第5話 キャンプ

 あれから、なんとか?いえ、危なげなくオークを狩り、ドロップでオーク肉1キロ×5、牙と耳(討伐証明部位)、レアドロップで青銅の剣ですね。で、今は焚き火用の枝とかを集めている所ですね。私が言う前に行動が早いですし、なれてますね。おや?リンセ様?その蛇モンスターは?……お友達になったと?なるほど?……あ、私としたことが忘れてました。いえ、言うタイミングがなかったというか。はい。


「リンセ様?仲良くなったモンスターに向けて"テイム"と言って下さい。そしたら、リンセ様の眷属……まぁ、リンセ様的に言うならば、システムとして仲間や家族にする事出来ます」

「なる……テイム」

「……はい、ステータス画面を観てください。リンセ様の他に狼達や蛇のモンスターがリンセ様のステータスの下に付きましたね?これで、村や街に入っても一応は大丈夫です(まぁ、狼型モンスターをテイムして、群れでまとまって1つの枠に収まるの、噂では聞いてましたが、初めて見ましたけど)。テイム枠を増やすにはテイマーの職業レベルを上げるのとSPを消費して増やす方法が有ります。ただ、街の中やフィールド、街の外の事ですね。そこに連れ出せるのは最大で5匹、つまり5枠くまでです。他のプレイヤーや現地人とパーティーを組んだら組んだ数だけ連れていけるテイム済みモンスターの数は減ります。まぁ、最大パーティーでも一応、1体だけは出せます。また、テイムしてないモンスターは街等に入る事は出来ません。むしろ攻撃されます。なので、仲良くなったらテイムするのを忘れないで下さいね?」

「むぅ……分かった。忘れない」

「はい。良い子ですね~♪」



 そして、アイテムボックスに1スタック分の枯れ枝と火種を集め、ある程度広く、近くに小さな川が有る場所をキャンプ地に決め、今日はここで一泊ですね。言わなくても川に近すぎず、かといって遠すぎない場所をキャンプ地に決めたのは凄いです。水は水筒分しかないですからね。まぁ、一泊するには結構早い時間帯ですけど。森の中なので、むしろ遅くない分問題ないです。


「あの?リンセ様?枯れ枝をナイフで削りだして何を?」

「?……火起こし」

「リンセ様、生活魔法のスキルを持ってますよね?"チャッカ"と火種に手を向けて唱えれば簡単に火種が燃えますよ?"クリーン"を使えば汚れ等が落ちますし、"ウォーター"を唱えれば飲み水にはなりませんが、水が出せます」

「チャッカ。おぉ……凄い」

「リンセ様、落ちてる時にステータスは見てましたが、スキルとか色々詳しくは見てなかったんですね」

「……興味なかったから」

「なるべく、ステータス確認はしてくださいね?私はあくまで、初心者ではなくなるまでのサポートなので」

「……分かった」


 キャンプする時間が早い理由が分かりました。原始的過ぎますし、火起こしに時間がかかるからですね。持ってて良かった生活魔法スキル。いや、有るけども最初に持つ方って少ないんですよね。普通は最初に街に降り立つから、遠くに遠征するまではいらないのです。



 そして、夕食はリンセ様が簡易携行食糧で、狼達と蛇は最初から持っていたテイムモンスター用の餌のお肉。水が欲しくなったら連れだって小川の方に……あれ?水筒の水は?

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