ダンジョンでぼっち飯してたら最強のSSSランク冒険者になってた。

第12話 高額アイテムを安く手に入れるには

　がちゃっ

「あ、終わりました～？」

「うん」

　ステータス確認を終えて部屋の外に出ると、待っていたシスターさんが話しかけてきた。

「今回のステータス確認は、紙に転写して証明書にもできるけど、どうする？」

「証明書にするとなんかいいことあるの？」

「そうだねえ。学校の入学試験受けるときとか、冒険者ギルドに登録するときに必要かな～」

「そっか、じゃあ今日はいいや」

　そういうのって、多分最新のデータじゃないと意味ないだろうし。

もし俺が学校に行くときや、冒険者になるときにやればいいや。

「ちなみにその証明書ってお金かかるの？」

「1枚5000エルでーす」

「高っ！！」

　しばらくはいいかな……。

　＿＿　＿＿

「というわけでさ～。お金もまあまあ溜まったけど、すぐに無くなっちゃいそうだよ」

　もぐもぐ。

「武器も欲しいけど、見に行ったら10万エルとかするんだもん」

　もぐもぐ。

「やっぱステータス確認に1万エルもかかるのがキツイよな～」

　もぐもぐ。

「シュータ・ブラックボーン。お前どんだけ食うんだ」

　串焼き屋のおっちゃんに愚痴りながら、串焼きを食いまくる。

「フルネームやめてよ！　恥ずかしいじゃん」

　名前が黒保根からブラックボーンにされてしまった話をしたらめちゃくちゃ笑われた。

「カッコいいじゃねーか！　ブラボだぜブラボ！」

「ブラピみたいに言わないでよ！」

「ブラピってなんだ？」

　前世にいた映画俳優だよ。

「俺みたいな商売してるやつは、自分の能力なんて気にしねえからなあ。もう何年も確認してねえや」

「自分で確認できるアイテムでもあればなあ」

「ああ、それなら一応あるぞ」

「……えっあるの！？　先に言ってよ！！」

「買おうとすると数百万エルとかするけどな。貴族の連中は持ってる奴が多いらしいが」

「数百万……！？」

　た、高すぎる……車買えちゃうじゃん。

「そんなん買うなら、俺たちみたいな庶民はたまに教会に行ったほうが安上がりってわけだ」

　たしかに、おっちゃんみたいにあまりステータス確認をしないならそんなのは必要ないだろう。

「いやーでも欲しいなあ俺は。中古とかでいいからどっかで安く手に入らないかなー……」

　いつか冒険者になってそこそこ稼いで美味いもん食いたい。

そのためには自分の能力を常に把握できるアイテムが欲しい。

「ああ、それならスラム街でやってる”闇市”でも見てきたらどうだ？」

「闇市？」

　そういえばスラムに帰ったとき、たまにフリーマーケットみたいなのをやってる場所があったっけ。

「闇市には色々と掘り出し物があるって話だ。格安で呪いの武器とかも売ってるらしいぞ」

「それはちょっといらないけど」

　装備したら取れなくなるグローブとか？　嫌だなあ……。

「闇市のなかにも、普通にその辺でやってるのと、外からは見つかりにくい所でやっている店もあるらしい」

「隠れてやってる所の方がヤバいアイテムがありそうだね」

「ま、なんにしても気を付けて行ってくるんだな」

「わかった！　ありがとおっちゃん！」

　俺は掘り出し物を探すため、闇市へ向かうことにした。