第7話 声帯模写

夕方の17時過ぎ(おそらく)、みんなで拠点(仮)に集まった。最後の手段について話をする時間だ。


 「俺はスキルで「話術」ってのを持ってるんだが、これが声帯の模写を可能にするらしいんだ」

「声帯の.........模写?」

「俺達の…声を、碧が出す.........ってことか」


「そゆこと。やるのには結構な集中力がいるから、模写する人以外静かにしてくれ」



 まず最初は……オタク仲間の川上。

「「ステータス・オープン」って言え」

「ステータス・オープン」

「もう1回」

「ステータス・オープン」


 ………………これすっげえムズい。そいつ特有の訛りだったり、癖だったり、イントネーションの違いもあるって考えると途方もないな…………。

「やってみるぞ」

「うん…………。」

 みんなが静かに見守っている中、俺は――


 『ステータス・オープン』


 開――――いた!やったぞ!当たりだ!俺のじゃない!ちゃんと川上のだ!


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川上 大輝 17歳 男 レベル:1

 

筋力:6

体力:6

耐性:6

敏捷:5

魔力:12

魔耐:10

スキル:看破


【##########】 

==============================


「俺のステータス..!! .......でも読めない.........」

 凹むな……俺が翻訳するから……。

「え〜っと、スキルは.........耳貸せ。「看破」だ。当たりだな。他人の考えや、スキルが分かる。まぁ、読めないんだけど」

「戦闘系じゃなかった…………うぅ、でも…役に立てるし…いっか.........」


 なんか.........辛いな……。…………ん?なんかよく分からない表記の所があるな?ステータスボードに書かれたものと違う言語で書かれた所がある.........。


 何何……【このステータスボードの使用権の一時的・あるいは永久的な譲渡(必要:当人の口頭での許可)】

 ――――はぁぁっ!?

 つまり――――俺が使えるように出来るってことか?いつでも…そのスキルの所有者が近くに居なくても、ステータスを開けるようにできるってことか!?


 口元が三日月状に裂けていくのを感じる。ニヤケちゃだめだ......俺...。それを必死に抑える。

「……?どうした?碧?」

「いや.........あのさ?提案があるんだけど.........」


 利用出来るものは利用する。当たり前のことだ。

 なら、これを利用しない手なんてない、よな?



  ◇

 

 


 ――【神代ルーア文明文字(言語Lv.5)】を識別。『言語理解』で全ての言語を理解できるようになりました。未習得の言語は、識別する、又は聞くことで習得できます。





 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~



 【神代ルーア文明文字】⋯ 神が降臨していた時代に栄えた文明にて使用されていた言語。現在この世界で読める者は柚右のみ。


 

 【龍語】⋯ 龍の話す言語。他言語を使う生命体全てに通じる。聞こえている側は念話しているように感じられ、敵対する相手に畏怖を与える。(言語Lv.9)

 

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