ月ほどで揃い、線路を敷く作業に移っていた。
今日はアルスがリース帝国から連れて帰ってきたナットの元を訪ねている。
何故なら、列車を魔道具として開発中だからである。
アルスはそのために私費でナットのために工房を作った。工房と言ってもかなり巨大であり、まるで工場である。
「ナットさん、お疲れ様です!列車はどんな感じですか?」
アルスは笑顔でナットに話しかける。
作業中であったナットはアルスの声を聞き、慌てて顔を上げる。
「アルス大臣閣下、お疲れ様です!列車の開発はかなり進んでいます。あとは細かい作業が残っているだけで、線路の上を既に走ることが出来る状態まで仕上がっていますよ!」
「もう、そこまで!」
アルスはナットの優秀さに驚く。
「これも、アルス大臣のおかげです。工房から資材まで直ぐに準備してくださいました!その気持ちに答えて当然ですよ!」
「ナットさん、」
アルスはナットの言葉に涙した。
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1ヶ月後、線路の敷設も完了し、列車も完成して試験走行を行う日がやってきた。
「ついにこの日が来たか…」
アルスがつぶやきながら列車を見ているとノスタ財務大臣とリエラの親子がやってきた。
「ノスタ財務大臣にリエラ、見に来てくださったのですね、!」
「当たり前じゃないか、財務庁としては商務庁に予算を出しているからね。まぁアルス大臣の計画だしやっぱり気になるしね。」
ロフは笑顔で応える。
「アルス、やっぱりあなたはすごいわ!ずっと驚かされてばかりよ!」
リエラもアルスの凄さを改めて感じているようだ。
「リエラもありがとう。それじゃあ、2人も来ているし、早速試験走行を始めようか!」
アルスがそういうと運転手や作業員が慌ただしく動く。
そしてついにその時が来る。
「よし、それでは国鉄サーナス線、試験走行開始!」
アルスはGOをだした。
すると、列車は動き出す。無事、車輪も線路の上を進んでいた。
無事成功したのだ。
「すごい!アルス大臣これは革命が起きるよ」
「こんなに大きな乗り物が誕生するなんて!」
ロフもリエラも歓喜の声をあげた。
そしてアルスも自信に満ちた顔であった。
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