第34話

先輩が中に入るとパンパンという音がやむ。


「なんだ。もう交代の時間か」


「お前らだけ楽しみやがって」


「嬢ちゃんが上手いからついつい熱が入っちまう」


「その気持ちはわかるけどよ」


「最後に激しくいくぜ」


すると先ほどより激しくパンパンという音がしてくる。


「お前も容赦ねぇな」


はははと先輩達の笑う声がしてくる。


アリアはどれだけきつく攻められているのだろうか。


でも、それに耐えられるアリアは凄く成長しているのだろう。








しばらく待っていると服を着崩した先輩がでてくる。


先輩の顔を何だかにやにやしている。


「何かあったんですか?」


「嬢ちゃんが頑張ってるから嬉しくてよ」


「そうなんですね」


「やっぱ彼氏が近くにいると違うもんだな」


「そんなに違うものなんですか・・・」


「お前に見せてやれないのが残念なぐらいだ」


「ちょっと気になってきました」


「やめておけよ。本当に好きな奴に必死な姿は見せたくないだろうからな」


「それは少しわかるような気がします」








先輩と話しているとアリアは休憩中なのか溜まり場の建物の中から声がする。


「先輩・・・。フランクフルトください・・・」


「本当にフランクフルトが好きだね。特別なフランクフルトをあげるよ」




「おっ?今から嬢ちゃんが好物を食べるみたいだな」


「みたいですね」


「このままもう少し話してよーぜ」


アレンとしてもこの提案はありがたかった。


慣れない打ち込みをしたせいかまだ疲労が残っている。




「ほらほら、どうかな?このフランクフルト」


「大きくて、硬い・・・」


「よし、食べていいよ」


「はい・・・。いただきます・・・」




「そう言えば、アリアはいつぐらいからフランクフルトが好きになったんですか?」


「最初はいらないっていってたんだけどな。食べ方教えてやったらドハマりしてな」


「あぁ・・・。あの変わった食べ方ですか」


アレンは祭りの時のアリアを思い出す。




「ほら、味はどう?」


「はい・・・。しょっぱくてとても美味しいです」


「もっと下の方まで舐めてみて」


「はい・・・」




「今度、僕もアリアと同じ食べ方してみようかな?」


「止めねぇけどあの食べ方は女の子がするからいいんだぜ」


「そうなんですか?」


「たまに男でもはまるやつはいるけどな」




「そろそろ咥えてごらん」


「はい・・・」


アリアがフランクフルトを咥えたのかじゅぽじゅぽと音がする。




「本当に嬢ちゃんは美味そうに食べるなぁ」


「先輩達もよく調達できますね」


肉は基本的に高価だ。


頻繁に用意するのは難しいはずなのに・・・。


「ちょっと特別な伝手があってな」


「いいなぁ。今度教えてくださいよ」


「お前がもう少し大きくなったらな」




じゅぽじゅぽという音はしばらく続き止まった。


「味はどうだった?」


「濃くて濃厚でした」


「また食べさせてあげるからな」


「はい・・・。ありがとうございます・・・」




どうやらアリアはフランクフルトを食べ終わったようだった。

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