第11話 はじめてのステータス確認【ステ確】
「ここが教会か。ちょっと入りにくいな……」
魔獣の森でトンホーンを討伐した翌日。
遂にステータス確認をするための金額が貯まったので、街の教会へやってきた。
「よし、いくか」
俺は意を決して、教会の大きな扉を押して中へ入る。
「よく来ましたね、迷える子羊たち……」
「あ、すんませんステータス確認に来たんですが」
「あっステ確認ね。ちょい待ち~」
シスターっぽいお姉さんがなんか神聖な感じで登場したけど、要件を伝えたらすごいフランクな感じになった。
「ボクくん、ステータス確認は1万エルだけど、お金はある?」
「あるよ。はいこれ」
「まいどあり~。お小遣いがんばって貯めたんだね~えらいえらい」
頭撫でられた。
「シスターがまいどありとか言っていいの……?」
あとお小遣いじゃなくて自力で稼いだんだけど。
「じゃあ準備するから、ちと待ってね~」
「はーい」
なんか思ったより軽いな……。気楽で良かったけど。
__ __
「おまたっせ~。えっとボクくん、名前なんだっけ?」
「黒保根修汰だよ」
「クロホネ・シュータ君ね。こっちへどうぞ~」
シスターさんの後に付いて地下の部屋へ移動する。
「これは……」
部屋に入ると、そこには俺の身長の倍はある、大きな鏡のようなものが置いてあった。
「じゃあこの前に立ってね~。はい、おっけ~。じゃあ今からステータス確認の呪文を言ってもらえればできるから」
「じゅ、呪文って?」
「あーそっか、シュータ君初めてか」
シスターさんに呪文を教えてもらう。
「それじゃあどうぞ~。外で待ってるから終わったら部屋から出てきてね」
「うん。ありがとう」
どうやらステータス確認は本人だけで行うらしい。
「よし、やるか……えーと、”鏡よ鏡、我の秘めたる力を写したまえ”」
ちょっと恥ずかしいな。
「ワカリマシタ」
「ええ……」
この鏡しゃべれるんだ……。
パアアアアア……
「うわっ!」
「ケッカ、デマシタ」
しゃべる鏡がいきなり輝きだし、鏡面に文字が浮かび上がる。
【シュータ・ブラックボーン】
・10才・男
・所持金:30300エル
・HP:E+
・パワー:C+
・ガード:F
・マジックパワー:F
・マジックガード:F
・スピード:F
・スキル:毒耐性+、味覚補整+、魔素吸収
・装備適性:ナックル(D+)
なるほどなるほど……。まず、ひとつ言いたいのがさ。
「シュータ・ブラックボーンって誰だよ!」
名前ちゃんと登録できてないじゃん!
シュータはいいとして、ブラックボーン? 黒保根……クロホネ……黒骨ってこと?
……ちょっとかっこいいからまあいっか。
「てかステータスの基準が分からないな」
パワーが他より高いことだけはなんとなく分かるんだけど。
「ステータスハ、F~SSSマデアリマス。下カラF、F+、E、E+……ト続キマス」
「なるほどな」
どうやら今の俺のステータスは、体力がちょっとあって、パワーがまあまあで、後はほぼゼロってことか。
「スキルは、毒耐性+、味覚補整+、魔素吸収……」
これがあの神様からもらった能力なのかな。
多分、毒耐性のおかげで何食べても大丈夫なんだろう。
あと味覚補整で不味い食材も美味しく食べられるとか?
「魔素吸収はよくわからないな……」
「食材カラ魔素ヲ吸収シテ、ステータスが向上シマス」
「へーそうなんだ!」
パワーが高いのは、今まで何かパワーが上がる魔素入りの食べ物をたくさん食べてたってことかも。
「色々な魔素入りの食材を食べたら、他のステータスも上がるかな?」
自分のステータスを確認して、これからの方向性がちょっと見えてきた。
装備適性のナックルっていうのは、グローブとか手にはめて使う系のやつかな。
「装備したら能力も上がるかな。欲しいな~」
とはいえ、ステータス確認の度に教会まで来て、しかも1万エル払わなきゃいけないのは普通にキツい。
1万エルあったらおっちゃんの串焼き100本食えるんだぞ。
「どうにかできないかな……」
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