第3話

「何をしていたのですか。帰りが遅いわ」


門で構えていたのは、人殺s・・・じゃなくて、お母さま。


「ごめんなさいっ」


逃げるようにして部屋へ戻る。


待ちなさい!と怒声が聞こえたけど、スルーさせてもらった。


部屋に戻ってため息をつく。


自己中でわがままで、暴力まで使って物事を進める母。


それには気も留めず、傲慢な父。


愛されていないのはもう、明確だった。


そこまではいいとしよう。


・・・問題は、お母さま。


あの人、性格クs・・・なのに、顏だけは前世の母に似ているのだ。


あの顔で暴力ふるってるところとかを見ると、割と傷つく。主に心が。


だから、できるだけ避けて、夕ご飯は一緒だから食べず、あさ早く学校に行く。


母が暴力をふるっていたことは知っているけど、誰に振るってたっけ・・・?


これまた記憶が抜き取られている感じ。


不思議だな・・・まあともかく、いつかはあの屋敷から抜け出す。


庶民街にでも行って、働けるのならば、それ以上は望まなかった。


お母さん・・・


唯一の幸せな思い出だ。


・・・なんだか、思い出しちゃったなあ。


私は声を押し殺して泣いていた。

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