第162話 連絡先は・・・・手に入りませんでした!!

【カクヨムコン9】参加中です。皆さんよかったら応援お願いします。

今日も閲覧ありがとうございます。少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです

いいねや☆レビュー、フォローなどとても励みになっています。

─────────────────────────────────────


「で、べろんべろんに酔っぱらって帰ってきたと」


「うおおおおお・・・!!」


 目の前には馬鹿二人。


 記憶をなくすレベルで飲みまくった結果、折角出会えた女の子の連絡先も手に入れる事が出来ずに撃沈した二人が泣きながら転がっていた。


 なんでも意気揚々とナンパに繰り出すも悉く全敗した所に漸く一人だけ付き合ってくれる子が居たので、一緒にデートに繰り出しつつ、最後は飲み屋で騒ぎまくった結果、店員に起こされるまで綺麗に酔いつぶれていたそうだ。


 女性の方は自分の飲み代分を全部払って先に帰ったらしい。良かったなお前等、それが性格悪い奴だったらお前等のサイフとか今頃残ってなかったぞ。


 かなりの悪酔いだったのか、記憶まで失ってるとかお前等どれだけ飲んだんだよ。


 何にせよ折角のデートが台無しで終わってしまったらしいが、一応メモ書きが残ってたそうで、そこには「楽しかったです、また今度誘ってくださいね」と書かれていたらしい。


 それだけで救われてるんだから安いなぁこの二人は。


「連絡先さえ聞いておけばああああ・・・うぅぅ」


「ハルペっちどんまいwwww」


「しょ、ショコラちゃん・・・!」


 雑にショコラに慰められる山田と、山崎から白い目を向けられている新島の対比よ。まぁ、色々あって楽しんだと思えばいいだろうさ。


 にしてもナンパの為に街に繰り出すなんて元気と言うかなんと言うか。俺もまだまだ若いけど、そういう事はやろうとも思わんからなぁ・・・というか、そんなことしなくてもサイレーン達が居るので、やる意味がないとも言うが。


「にしても、気合を入れてると気配が漏れるってのはあかんかもしれんな」  


「レベルが低い場合はそこまで気にしなくてもいいんだろうが、気にしつつ気配を抑えるのは生活は少し面倒になるだろうな」


 ふとした時にプレイヤーとしての気配が漏れでもしたら、周りに他にプレイヤーとかプレイヤキラーが居たら面倒になる。と言うか普段生活も面倒になるから、抑える鍛錬とかもするべきなんだろう。一応スキルで抑えられるらしいので普段はそれを使うのも良いかもしれん、【気配遮断】というスキルが500ポイントで買えるみたいだからとりあえず買っておくことにしよう。


 ある意味では高レベルが街に繰り出すとこうなるってのを実践してくれて助かったと言うか、まぁ次は頑張れよって所だな。


「大丈夫、きっといつかハルペーが擬人化して美少女になる可能性も0じゃあないから」   


「サイレーン、その慰め方はどうよ」


「その手がワンチャンあったか!?」


「ねぇよ、落ち着け??」


 そんなゲームの話じゃないんだから、武器が擬人化とかありえ・・・


 割と可能性が0じゃあない所がこの世界の怖い所だよな。下手すりゃ本気で武器が擬人化するかもしれんし、最近の漫画とかなら無機物が突然しゃべりだしたりとかも結構見るから、人間ってのは想像の斜め上を良くもまぁ考えつくもんだ。


 俺自身そういう物語系は楽しいから好きなので、実際に起きたら見てみたいが俺のソウルギアはそれ以前に普通に人型だからなぁ。


 だがしかし山田よ、お前さん割と自分のソウルギアを嘆いてたから、それを聞かれてたら関係構築から始まりそうだぞ??


 こっそり告げてやると顔を真っ青にして「俺ソウルギアに謝ってきます!」と部屋に引っ込んでいった。想像逞しいなぁ・・・


 新島? 新島はさっき山崎に十分遊んだって事で鍛錬に連れて行かれたよ。多分夜には逆の意味でベロンベロン(疲労困憊)になってるだろうな。


「しっかし、教えてもらった名前すら忘れてるとか、どんな悪酔いすればそうなるんだよ」


「お酒って怖いなぁ・・・マスターはあんまり飲まないよね?」


「飲むには飲むが、大好きって訳でもないしなぁ。寧ろ飲むようになったのは結構最近だ」


 ビールも最近飲むようになったが、酔いたい時に飲むって感じで飲んでたな、一人で飲む事はあんまりなくて、流川が遊びに来た時に飲む感じだった。


 コーヒーも苦いもんだし、飲んでると飲みなれてくるから今は問題なく飲めるがね。


 だが記憶があいまいに成程飲んだ事はないから、こいつらどれだけ飲んだんだよって言いたくなるわ。寧ろ新島はソウルギアだろ? 酔うのか・・・いや、割とサイレーン達も場酔いしてハイテンションになるし、その辺りは人間と変わらんのかもしれん。


「酒は飲んでも飲まれるなって奴だなぁ」


「ご愁傷様だね」


 散々な結果になった二人は、次回もまた懲りずに行くのだろう、その時は今度こそうまくいってほしいもんである。











―視点 ディーヴァ



 あんまりにも全部上手くいってしまって逆に罠じゃないかと思っちゃったよね。


 作戦は成功、出来うる限りの情報は引っこ抜けた。ぼくの事についてもスキルを使って曖昧にしておいたので彼方にバレる事はないと思う。ま、軽い催眠みたいなものだからまた出会えば思い出す程度だし、酒で度忘れしてるって感じになってる筈。


 で、肝心のアクセルの情報は手に入ったけど、何と言うか復讐系主人公のそれだった。デスゲームで失った友人と恋人を復活させるために蘇生薬を求めてるとか、王道だよね。


 それでいてディザスターをとことんまで憎んでて、いつかはきっと斃してやるとか青臭いけど、そういう執念ってのはきっと師匠も褒めてくれるんじゃないかな。


 蘇生薬の利用も恋人の蘇生みたいだし、アクセル自体に裏はないからこれはトレードに応じるのも良いかもしれないかも。


 いや・・・もしくはこれを取引材料にして、関係を持つのも良いかもしれないなぁ。アクセルとあの二人にはそこまで興味はないけど、やっぱりあのジェミニとお兄さん、ケーキ屋ってすごいバトルネームだよね。その人と仲良くやれば何かあれば協力してもらえるかもしれないしねぇ。


「次のシーズンまではまだまだ先、この人達を関係を作ったら楽しい事になりそうかも」


 となれば、ジェミニとの敵対関係をどうにか解消しないとかな。


 最近暇だったからこれで結構暇が潰せそう。日々鍛錬ばかりじゃあ師匠みたいに大変な事になっちゃうし、こういう事も必要って事で。


「・・・という訳で、今度また会いましょうね、お兄さん」 


 

―162話了




─────────────────────────────────────

あさねこはお酒を飲んだことがありません(トラウマがあるので

ビールは苦い事は知ってるのですが、ワインとか日本酒って

苦いのか甘いのか分からないです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る