第22話 脱!初心者2
それから、護衛依頼の待ち合わせまで時間があるので、開いてる雑貨屋で水亀と必要そうなのを買って、水亀に水を入れてクリーンをかけたり(ちょっとインベントリに入れるのめんどくさい)、屋台で色々買って待ち合わせまでの時間を潰した。待ち合わせ場所は南門近くの馬車置き場というか、停留所?
「えぇと……もしかして、あなたが護衛依頼を受けた冒険者のリンセさんですか?」
「……そう。あなたが依頼者?」
「そうですが、確かパーティー依頼の筈。他の冒険者の方は?」
「居ない。居るのは私とテイムモンスター達だけ。狼系が6頭の群れで、後は鳥系2、蛇系1、猫系1、ウサギ系1。テイム枠はまだ空いてるから依頼中に増える可能性もある」
「え?それだけ居るのにまだ増やす気なんですか?失礼かもですが、管理出来ます?」
「管理?……テイムモンスター、家族、仲間。奴隷とか物じゃない」
「あ……いえ、すみません。えと、護衛よろしくお願いしますね?」
「ん。門を出たら、とりあえず狼達と鳥を出す」
「分かりました。リンセさんはどうしますか?一応、御者台か荷台に座るスペースはありますが」
「……歩いてく」
「そうですか?意外と馬車って速いですよ?」
「問題ない。少し離れて良いなら、木を使う」
「はぁ……まぁ、他の商人の馬車や乗合い馬車も居るから速度は出せませんし、他の商人とかも護衛を雇ってますし、早々に他の馬車からはぐれなければ安全な旅ですよ」
「まぁ、狙うなら先行する先頭か、出遅れたり、事故って止まっている馬車。賊の人数が多ければ、真ん中から襲う。一番、油断してるだろうから。だから、列の真ん中から少し前の方か、少し後ろの位置が一番良い」
「へぇ。見かけによらず博識で……人間、または人形の魔物を狩った事は?」
「……どっちも有る。まぁ、人間は慣らしでだけだけど(ゲーム内の話ではないけども)。人形の魔物ならゴブリンにオークは有る。オークは2体までなら余裕。3体は少しきつい」
「……凄い経験してるね。で、助言は助かったけど……僕達列の最後尾みたいだよ?」
「門を抜けたから、テイムモンスターを出す」
「狼系って言ったけどブラックフォレストウルフっ!?そりゃ、街中で出せない筈だよ。時たま、空腹でこの街に襲撃して来るんだ。って、もう一つのテイム石からは綺麗な鳥だね?……自然に抜けた羽って買取りh」
「ダメ。私が集めてるから。狼達がカピタン、ネグロ、ロボ、ボスケ、ペロ、デカサ。鳥がケツァールのククル」
「分かったよ。まぁ、"4日間"よろしく」
「……あ」
「どうかした?」
「……なんでもない」
ふう、危ない危ない。商人さんとか現地人にリアはまだ見えないからね。こういう依頼とかイベントの時は、ログアウトで周り(この場合、私達と商人さん関係?)の時間が停止するか、この商隊だけ時間加速で進むか、むしろ時間経過を遅くするか選べるけど、私以外にもプレイヤーが居たら選択別でサーバーが別れるみたい。この場合は……どれが一番良いんだろう?最大加速の6倍で一気に進める?確かフィールドボス倒してないと、護衛依頼だろうと必ず出るってリアが言うし。フィールドボスをすり抜けて、違うフィールドに行く方法は無いとも言うし。戦闘時間とか考えたら、最大加速の方が良いよね。プレイ時間も最大加速だと、1日4時間位が限界ってヘルプに書いてあるし、私のプレイ時間とそんなに変わらないし。という訳で、最大加速の6倍を選択。
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