第4話 初めての……
走って来た後ろを見れば、見えなくなっていた狼達が見える距離というより、結構近くまでやって来てた。思っていたより彼等の縄張りは広かったのかな?
「あー……縄張りが有るのは、基本的にボスモンスターです。まぁ、その範囲は狭いですが、彼等のような敵性動物は基本的に縄張りみたいなのは有りません。かなり弱肉強食世界です。だから、敵性動物を引き連れてモンスターを他のプレイヤーにけしかけ、プレイヤーをキルする事(MPK)やモンスターを沢山連れてプレイヤーや街にモンスターを突撃させたりする行為(MTK
)等有りますが、基本的には犯罪になるので、やらないで下さいね?まぁ、街に着いてギルドに登録したら教えられる事ですが」
「……話長い。殺さないとダメ?」
「すみませんね?でも、確かにこのまま逃げても、なんか追いつかれるというか、意図せずに街か村に連れて行っちゃいそうですよね」
「じゃあ、仕方ない。ちょっと話してくる」
「え?いや、魔物言語なんて覚えてないですよね?というか、所持スキルにもないですし。大丈夫ですか?」
「ん……動物とお話は得意」
私、プレイヤーのサポートAI として数多く見てきましたが、こんな方は初めてですね。お話と言いながら群れのボスらしき狼モンスターに木の上から突撃するように……いえ、あれは拳骨ですかね?をして、相手の勢いを殺したと思ったら狼モンスターの口を押さえて綺麗な足払い、そしたら狼モンスターの首とお腹に顔を当てて……なんと正規の手順でなくてもテイムして……ん?表記的にはテイムされてませんね?まぁ、狼モンスターの群れを敵から一気に仲間にして……いえ、配下ですかね?凄いです。
ところで私、今除け者にされてます。プレイヤーであるリンセ様と狼モンスターが仲良くガウガウ言い合ってます。何語でしょう?獣語?狼語?いえ、そんなスキルはないですが、マジです?最初の追う追われる関係から今ではじゃれあってます。眼福です。ありがとうございます。
「Gyau?」
《Gurrrrru》
「ん?……あー、オークですね。猪獣人さんが間違われる事が多いですが、獣人の特徴である体毛がほぼないので分かりやすいんですが……ちょっとした武器を持ち、簡易的な防具を装備してます。ちょっと……ここら辺は初心者向けでは無いですね。その狼さんもオークも最初の初期地からは、わりと離れている所に居るモンスターです」
先に狼達が仕掛けに行きましたね。どうやら、リンセ様も今回は戦うみたいです。お?ナイフを取り出して手に……え?口に咥えるんです?それ、解体用のナイフですよ?まぁ、初心者装備とはいえ、解体用ナイフだけに切れ味はそこそこ、耐久もそれなりに有ります。ただ、街で買う物の方が上ですが。
お?おぉ、狼モンスター達と見事な連携です。ヘイト管理もバッチリ、四方八方から狼モンスターとリンセ様が攻撃して……リンセ様えげつない攻撃してますね。狼モンスター達はオークの手や足等、防具による防御力がない場所をメインに攻撃、リンセ様はうち太ももや首を解体ナイフで攻撃していきます。しかも、ちゃっかり狼モンスターが付けた傷も狙ってます。これ、出血ダメージで倒せそうですね。オークで脅威なのは、攻撃力と耐久値、その腕力と高い体力です。まぁ、中級冒険者でも1対1なら倒せる人も居ますからね……あれ?リンセ様はまだ初心者冒険者にもなってない初心者で、バリバリの戦闘職じゃなくてテイマー……考えるのは止めときましょう♪
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