第4話
「次でとどめをさす」
俺は相手にも聞こえる声量ではっきりと言い放つ。
「なっ...まだっ、終わらせねぇ」
さっきまで、剣を地面に突き立てなんとか立っていたミカエルは最後の力を振り絞り、体勢を整える。
一体どうして、そこまで魔剣士を目の敵にするのか...
「はぁぁぁ!!!!」
剣を大きく振りかぶり、速度を上げ突進してくる。
「
剣に魔法を付与し、攻撃を受け止める。
この魔法はただただ、対象を硬くするだけ。
だが、何も考えず怒りに身を任せて突進してくる相手なら...止められる!
「ぐぅっ!? 負けるか!!!」
受け止められながらも、さらに力を込めてくる。
こいつ、このままだと死ぬぞ?
ただでさえ、体は傷ついているのにまだやるか...
さすがに、殺すまでは俺もするつもりはないし...次で意識を飛ばすか
なら...
「吹っ飛べっ!!!」
技を使う間合いを確保するために、一度硬化した剣で相手を弾き飛ばす。
「はぁ...はぁ...」
ミカエルは着地に失敗、なんとか立ち上がったものの大きく息を吸って吐いてを繰り返している。
「これで、正真正銘終わりだ。
俺が詠唱した直後、ミカエルの周りには神々しく光る壁が出現。
これで、相手を倒せるのか?と観客から疑問の声が上がっているようだが..
「アクティベート」
さらに、俺が指示を加えることによってこのスキルは本領を発揮する。
「な..俺は、何を...?」
「戦闘不能!! よって、ケメリカ剣術大会優勝者は...レオンハルト!!!」
審判によって高らかに宣言される。
観客からは、驚き戸惑うような声が聞こえる。
実は、この大会のルールとして相手が戦意を喪失したと判断された場合には即座に試合を終了するというものがある。
俺のさっき発動したスキルは、そこを狙うことが出来る優れもの。
本当は使うつもりはなかった。これを使えば、剣術大会の意味がないし..本当は決勝まで進むつもりでもなかったし、純粋に剣術をアピールできれば..とか思ってたけど
相手が相手だったしな
ん? ちょっと待て...
「ということで、レオンハルト選手が今代の勇者と結婚を───────」
「あああああああ!!!」
完全に忘れてた! 終わった....俺の人生計画がぁ─────
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