第20話 ギルド登録

 大分、マイお姉ちゃんと話し込んでしまった。いや、別に屋台を制覇しようとか、皆へのお土産を大量に買ったとか、そのせいでお金が無くなったとか、そんなことはない。ちゃんとギルド登録用とテイムモンスターの登録と証用のお金は残してあるし、討伐証明部位の提示で、依頼を消化扱いでお金は貰えるし、何も問題ない。時間も良い感じに潰せたし、本当に問題ない。



 そして、再びのギルド前……うん、開いてるドアから中を覗けば、前回中を見た時よりも大分人が減ってる。これなら、混雑してないし大丈夫かな?良しっ!



「ギルドにようこそ。ご用件は何ですか?」

「登録とテイムモンスターの証」

「はい。では……あちらのカウンターへどうぞ」

「?……ここじゃないの?」

「あー、ここは総合受付みたいなカウンターで、専門カウンターが他にあるの。ほら、その方が沢山捌けるでしょ?」

「なるほど、合理的。ありがとう」

「え?あの、」

「チップ。お礼、受け取る物」

「ありがとうございます♪」



 さ、教えてもらったカウンターで、さっさと登録しちゃお?……なんで、さっきのお姉さんが?双子?元のカウンター……居ない。え?瞬間移動?どうやって?……まあいいや。うん、忘れよう。



「はい、冒険者登録は水晶に手を当ててくれれば完了です。テイムモンスターは……数が多いみたいなので、訓練場に行きましょう。ちゃんと着いて来て下さいね?」

「……分かった」


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「……はい。ここが訓練場になります。軽い腕ためしや鍛練をする場所です。あ、昇進試験は有りますがCランクからで、試験内容は秘密です。昇進試験で訓練場を使う事はないので、自由に使って構いません」

「……分かった」

「では、ここら辺で良いですね。テイムモンスターを全て出して下さい」

「はい……そういえば、リアってどうするの?異邦人にしか見えないよね?」

「はぁ、仕方ないですね。機能の一部を前借りで……実体化!」

「……これで全部ですね?他には居ないですね?」

「ん……これで全部の筈」

「……はい。確認しました。では、こちらが事前に申請してもらった通りの数の証です。基本的に見える場所に着けて下さい。はい、OKです。後は、何かご用件はありますか?」

「討伐証明部位の提示とか?」

「では、中に戻ってから総合受付カウンターですね」

「えぇと……もしかしてずっとお姉さん?」

「はい、そうですね。担当が代わりながらとか時間の無駄ですし、スムーズに進むでしょう?」

「……確かに」


(ねぇねぇ、リアさんや)

(何ですか?マイさん。一応、実体化しましたが、私はまだサポートAIなのですぐに見えなくなりますよ?)

(いや、それよりもあの受付嬢)

(えぇ、落ちてますね)

(どうするよ?)

(いえ、どうもしませんよ?リンセちゃんは、ずっとこの街に居る訳ではないですから)

(それもそっか)




 その後、総合受付カウンターで、お姉さんに討伐証明部位を全部出して精算してもらった。そして、常時討伐依頼の完了?消化?でお金を沢山貰えた。しかも、ランクがFからDになった。で、ギルドには小さな図書室があり、薬草とか魔物が載ってる図鑑が有るというので、お姉さんに案内してもらって、入る前にククルをテイム石に入れ(図書室の中がテイムモンスターの入室が禁止だったため)、ログアウトまで読書タイムとした。

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