第7話
「はぁ...」
なんとか、勇者たちから逃走しケメリカ王国の冒険者ギルドに到着
ここに来た目的は一つ、他の国の情報を集めるため
「お、お邪魔します...」
と、少し緊張しながら扉を開ける
実は、剣術学校に通っているからと言っていきなりギルドで冒険者としての仕事をこなすわけではない
ほとんど来たことがないのだ
「いらっしゃい」
出迎えてくれたのはギルドの職員
かと思ったが
「ん? なんで、お前がここに!?」
クラスメイトのジェーンだった
おかしいな、同じクラスの奴らは全員大会に参加してるはずだけど
「...レオンこそ、なんでここに...」
向こうも最初は俺のことを認識してなかったらしい
「ところで、ジェーンってギルドで働いていたのか?」
「ううん」
俺の質問には、ジェーンは横に首を振る
「私は別に剣術が得意でもないし、一回戦で負けちゃったからさ
お手伝いをしてるだけ」
「あ、そういえば女子の部は男子の部より先にやってたのか」
「うん、表彰式まですぐに終わって時間があったからね」
ジェーンはそこで一呼吸置くと、話題を変える
「で、なんでここに来たの?」
「あー...まぁ、詳細は省略するけど俺は今すぐこの国を出なきゃいけないんだ」
「...え?」
当然驚いた表情になる
そりゃそうだよな、いきなり同級生が国を出てくって
信じられるわけもない
「ちょっと、大会でいろいろあって勇者と国王に目をつけられてな」
「うーん、まぁよくわからないけど...他の国について知りたいってところ?」
今日だけじゃなく、たまに手伝っているのだろうか
ずいぶん察しがいいな
なんというか、冒険者の扱いになれているというか...
「そうだ、出来れば地図とかも用意してもらえると...」
「...わかったわ、準備はするけどその間に武具屋で装備を新調してきたら? その装備じゃどの国に行くにしてもたどり着けないわよ」
「じゃあ、そうするよ...」
──────────────
てなわけで、ギルドの隣にそびえる武具屋へ
金の方は問題なし、優勝賞金が...
って、ちょっと待て 俺って優勝は剥奪されたんだよな...?
優勝賞金もらいっぱなしで、返すの忘れてた
「...まぁいいか」
そっちの勇者のせいで、こうなってるわけだし、これぐらい使ってもいいだろ
と、自分の中で納得し武具屋に入るのだった
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