第41話 収穫祭の準備【ステ確】
「……よし、出来たぞい」
「リッツさんありがとう」
今日はリッツさんの工房へやってきて、すーくんのメンテナンスをやってもらった。
「うむ、問題なく使えているようじゃの。ついでにちょっとバージョンアップしといたぞ」
「バージョンアップ?」
「本人に聞いてみい」
「わかった……すーくん、バージョンアップしたって?」
(シュータ・ブラックボーン、こんにちは)
「おっ?」
なんかすーくんの音声が人間っぽくなってる気がする。
(リッツ氏に音声機能を強化していただきました)
「すごい! 聞き取りやすい! 画面の文字も読みやすい!」
お年寄り用の携帯電話みたい。
「ついでにステータスも見ておこうかな。すーくん、能力鑑定お願い」
(かしこま)
「かしこま?」
ちょっとフランクになった……かも。
(結果、出ました)
【シュータ・ブラックボーン】
・11才・男
・所持金:90000エル
・HP:D+
・パワー:A+
・ガード:D+
・マジックパワー:C+
・マジックガード:D
・スピード:D+
・スキル:毒耐性+、味覚補整+、魔素吸収+、夜間物理攻撃無効、雷耐性(NEW!)
・装備適性:ナックル(C+)
・習得魔法:サンダーボール、サンダースラッグ
・使い魔:ライトニング・ヴァンパイア
「おー色々増えてる!」
キャンディと使い魔契約をしたおかげで魔法が使えるようになった。
雷系の魔法だ! 耐性スキルも追加されてる。これでピ〇チュウの10万ボルトも怖くないな。
「うーん、体力とガード系のステータスがあんまし上がっていかないなー」
ガード、マジックガードに関しては相手の攻撃をガードして受けることでランクが上がっていくんだけど、
夜間物理攻撃無効スキルとかもあって逆にダメージを受けにくくなっているからなあ。
食事をする度に少しずつ成長するから、味覚補整を発動したまま味のめっちゃ濃い料理を食べればもうちょっと良くなるかもだけど、
調味料は貴重だし、正直そんなこと考えてメシを食いたくないよなあ。
最悪、海に行ってひたすら海水を飲むとか……? うーん、普通に病気になりそう。
「そういえば、もうじき収穫祭が始まるのう」
「収穫祭?」
「作物の収穫を祝う秋の祭りじゃ」
春のパン祭りみたいなもんかな。
「お皿とかもらえる?」
「別に皿は貰えんが……」
違ったらしい。
「祭りの日は街の大通りに様々な出店が並んで楽しいぞ。ワシも魔道具細工を売る屋台を出す予定じゃ」
「それは最高にたのしいやつだ!」
前世でもお祭りに行ったことがあるけど、お金なかったから本当に行っただけだった。りんごあめ食べてみたかったなあ。わたあめは腹にたまらなそう。
「そうじゃ、皿は貰えんが、もっと良いものがあるぞ」
「もっといいもの?」
「大食い大会じゃ」
「大食い大会!?」
リッツさんの話によると、祭りのイベントとして、この時期に収穫される野菜を使った大食い大会が開催されるらしい。
「シュータは皿よりも食い物じゃろ?」
「うん!!」
「ほっほっほ。良い返事じゃ。大会は誰でも参加可能で、参加費も無料じゃから、シュータも楽しみにしてるとよいぞ」
「うん!!!!」
__ __
「収穫祭楽しみだな~!」
大食い大会、1回出てみたかったんだよね。昔テレビでホットドッグを何十個も食べているのを見て、あんなに食べられていいなあって思ってた。
「おーい、シュータ! シュータ・ブラックボーン!」
「フルネームで呼ばないでよ!」
振り向くと商業ギルドのおっちゃんがこっちに向かってきていた。
「カッコいいんだからいいじゃねえか」
「そうかなあ……それで、俺になんか用?」
「収穫祭の準備をシュータにちょっと手伝ってもらおうと思ってな」
「準備?」
「クレイジーパンプキンの収穫と運搬だ。祭りの飾りや大食い大会に必要なんだよ」
「収穫? たのしそう!」
小学校で大根をタネから育てて収穫する授業があったんだけど、収穫する前に俺が死んじゃったからちょっと心残りだった。
パンプキンってことは、カボチャかな。
カボチャ料理の大食い大会、楽しみだ……ん、クレイジーなカボチャ?
「収穫は明日から3日間、時間は朝から昼まで。シュータは子供だけど腕っぷしが良いからな。報酬もちゃんと出るぞ」
「昼飯は?」
「ギルドから弁当が出るぞ」
「俺やりたい!」
「食いもんが絡むとやる気満々だなシュータは」
「大食い大会も出る!」
「なんだシュータ、あれに出るのか。じゃあ参加料代わりってことで報酬は無しでいいか」
「それはよくない」
というわけで、明日は朝からクレイジーパンプキンの収穫だ!
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