不殺スキルが権能に相応しいくらい強かった件

『以下、HPを回復する手段を表示します

 ・ヒールポーション

 ・セーフティーポイント

 ・権能による回復

 ・睡眠による自動回復』


「ふーん、それぞれDPってどれくらいかかる?」


 俺の権能は回復とは関係無さそうだから...

 以下、ダンジョンコアちゃんによる説明

 ヒールポーション...1つ10DP

 ハイヒールポーション...1つ100DP

 セーフティーポイント...1㎥あたり10000DP

 睡眠による自動回復は論外として...


「ステータスオープン!」


 __________________________

 名称:未定

 性別:男

 経験:3Lv

 称号:来訪者 新人ダンジョンマスター

 肉体強度:F+

 権能:不殺

不殺のダンジョン

 攻略難易度:F

 DP:23

 所有するモンスター:0

 このダンジョンの地下に地脈は通っていないため地脈からDPを集めることは不可能です。

 ______


 最低限の食料として干し肉に必要なDPが3だから..


「コアちゃん!干し肉1つとポーション1つ!残りのDPで檻とか出せる??」


『可能です』


 すると俺の目の前には白いモヤが現れて、まばたきをした瞬間には干し肉とポーション、拘束用に頼んだ檻が鎮座していた。


「さて!この檻にゴブリンを入れたら...」


 俺はダンジョンの入口で倒れているゴブリンを悪戦苦闘しながら檻に入れた。檻の中に入るゴブリンはまさに鳥籠の中の鳥、空を翔ける夢を奪われた鳥のように、一生を籠の中で過ごすことになるのだ。

 俺は食べ物を入れる用の穴からポーションを注ぎ込んだ。


 ////


「...ゴブ...?」


 彼が目覚めたのは檻の中だった。飢えに苦しむ中、やっと見つけた一筋の光。彼は洞窟に入ると同時に、力尽きるかのように倒れしまったのを覚えている。志半ばで、彼の命は潰えるはずだった。


 目の前には、干し肉があった。

 飯、メシ、ご飯

 彼は脇目も振らずに齧り付いた。何日ぶりの食事だろうか。夢中になって、あっという間に食べ切ると、彼にも周りを考える余裕がでてきた。


「ごぶ...?」


 彼は檻の中に閉じ込められていた。

 辺りを見回すと黒髪の少年が一人、石を構えてこちらを見ていた。


「ごぶ!ゴブゴブ?!」


 飛んでくる石が頭にクリーンヒット、彼の意識は途絶えた。



 ///



「よっしゃ!!永久機関じゃんこれ!!!」


 

経験値を5獲得しました!DPを1獲得しました!

 経験値を1獲得しました!DPを1獲得しました!

 経験値を1獲得しました!DPを1獲得しました!

 レベルが上がりました!!

 経験値を1獲得しました!DPを1獲得しました!


 ....


「あははは!楽しい!楽しい!!レベルがどんどん上がってく!!ははははは!!はははは!!」


 俺は何度も石を投げつける。頭の中に流れるファンファーレに、脳内麻薬の分泌を感じながら、足元で無造作に散らばる石を拾っては投げ拾っては投げ...


『マスター、やめてください。俗に言うさいこぱす?って言うやつですよ』


「ごめんごめん!楽しくてさ!!」


『今更何も言う気はありません...』


 ///


「あれ、もうボーナスタイム終了??」


『そのようですね?そろそろ就寝なさっては?』


「ステータスオープン!」


 __________________________

 名称:未定

 性別:男

 経験:8Lv

 称号:来訪者 新人ダンジョンマスター

 肉体強度:F+

 権能:不殺

不殺のダンジョン

 攻略難易度:F

 DP:54

 所有するモンスター:0

 このダンジョンの地下に地脈は通っていないため地脈からDPを集めることは不可能です。

 ______


「すごい!レベルもDPもめっちゃ上がってるじゃん!!」


『そのようですね、あまり褒められるやり方では無いですが..』


「ヒールポーション追加で出して!!!残ったDPはダンジョンの拡張に全部回しといて!!」


『...わかりました』


 俺はこの世界で...最強になる!!

 なれるかな?


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