ゴブリンを絶対取り戻す件
朝起きたら檻からゴブリンが居なくなってた!!
絶対取り戻す!!
と、息巻いたものの、連れ戻すというのも難儀なものだよな…
「コアちゃん、索敵とかできないの?」
『このダンジョンから半径500mの範囲なら可能です』
おっ!!コアちゃん有能すぎんか?!
…と言っても俺は一晩寝ていたわけで、索敵範囲内以上の距離にいたら詰むんだよなぁ…
「てかコアちゃんゴブリンが逃げてるの気づいたら教えてよ!!」
『…怯えるように逃げていったので害はないと判断しました』
害がないって!!せっかくの経験値源なのに!!!!逃げられたら損だよ!!
くっそぉ、、どうすれば…コアちゃん何とかならない?!!
『ここから400m東に、おそらくゴブリンのものと思われる生体反応がいくつかあります。恐らくゴブリンの集落かと』
「あっ………ふーん?勝ったな。ちなみに今DPいくつある?」
『787です』
787DPねぇ…たしか500DPで初期魔法が獲得できたはず…
火魔法
水魔法
風魔法
土魔法
光魔法
闇魔法
今取得できるのはこの中の1個かなぁ?
「確認なんだけど魔法ってDPで手に入れるよね?」
『可能ですが、今のDPだと火の魔法を覚えたとしても、ライターほどの火を2秒程度出せるくらいですよ…?戦いに使うには心もとないかと…』
「いいからいいから!光の魔法お願い!!あと真っ黒の外套とか出せる?!」
『…可能です』
賭けに出るなら今…か。ここでまたゴブリンが迷い込むまでひたすら待つというのも現実的に厳しい。
俺はとある作戦のために計画を始めた。
/////
とあるゴブリンの集落
「ゴブ…」
そこでは無惨にも、無理やり治療されたような傷跡が残る衰弱したゴブリンがいた。
彼の周りには心配げにゴブリンたちが集まっていた。
『おら!くらえ!俺の糧になれ!』
ゴブリンはふとそんな言葉を思い出し身震いをした。
それは彼にとって忌々しい過去でありトラウマである。
「ゴブ…」
幸いにも逃げ出した洞窟の近くにゴブリンの集落があった。咄嗟に逃げ込んだそこには心優しきゴブリン達がいた。痩せきった自分のために食料を恵んでくれたのである。
暗闇が当たりを支配して、月明かりだけが頼りの薄暗い中。
暗闇に染まる夜に、突然閃光が走った。
ここにいるゴブリン、全員の視界が一時的に奪われる。
バタリ、バタリ、そんな音が周りから聞こえてくる。
しばらくして視界が戻ってきた時、目の前にあの男が映っているような気がした。
彼の意識はそこで途絶えていた。
///
(よし…全員眠らせたぞ)
俺はゴブリンの集落のど真ん中でほくそ笑んだ。
何が起こったかと言うとそれは、俺の立てた作戦に起因する。
1、俺が黒い外套を羽織り集落へ近づく。
2、さっき覚えた光魔法で一瞬だけでいいので光を生み出す。
3、一瞬できた隙で全員を眠らせる。
もし全員を眠らせられなかった時のために、逃げる準備はしていたが…これは賭けに勝ったな。
いつ起きるか分からないし…とりあえず雄1匹と雌1匹を優先的に確保して…そのあとは運べるだけ運ぶか…
///
「ゴブ…?」
「やあ諸君お目覚めかい!!」
ゴブリンは目を擦り今の状況を確認する。自分がいるのは檻の中、そこには自分とメスのゴブリンが1人。
檻はいくつもあってそこには男女1ペアになるようにゴブリン達が入れられている。その数ざっと6ペア。あとあまりが1人。
「さてさて、君たちに説明しても無駄だとは思うんだけどね?何も説明無しにというのは可哀想なので説明して差し上げよう!!」
ゴブリンたちは突然の状況に混乱している。当然唯一檻の外にいる青年の言葉がわかるはずもないので、暴れるものもいれば、座り込んでいる者もいる。
そこでゴブリンは思い出した。地獄の再来だと。
///
俺はゴブリンを全員運び込み、男女がペアになるように檻にいれた。
『マスター。こんなに連れてきて、どうするつもりですか?』
作戦の成功に酔いしれていると、コアちゃんから声が掛かった。
「んー?子供産んでもらって数増やそうかなって」
コアちゃんは沈黙した。
そしてしばらくした後…
『……サイテーですね』
「え、コアちゃん急に感情持ちすぎじゃない?」
俺は驚きを隠すことが出来なかった。
寝ているゴブリンに石を投げつけること1時間。ようやくゴブリンが1人起き始めた。
「ステータスオープン」
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名称:未定
性別:男
経験:26Lv
称号:来訪者 新人ダンジョンマスター
肉体強度:E+
権能:不殺Lv2
・不殺
・状態異常
∟毒Lv1
麻痺Lv1
睡眠Lv13
不殺のダンジョン
攻略難易度:E+
DP:787
不殺値:180
所有するモンスター:0
地脈が通っていないため地脈からDPを集めることは不可能です。
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_____
状態異常...
毒Lv1(不殺値10で解放)
麻痺Lv1(不殺値15で解放)
睡眠Lv13(不殺値80で解放)
残り不殺値:180
___
「コアちゃん、とりま毒全振りでお願い」
『…了解しました』
ピコーン、そんな軽快な音が脳内に流れ目の前にある半透明の板がピカピカと点滅する。
______
状態異常...
毒Lv7(不殺値45で解放)
麻痺Lv1(不殺値15で解放)
睡眠Lv13(不殺値80で解放)
残り不殺値:5
___
よし、毒のレベル上がってるな!!
毒のレベルが上がってることを確認した俺は、ゴブリンたちを一瞥した後、ゴブリンたちに言い聞かせるように声を張った。
////
「という訳で!君たちには僕の経験値の糧になってもらいます!じゃあ毒付与してくね!」
「ゴブっ?!」
「ごぶっ?!、?、」
「ゴブ!!」
端から順に毒状態にして行くと、ゴブリン達が呻き声を上げて苦しみ始めた。
経験値を1獲得しました!不殺値を1獲得しました!DPを1獲得しました!経験値を1獲得しました!不殺値を1獲得しました!DPを1獲得しました!経験値を1獲得しました!不殺値を1獲得しました!DPを1獲得しました!経験値を1獲得しました!不殺値を1獲得しました!DPを1獲得しました!経験値を1獲得しました!不殺値を1獲得しました!DPを1獲得しました!経験値を1獲得しました!不殺値を1獲得しました!DPを1獲得しました!
「みんな安心して!!苦しくても僕の権能の効果で死なないから!!」
俺はゴブリンたちを安心させるように、にこやかな笑みを浮かべ、サムズアップをした。
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