第6話 アレという名のレベリング
宿に戻ると、そこには気持ち良さそうに未だに寝ている2人の姿が……
「いつまで寝てるの?先にお昼ご飯食べてきちゃうよ?」
「ご飯っ!?あれ?リンセちゃん?」
「はい、フィリアも起きる。というか、寝すぎ。野営したらそんなに寝れないよ?」
「んぅ……起きる~」
「これは……旅に出る前に、野営訓練しないとダメそう」
「あー……私は」
「参加だよ?リアはフィリアのお守り役なんだから」
「初めて聞きましたよっ!?」
「?何のためにリアを出しっぱなしにしてると思ってたの?」
「さようなら、私のスローライフ。ようこそブードキャンプ」
「はい、運動しやすい服に着替えてちゃんと装備もして、お昼ご飯を食べたら狩りに行くよ」
「借り?何を借りるの?」
「獲物を狩るの狩り。狩猟。大丈夫。フィリアに本格的な狩りはまだまだ無理だから。だから、トドメと解体をして覚えてもらう」
「え?……それって大丈夫です?」
「が、頑張ります!」
「慣れなければ、冒険者としては生きていけない」
「それは、そうですけど……心配しかないですね」
「大丈夫。目の前で女性が焼けても平気だったから」
「そういえば……そうでしたっけ?」
「という訳で昼ご飯に行くよ?」
「「はーい」」
ということで、消化に良さそうなものでお昼を済ませて、門から出て午後の組のテイムモンスター達……ククル、ガト、アスール、午前中に続いてボニトの4枠。リアとフィリアは私と一緒に行動で、他は自由に行動。なんか、ボニトがアスールの背中に乗って行ったけど……アスールも超エキサイティンっ!ってしたいのかな?まぁ、私達はのんびりして行こう。
「所で……どうやってフィリアちゃんのレベルを上げるんです?フィリアちゃんは戦闘経験なんて無いですよ?」
「練習方法は考えるけど、しばらくは……丁度良いのが居た。二人は大人しくしといてね?何なら、リアはフィリアに魔力の扱い方?を教えてても良いよ?10分位で戻るから」
「はあ……分かりましたけど、私が教えれるの風だけですからね?」
「それで十分!」
「じゃあ、リンセちゃんが戻って来るまで、体内の魔力を循環させてみましょうか。これくらいなら、馬車の御者をしていても、部屋で休んでいても出来ますからね」
「分かった!」
二人から離れて、少し先に居たゴブリン3体を無力化。うん、初めてやらせる側になったけど、意外と難しい事だったんだね、だるまにするって。ただ、完全なだるまにするとキチンと教えられないので、肘から先、膝から下を切った位。ヒールは便利。傷口を炙らなくていいのは楽。森の中だから火事とか気を付けたり、火や煙でバレたり襲われたりとかないし、ただ、ちょっとだけ悲鳴が響いたかな?ゴブリンの。というわけで……。
「準備出来た。最初は目を瞑っても良いから、まずは1体刺してみよう」
「うわぁ、何を用意ってこれです?えげつないですね?」
「まずは人型がやれないとね。大丈夫、頭突き位しか出来ないけど、足があれだから威力は低いから。とりあえず、1体目で振り切って、2体目で殺す事の慣らし、3体目で効率のいい攻撃場所を教えるから」
「いやいやいや、フィリアちゃんを見て下さい。やれそうにみえm」
「わあぁぁぁぁぁあああっ!!」
「まずは1体。滅多刺し。はい、ストップ。そのまま2体目に襲いかかろうとしない。深呼吸して落ち着いて、ね?」
「はぁ、ふうぅ……すぅ……はぁ……」
「ヨシヨシ。ナイフや短剣で刺す時は刃をこう寝かせたら刺さりやすいからね。落ち着いて狙いを定めて、2体目は一撃で倒せるように頑張ろう」
「……はい!」
「えぇぇ……」
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