第7話 狩りを終えて……

 あれから、2体目のゴブリンは惜しくも2撃目で倒し、3体目は完全に反撃出来ないように木に縛りつけて、フィリアの手を持って、そのまま弱点部位を教えながらゴブリンを切り刻んで終わりにし、クリーンをかけて今度は野営の仕方の説明で実際にテントを立ててもらったり、火の起こし方を教え、私がログアウト中、フィリアに生活魔法を教えられないかリアに聞いたりとのんびり過ごし、森に散っていったテイムモンスター達と合流した。



「というか、フィリアちゃんよく平気でしたね。普通は嫌悪感とか吐き気とか出ますよ?」

「あ、そういうのは最初に出会った時にしてるよ?あの賊を殺った後にクリーンとドライかけたから」

「なるほど……で、フィリアちゃん?教えられた事、ちゃんと覚えました?」

「?ちゃんと教えたから大丈夫」

「えぇと……もう少し教わりたい」

「時間は沢山有るから大丈夫」

「そうですね……(後で私が教えますので、そっちも教えてくれません?感触とか色々)」

「分かった……(むぅ……それで手を打つ)」



  と、のんびり歩きながら森を抜け、テイムモンスター達(リアを除く)をテイム石に戻し、門を潜ってギルドで素材を換金し、宿屋に行ってそれぞれの代表に近々出発する事を伝え、夕飯を食べて宿屋に戻ったらログアウトした。



 さ、お昼~、お昼~♪の前のアイs……アイスは?確か昨日、亮治兄が買ってきて冷凍庫に入れたアイスは?散歩前にも、後にもあったのに、私への詫びアイスはどこに?



「お?リンセちゃんおはよー。運営からイベのお知らせ出てるよー」

「……真依お姉ちゃん、それ」

「これ?冷凍庫にあった雪見だいふく。やっぱ、秋から冬だよね~。雪見だいふくの季節って」

「おまっ!?マジか?これで何回目だよ?リンセの雪見だいふくやらスイカバーやら白くまとか食べるの。後、リンセは確認だけじゃなくて、名前書いたりとかしような?」

「……名前書いた」

「……すまん。実の兄妹だが、擁護は出来なくなったわ。真依、強く生きろよ?」

「??二人して何の話?」

「「真依お姉ちゃん(お前)が、私(リンセ)の楽しみにしてたアイスを食べたって話」」

「……えぇと……ほら、ゆ、雪見だいふくって2つあるじゃない?ほら、1個は残ってるから!まだ手をつけてないから!」

「グッ……ウゥ……むぅ、わがった」

「あぁああ、分かった分かった。後でお姉ちゃんがピノ買ってあげるから。ね?泣かない泣かない」

「……泣い゛てない」

「というか、お前等よくご飯前にアイスとか食おうとしたり、食えるな」

「……マジで?あ、本当だ。だからお腹が空いたのか」

「アイスは別腹」

「百歩譲って、アイスは別腹なのはこの際置いておこう。真依、アイスが入っていた冷凍庫、もとい冷蔵庫は台所にある。で、今台所で母さんが昼食を作っているわけだが?そして、リンセは何でこのリビングから台所に行くルートではなく、廊下から直接台所に入るルートを通った理由は?」

「……私が昼食に気づかなかった、だと!?」

「アイスは昼食にもn」

「ならないからな?大人しく昼食も食べような?」

「はいはい、ご飯出来たからダイニングに来てね~」

「因みに……リンセはどこに名前を書いたんだ?蓋には名前書かれて無いぞ?」

「……底」

「「そこまで見るかっ!?」」

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