第212話 せつめーの続きと言う名前の閑話
「・・・次。正直言うとこの二つの時点で、ほとんど切り札と言ってもいい効果。何せ両方ともSSRスキル」
「まじか・・・強力スキルの詰め合わせみたいな奴だな」
「・・・ん。まずは【アクセラレーター】 効果は殆どチートと言える。何せ【絶対最速行動】という行動をとれるようになる」
「えーと、どういう効果なんだ?」
「・・・その名の通り、発動させれば何よりも早く動く事が出来る。高速移動とかではなくて、時間を歪ませたかのように、何があっても最速で動けるようになる」
山田の疑問に答えるスピネルだが、誰よりも早く行動できるって能力か、確かに強そうだがチートと言える効果なのか? と思ったらとても恐ろしい効果を説明していく。
このスキルはつまり、どのような状況でも【割り込み】ができる能力なのだ。相手が切り札を使うとしよう・・・普通なら余程の事がない限りはそれを抑える事は出来ないが、アクセラレーターを使用すれば、【その切り札を使う前】に行動が出来てしまうのだ、それも高速以上の速さで。
使うタイミング等は自分で決めなくちゃいけないが、最速で移動したり、相手が動く前に攻撃したり、相手の攻撃が始まる直前に使えば、それに割り込んで自分が先に動けてしまう、まさに時間と時空をゆがめてるようなスキルだそうだ。
一度発動してしまえば、アクセラレーターより早く動く事は誰にもできない。RPG的なゲームで例えるなら、相手にターンを渡さず、先に行動できるって事になる。相手が自分よりどれだけ早くても、寧ろ相手が奇襲してきたとしても、このアクセラレーターを使えば逆にこちらが奇襲出来てしまう。
そりゃあチートだわ。後何が強いって、このSSRスキル、リチャージがかなり速い。1度使ったらもうその日は使えない系のスキルがそこそこ多い中、これは1度使えばクールタイムが発生するが、なんとその時間は1時間。 たったの1時間で再使用が可能なのだ。破格のスキルと言ってもいいだろう。
そりゃ確かに連戦とか戦闘中に連続でとかは出来ないが、多少時間があればこの切り札がまた使えるってのは頼もしいなんてものじゃない。
ちなみに戦闘中以外でも利用方法があって、例えば罠間定時に罠が発動してしまったとする。普通は対処すら出来ずに罠にかかるが、アクセラレーターを発動すれば、その罠発動前に動く事が可能だ。そのタイミングで逃げるなり、再度罠解除を行うなり、脱出するなりできるって事だな。
「そりゃチートだわ・・・」
「まーちゃん、これますますショコラ達が使っていいのかな・・・?」
「いや、寧ろショコラとクレア専用みたいなもんだろ」
「ごしゅが使えるなら一番いいのにねぇ」
レジェンドスキルは基本ソウルギアしかセットする事が出来ないので、俺はセット出来ない。一応5シーズン生き残ればスキルスロットが解放されるらしいが、そんなのは先の話だ。後俺じゃ絶対に使いこなせる気がしないし、あえて斥候役をやってくれるショコラとクレアが一番セットに適していると言えるだろう。
時点でテルクシノエーだが、テルクシノエーは魔法と支援、指揮命令がメインなのでこれをセットするメリットが少々薄い。
「・・・そして次、多分使い方によれば、誰でも完封できる、購入出来ないSSRのスキルの一つ・・・【アクションジャマー】」
「えぇ、これは僕も知ってますよ。正直これを使いこなす事が出来れば、最低でも生きて帰れる可能性は高くなります」
「・・・ん。流川さ、んの言う通り。これは他のSSRチートスキルとタメを張れる。神の右手、恐ろしいレジェンドスキル」
「成程なぁ・・・よくもまぁ当てたよ俺も」
「・・・ケーキ屋さん、見事。さて、効果・・・1ミッション中2回まで使用できる。同じスキルをセットしても回数は増えない。その効果は――」
―相手の行動を完全に失敗させる
「え、やばくねそれ??」
「・・・リバティ語彙が死んでる。でもその通り・・・これを発動させれば相手が行おうとした行動全てををなかったことにできる。それはつまり、致命的な隙をさらけ出すことにつながる」
スピネルの説明が続くが、聞けば聞く程これがどうしてレジェンドスキルじゃないのか突っ込みたくなる効果だった。
どんな行動でも全部失敗させるって、ある意味詰みだろう。
その気になればソウルギア展開とかすら失敗させる事が出来るんだ、そうなりゃ混乱してどうしようもなくなるし、そこにアクセラレーターで何てコンボも行けてしまう。
ミッションでもボスとか強敵が大技を使ってきたとしても、それを最大2回までは失敗させられるってのは脅威以外の何物でもないぞ。それにこれ、発動条件とかがなく、発動させれば確実に効果があるってのが酷い。対抗策もカウンター系のスキルがあればできるかもしれないが、耐性とかでどうにかできるものじゃないので、このスキルをどうにかしたければSSRでこれに対するカウンタースキルを見つけるしかないって事だ。
上位陣はこんなのをほいほい使ってるんだろうか・・・2回という制限が付いてるからこそSSRで済んでるんだろうなぁ。
「俺が手に入れた防具が霞んで見えるな」
「ある意味どっちもどっちじゃないか? スキルは売ったり譲ったりは出来ないしな。だけどこれで懸念だった罠に関してはかなり安定できるな」
それにしても・・・
「スピネルは色々覚えてるんだな、情報助かったよ」
「・・・ん、ちゃんと学んでるから」
褒められて少しだけ嬉しそうにしてるスピネル。隣では流川も褒めてるので気分は最高潮って感じだ。微笑ましいもんだね。
―212話了
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体調不良にて簡単な小話でした、申し訳ない限りです。
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