第25話 脱!初心者5
静かになってから、リンセちゃんが全然戻って来ないですね?まぁ、リンセちゃんがやられたら、私やテイムモンスター達はリスポーン地点に跳びますし、跳んでないという事は生きてるという事ですが、いったい何をしているのでしょう?というか、臭いって、ゴブリンとかはわりと臭い方ですが、リンセちゃんが臭いって言ったこと無いですね。え?盗賊団の臭いってゴブリン以上ってこと?……ちょっと、興味本位で上の方に聞いてみましょう。
「……お待たせ。ちょっと戸惑った」
「あぁ、大丈夫で……その馬車と後ろの人とか物資は?」
「賊のアジトから持ってきた。強いのは居なくて臭いだけで楽だった」
「えぇと……どうするんです?それ」
「街まで運ぶ。食糧は私が持ってるし、馬車位なら動かせる。ただ、普通の馬で魔物じゃないからテイム出来ない」
「では、進みましょうか……あ、前方の障害物とかどうします?」
「物資は回収。生存者は……まぁ、助けれるなら助ける。血の臭いであの変な臭いが和らいでると良いけど」
「まぁ、どのみち臭いのはあまり変わりませんよね?」
「違う。賊の方がキツイ」
ひとまず、馬車を並走させてゆっくり進み、全滅したと思われる現場に到着するも、倒れている賊に冒険者、そして商人と幌馬車……生存者、居るかなぁ?ん?馬車の中で何か動いた?よしよし。お馬さん、大人しくしていてね?
「確認してくる。遺体はどうすれば良い?(というか、なんで死体が消えないんだろ?掃除が楽なのに)」
「あー、任せる。馬車はこっちで見てるよ」
「ん。とりあえず、冒険者はカードと装備品の回収……インベントリに入らない?……私の馬車でいっか。賊は……ウッ、臭い。燃やした方が良いんだっけ?アンデット対策。じゃあ……穴を掘ってまとめて燃やせば良いか……4日で街に着けるかなぁ?あ、何事も無ければの話だから問題ないのか」
とりあえず、穴を掘るけどもシャベルかスコップが欲しい……あ、離れた所なら大丈夫かな?カピタン達にけっこう深めで穴を掘る指示を出して、掘り終わる前に馬車とか生存者の確認しよう。という訳で、幌馬車の中身は……樽や食糧、後は……檻?人?あ、箱の中に生存者確認。
「あ……」
「生きてる?怪我はない?」
「あの……誰です?護衛は?」
「護衛と商人らしい男性は死亡。賊は私が護衛してる馬車を見つけて、こっちを襲撃。返り討ちにして、アジトも潰した。アジトの物も全部持ってきた」
「そんな……」
「とりあえず、安全だから馬車から出て……この中に賊は居る?教えてくれたら、助けてあげる」
「え?なんで?」
「そぅ。じゃあ……檻の中の人を無視して……お姉さん、死ぬ?それとも無傷で捕まって、街の兵士さんにつき出される?好きな方選んで」
「な、なんであたしが」
「別に人質位、殺して良いよ?その瞬間に殺せば良いだけ。そもそも、身なりの良い子供が、親を無くして生きていけるかなんてたかが知れてる。逆に親元に行かせる方が幸せ」
「バレてるなら……あんたそれでも人の子かっ!?」
「はぁ、さっさと決めて。殺されるか、捕まるか」
「くそっ」
「はい。人質解放ありがとう……チャッカ」
「ちょっ!?もっ燃えっ」
「さようなら。そして……そのまま燃え死ね。さてと、あなた達は武器を持っていようが、人数が居れば問題ないよね?そもそも抵抗しないの、この子供のためだったでしょ?」
「え、えぇ、助かりました」
あ、穴掘りが終わった?じゃあ……一旦、遺体を穴に埋めて、全部燃やしてから、商人さんも交えて色々話合おうか。まぁ、後はどこまで進めれるかだけど。
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