第185話 いよいよもって明日バレンタイン(なおリアル

【カクヨムコン9】参加中です。皆さんよかったら応援お願いします。

今日も閲覧ありがとうございます。少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです

いいねや☆レビュー、フォローなどとても励みになっています。

暖冬は何処に消えたのかというレベルで寒いですね

──────────────────────────────────────


 現在俺含め男衆は全員外に追いやられている。


 山崎と新島は山田を連れて新しいセーフハウスを見に行くと居なくなった。


 追いやられた理由はまぁ、明日バレンタインだからな、流石に渡す相手が近くに居ると気恥ずかしいというのがあるんだろう。


 俺は今回は流石に唯一チョコ作りに参加してないハトメヒトを召喚可能状態にしている。後は流川と一緒にこの前呼ばれた料理屋で待機中だ。


 既にサリエルとディーヴァには連絡を入れている。二人とも即日で決まった事に驚きを隠せなかったみたいだが直ぐに来ることになっていた。


「何か用事がある度に何処かの料理屋に来てるよな俺達」


「終わった後食事とかもできますし、効率的かもですよ?」


「そんなもんか。ま、終わったら俺が奢るわ」


「それは有難いですね」


 流川もジェミニを召喚解除で連れてきている。いつでも召喚出来る様にはしているが、緊張した様子も見えずいつも通りの感じだ。相手は流川と戦って撤退せざるを得なかったって言う相手なんだがなぁ。


「それにしても、あっさりと賛成に回ったなお前、良かったのか?」


「えぇ、思う所がない訳ではありませんが、こうなった理由の半分は僕自身の怠慢でもありますからね。表の立場を隠していなかったのですから、遅かれ早かれいずれはこうなっていたでしょう」


「まぁ・・・確かにそうだな」


「それに一度敵対したら後は永久に敵対というのは流石に考えものですからね。相手が何を考えているかまでは分かりませんが、停戦や関係回復を彼方から願っているのであれば、受けておくことに越した事はありません。それが罠であれば、食い破るまでです」


 お茶を飲みながらイケメンのようなセリフを吐く流川。


 何だろうなこのイケオジは、俺と同い年の筈なのに精神年齢の差が激しいんだが。いや俺も割と大人な方だと・・・いや、そうでもないかもしれん。 


 俺達は二人が来るまでの間、軽い物を頼みながら雑談を始めた。









 雑談が明日のバレンタインの話になって数分、大体予定した時間にサリエルとディーヴァがやってきた。


 そして二人とも流川を見た瞬間にざっと、後ろに一歩下がるような態勢になる。お前どれだけ有名というか、恐れられてるんだよ。


「あははー・・・まさか昨日の今日で説き伏せてきたとか、流石お兄さんですねぇ」


「じぇ、ジェミニ・・・あ、昨日は色々とありがとうございます」


「おう、とりあえず座って何か頼んでからにしようぜ? 俺のおごりだ」


「ふとっぱらですねぇ! それじゃ僕はこのチキンセットで!」


「お前、チキン以外食べようと思わねぇの?」


「おにーさんはケーキが美味しい店でそれ以外を頼みますか?」


「頼まねぇな!!」


「ですよね!! という訳でチキンセットで!!」


 にこにこと笑顔でチキンセットを3セット頼んでいるディーヴァ。一瞬どれだけ空気だと思ったが、大食いならいけるレベルだし多分いけるんだろう。


 サリエルはコーヒーを頼んだようだ。


「さて、昨日話し合った結果だが、サリエルは俺達と共闘するって事でいいか?」


「っ! 本当に助かります。貴方達が仲間なら心強い」


「ただし、条件はある。そんな難しい事じゃあない」


「出来る事ならば・・・」


「プレイヤーキラーを完全に引退する。うちのアクセルとはあいつからの許可が下りるまで関わらない」


 対面するなという訳ではなく、共闘する時であろうとも接触はしないと言う事だ。山崎曰く、自制できるかは分からないとの事なので。


 ある程度落ち着いたとはいえ、ディザスター憎しの感情は全然変わってないからな、ただ情状酌量の余地?があるサリエルならば、近づかないのならば問題ないというのが山崎なりの譲歩という事だ。


 一応ミッションでは共闘もするが、それ以外では関わるなって奴である。新島と山田は別にそこまでアレルギーみたいな感じではないが、一応は山崎のソウルギアと半分弟子みたいな奴でもあるので、此方にもできるかぎり関わらない方がお互いの為だろう。


 スピネルはディーヴァじゃなければどうでもいいらしい。


 で、ディーヴァの方は敵対はしないが共闘もしない、関わるのも最低限との事。一応俺が窓口のような感じになって、蘇生薬のトレードについての相談を受ける事になっている。


 そして流川の方でも今ディーヴァに対して色々話している所だ。


 曰く、敵対しないのであればあの時の戦いでのいざこざはお互い気にしない事にする、何かあれば最低限ではあるが話は聞く。


 但しプレイヤーキラーとして行動し続けるなら何れは敵対する事になると話している。


「ケーキ・・・いえ、御堂さん、感謝を」


「あー・・・頭を上げてくれ。俺も正直思う所がない訳じゃあないが。それでもまぁ、あいつの彼女さんだからな」


「・・・・っ」


「あいつはノロケ魔でよ、仕事中も俺の彼女が、将来の嫁がとずっとあんたの事を嬉しそうに褒めてたよ、俺にはもったいないなんて言ってな」


「・・・・・私は、こんな」


 顔を俯かせて言うサリエル。


 まぁ、あいつの顔に泥を塗っているなんて思ってるんだろうな。


「やっちまったことは取り戻せねぇが、これからあいつの為に頑張ればいい。俺でよかったら色々相談に乗るぜ?」


「有難う、ございます・・・」


 必死に泣かない様にしているサリエル、いや彼女さん。これからは出来る限り俺達で護ってやらないとな。


「で・・・お前はシリアスってのを投げ捨ててるんか?」


「む!? 失礼ですねー、シリアスタイムはさっき終わりましたから! ほらほらお兄さんもチキンどうです? 僕のを1本あげましょう、なーにお礼はいいですよ」


「お礼も何も俺が奢ってるんだがな??」


「そういえばそうでしたね~、おかわりいいですか?」


「こんのゴスロリめ・・・!」


 我関せずと言った感じでチキンを頬張るディーヴァに頭が痛くなりつつも俺達も適当に料理を頼むことにする。


 蘇生薬のトレード云々については食べ終わってからでもいいか。俺も腹減ったからな。



―185話了


──────────────────────────────────────

部屋が温まらない悲しみ・・・


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る