第17話密室のナース直美

「なに?貴方のお名前を教えて頂けますか?」ナースが問う。


「あ、はい八束孝です。」


「もしかして、じ、じょう・・・。」


息が続かなかった。


「かなり消耗してるわね。上善寺直美です。アレルギーは持ってない?」


「あやっぱり!」


孝は出会いの形に拘っていた。


 グループホームの応接室の長いソファーに横たわり点滴を受けていた。


  こんなドンくさい出遭い方って有りか?


 レースのカーテンが日差しを遮りテンカセが冷風をそよ風の如く孝の頬を撫でていた。

時折バーン! 


銃声が聴こえるが、あれは農耕作物を食い荒らすカラス避けの銃声だろう・・。

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