第14話 素材と魔獣と特殊武器
「魔界の鏡、かあ」
ステータス確認(リッツさんは鑑定って言ってた)をするための魔道具を作るために必要な素材、魔界の鏡。
リッツさんによると、魔獣の森にいる”リフレックス”という魔物を倒すと手に入るとのことだ。
「で、そのリフレックスがまさに森の”魔獣”ってことかあ」
リフレックスは夜行性で、昼は森の奥にある巣で寝てて、
夜になると森の中をうろついて他の魔物や人を襲うらしい。
絶対串焼き屋のおっちゃんが言ってたやつじゃん……。
「にゃあ」
リッツさんの工房から出て、ねこのすけと根城に戻る。
そういやコイツも魔物なんだっけ。
きゅーたろうもだけど、人を襲わない魔物もいるんだな。
「リフレックスもお願いしたら鏡くれないかなー」
くれるわけないか。お気に入りの鏡なのかな。
とりあえず明日、商業ギルドに行ってリフレックスの情報を聞きに行こう。
__ __
「というわけで、リフレックスの倒し方教えておっちゃん」
「いや無理だろ」
「なんで」
「いやだって、リフレックスってあの魔獣だろ? 無理無理。ガキには倒せねえよ」
やっぱそうなんだ。もっと早く聞いとけばよかったかも。
「そんなんやってみないと分かんないじゃん」
「この間持ってきたトンホーンをエサにしてるような奴だぞ?」
「……えーそっかあ、それはちょっとなあ」
え、あのクソでかいトンホーンをエサに? 勝てないってそんなの。
「これがリフレックスの見た目だ」
おっちゃんはリフレックスの姿が転写された紙を見せてくれた。
見た目は大きいオオカミって感じ。ただ……
「……一つ目?」
「リフレックスには大きな眼が1つ。そしてこれが”魔界の鏡”と呼ばれる素材だ」
「これが……」
眼が素材ならさすがに倒さないと手に入らない。
しかも眼は傷つけないように倒さないといけないな。ううむ、大変そうだ。
「なんか頑張れば倒せそうだけど」
「リフレックスはな、パワー依存の物理攻撃と魔法が効かないんだ」
「……えっ?」
ど、どういうことだってばよ。
物理攻撃はパワーのステータス依存で、魔法はマジックパワー依存。
「何の攻撃も効かないってこと? じゃあ絶対倒せないじゃん!」
「まあ、基本的にはそうだな」
んなバカな。
「でもこの転写紙に写ってるリフレックスは倒れてるようにみえるけど、誰かが討伐したんじゃないの?」
「ソイツは森で死んでたのを見つけて運んで来たんだ。寿命は無限じゃないからな」
「なるほどな~」
森で死んでるリフレックスを探すのは時間がかかりそうだ。いるかも分からないし。
「……ん? さっき基本的には倒せないって言ったけど、一応倒せる方法もあるの?」
「まあ、無いわけじゃないな。物理攻撃をマジックパワー依存に変換してダメージを与えるんだ」
「ど、どういうこと?」
ちょっと10才には難しいって。
「魔法剣って武器があってな。普通の剣撃はパワー依存の物理攻撃なんだが、コイツはマジックパワーに依存する」
魔法剣の攻撃は物理攻撃だけど、ダメージが通るってことか。
理解したぜ。さすが天才小学生(自称)。
「じゃあ俺も魔法剣を買えば」
「魔法剣はマジックパワーがDランク以上、それに剣の装備適性が無いと使えないぞ」
「どっちも条件クリアしてない……」
マジックパワーはFだし、装備適性はナックルだけだ。
「魔法剣じゃなくて魔法ナックルみたいな武器ないかな」
「シュータの適性はナックルか。悪いが魔法ナックルなんて聞いたこともねえなー」
「そうだよねー」
「ああでも昔、王都にオーダーメイドで特殊な武器を作ってる鍛冶師がいたな」
「王都の……鍛冶師?」
なんか最近、聞いたことがあるような……
「魔法剣を発明したのもその鍛冶師だ。アイツなら作れるかもしれねえな。最近は名前を聞かねえが、死んじまったかな」
「そ、その人の名前って……」
「ん? ああ、リッツっていう鍛冶師だ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます