トンネル
村崎愁
第1話 トンネルの男
家の近所に古いトンネルがある。
便利は便利なのだが、地元で有名な心霊スポットで、ほとんどの人は利用しない。
ある時に仲間5人と酒を呑み、ドライブに行くことにした。
ちょうどそのトンネルを抜けた先に5人のうちの1人の家があり、そこに全員が集まってまた酒を呑む予定だ。
トンエルの入り口に行くと中で人が立って見えた。
スピードを落としゆっくりと進む。
ライトに中年男性の顔が映った。
不自然なほどの笑顔でこっちに左手を振っている。
右手は腹を抑えているようだ。
ますますスピードを落とし、男性に近付くと足元に何か黒いものがドロリと出ていて、右手で腹を抑えている。
手で抑えている腹からはドバドバと血液が噴射していた。
男性の目の前までくると、笑顔のままでこちらに手を振っていると思っていたら「こっちへおいで」と手をヒラヒラとさせていた。
「あれは駄目や」と運転手はスピードを上げ逃げ出した。
トンネルの先まで出てコンビニに止まって話し合う。
「あれ、本当に事故やったらどうしよう」
「一応本当やったらあかんから救急車呼ぼう」
「俺電話するわ」
救急車が到着し、先ほどの中年男性のところまで皆で向かう。
そこには血の跡形もなく、男性の姿も消えていた。
救命士は「本当に昔からここに同じ通報があるんですよ。でもいつも誰もいないんです」と言って帰っていった。
もし車を降りて男性に近付いていたらどうなっていただろうか。
あの男性は何年も何を待っているのだろう。
☆
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トンネル 村崎愁 @shumurasaki
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