2章 死霊の館 編
第25話 シルクの鑑定
「ちわ~っす」
さっそくすーくんの性能を確かめる為、教会にやってきた。
確認してもらって、すーくんの結果と同じになるか比べてみよう。
「にゃ~」
何故かねこのすけが一緒に付いてきた。
「ちわ~っすって、相変わらず教会に訪れる人の態度じゃないねぇシュータ君。頭にトラちゃん乗っけてるし」
「俺の決闘アナウンスやってた人に言われたくないんだけど」
相変わらず適当な感じでシスターのリネンさんが出迎えてくれる。
トラちゃんってねこのすけのことか? 種族名がトライテイルだからトラちゃんってことね。
「安直だね」
「君に言われたくはないけど」
ねこのすけもまあ、うん、そうか。
「まあいいや、ステータス鑑定に来たんだけど、シルクはいる?」
「いるよ~って、それ秘密なんだからバレそうなこと言わないでよっ」
「そういやそうだった。メンゴメンゴ」
「チャラいね君」
ちょっと良くわかんないです。
教会でのステータス確認は、地下にある巨大なステータス確認魔道具で行う……
ということになっているのだが、実際はここのシスターである、シルクの鑑定スキルで行なっている。
ちなみに”鑑定”はステータス”確認”の上位スキルらしい。違いはよく知らない。
「というわけで、教会に来たときは今まで通りステータス確認って言ってね」
「はーい」
「まあでも、わざわざ鏡の部屋でやるのめんどくさいからシルクの部屋に案内するね~」
「ええ……」
「にゃふ」
隠す気あるのかなこの人。
__ __
コンコン。
「シルクちゃんいる~?」
「なにー? リネン姉さん」
「シルクちゃんにお客さんよー」
「は? シルクに客? なんで?」
「シールークちゃん! あーそーぼー!」
「シュータッ!? ちょっえっ!?」
「入っていい?」
「まっダメよ! 待ちなさい!」
バタバタドタドタ!
「……なんかドタバタやってない?」
「女の子はね~色々あるのよ」
「ふーん」
ガチャ……
「な、なにしに来た……トラちゃん!」
「にゃあ」
「俺、ステータスの確認をしてもらおうと思って来たんだ。ねこのすけは勝手に付いてきた」
「良いわ! 部屋に入れてあげる!」
「なんか上機嫌になったね」
「シルクはトラちゃんが大好きだからね~」
それじゃ~ごゆっくり~と言って、リネンさんは上の階へ戻っていった。
「てかシルクの部屋ってステータス確認の部屋の隣だったんだ」
「すぐに行けるように隠し扉で繋がってるのよ」
なるほどね。
「それで、鑑定するのよね? ちゃんと1万エル貰うわよ?」
「うん。お願い」
シルクにお金を渡して、鑑定スキルでステータスを見てもらう。
……。
…………。
「……で、装備適性がナックルで、Cランク。鑑定結果は以上だけど、他に何かある?」
「ううん、大丈夫。さんきゅー」
「にゃあ」
「トラちゃん! スゥウウウ……」
鑑定を終えたシルクは、ねこのすけのお腹にボフッと顔を埋めて何かを吸っている。
前世で母ちゃんがタバコ吸ってたときに似てる気がする。
「あんまり吸うとガンになるよ」
「ガン? なにそれ?」
うーん。なんだろ?
すーくんにステータスを表示させて、シルクの鑑定結果と比べる。
「うん、一緒だ。ちゃんと使えてるっぽい」
「ん、シュータなにそれ」
「これはすーくんだよ」
俺はシルクにすーくんこと、スマートステータスチェッカーくんの説明をした。
「すーくんがあれば、教会まで来てシルクに鑑定してもらわなくても、どこでもステータス状況が分かるのさ!」
「……じゃあ、シュータはもう教会で鑑定しないの?」
「鑑定結果の証明書が欲しいときは来るかもだけど、それ以外は基本すーくん使うかなー。お金かかんないし」
すーくんの作成費用20万エルだって安くない出費だ。元取らないと。
「そ、そんなのダメよ!」
「えっ」
「にゃっ」
シルクが急に慌てて突っかかってきた。
「ど、どうしたのさ急に」
「そんな、もう鑑定に来ないなんて……」
シルクがどこか潤んだ瞳で見つめてくる。
「シ、シルク……?」
ガチャッ
「シルクの稼ぎが減るじゃないっ!」
「ども~様子見に来たよ~はいこれお菓子……」
……。
…………。
「えっなに修羅場?」
「違うよっ!!」
「違うわよっ!!」
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