第163話 もうすぐバレンタインなので

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 気が付けばあっという間に2月。


 ミッションも仕事もないと時間が過ぎるのが早すぎて困るな。日々鍛錬やらなにやらしてなかったら自堕落なニートになってしまいそうだ。既に片桐が片足突っ込んでるが。


 で、2月といえばやはりバレンタインだろう。勿論俺は事務員の人からのお義理のチョコ菓子位しかもらった事ないです。学校生活でも無縁だったなぁ。流川はそれなりに貰っていたが。


 そして今現在、意気揚々とチョコの作り方を教えてやろうとしていた所、まさかの全員に断られるという状況に至っている。


 指導も手伝いもいらないとの事だった。


 俺の唯一とも言っていい活躍の場面だったのに。お兄さん悲しいよ。


 まぁ、もしかしなくても俺に作ってくれるために頑張ってくれてると思えば逆に期待も高まるというものだ。多分、ほぼ確実にサイレーン達が作ってくれると信じてる。


 山田と新島がワンチャンを期待して何か儀式みたいなのをやっていたがスルーした。あれはきっと関わったらダメな奴だ。


 という訳で一人のんびりしている俺である。


 流川と山崎は出かけてるので居ないので、今は一人なのだ。特にやる事もないしこういう日は動画でも見てるかゲームでもしてるかなのだが・・・


 気になってそわそわするんだよな。


 テルクシノエーも居るだろうし下手な事にはならないだろうが、今回はクレアにショコラも一緒になって参加してるらしいからなぁ。あの二人は典型的なメシマズ系列だからそこが心配だ。


 野菜洗うのに洗剤持ち出すし、コメを研ぐのに洗剤持ち出すし、ここまてお約束を踏襲しているメシマズは早々居ないと思う。


 完全に料理に関して無知なだけだとは思うので、懇切丁寧に教えて行けば大丈夫だとは信じたい。普段はあまりやる気の無い二人だが、今回はかなり本気の様で可愛らしいエプロンを身に着けていた。普段気だるげな感じの二人がフリフリエプロン付けてやる気になっている姿は可愛いかったもんだ。


 新島と山田が二人サムズアップしてたしな。凄まじい速度でイロモノになってきてる気がするぞ・・・


 多分、いや確実に俺へのチョコを作ってくれてると思うと、気恥ずかしいと言うかどこかワクワクしてる俺がいる。バレンタインなんて俺には縁遠い話だと思ってたからなぁ。


 だからといって新島達みたいに騒いだりはしなかったが。というかバレンタインは自作のチョコケーキとかを良く作ってたからな。


 ショコラケーキやザッハトルテ、フォンダン・オ・ショコラ、エクレア、シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ、他にも色々だ。


 ブラウニーやガトーショコラとかもよく作ったもんだな。待ってましたとばかりに流川が食べに来て一緒に食べるってのが定番だ。


 そんな基本作ってばかりの俺が、逆にチョコレートを作ってもらえる・・・と思う多分。なんていうかこう・・・こそばゆいもんだ。


 そうなると俺が手伝うのは逆に邪魔にしかならんし、さっさと部屋に戻るかね。











 最近見てなかったアニメなどをメドレーしつつ、部屋でのんびりしているとドアがノックされた。


「開いてるぞ」


 俺がそう言うとカチャリとドアを開けて山崎が入ってきた。


「今いいか?」


「あぁ、と言うか鍛錬は終わったのか?」


「急遽切り上げてきた。メールが来ていてな」


「メール?」


 山崎が俺の言葉に頷くと持っていたスマホの画面を俺に見せてくる。


 そこにはトレードについての相談という件が1件届いていた。


 内容は、蘇生薬を持っていますがトレードについて相談をしたいですという内容だった。


「蘇生薬、こんなにあっさり見つかったのか」


「あぁ、俺としても驚いているが、取引をするとしても俺はそういうのが苦手だからな。誰かしらに協力を頼みたかった」


「となると俺よりも流川の方がいいんだが、まだ帰ってきてないのか?」


「らしいな。一応あいつが帰ってきたら相談に乗ってもらう予定だ」


 メールの内容を事細かに読み込んでいくと、取引アイテムでも十分応じられるらしいが、それプラスがあれば尚良いという話だ。そのプラスが取引相手にとって大きいものであれば、蘇生薬に追加も出来る云々と書かれている。


 つまり、山崎の出しているトレードアイテムだけじゃ足らんから他に何か相談していいのだしてほしい、それが想像以上ならこっちも追加するって事か。


「うまくいけばもう一個の蘇生薬が手に入りそうじゃねぇか」


「これが真実ならば、な」


「あぁ、騙してる可能性もあるって事か」


 あれだけ出てこなかった蘇生薬だからな、それがこんな短期間でもう1個見つかるのも怪しい話なのは確かだ。


 だが疑ってかかっても仕方ないし、ここは慎重に取引していくのがベターだろう。怪しいと思うのならば断わればいいだけだしな。


「ちなみにこのトレードってどうやってやるんだ?」


「複数あるが原始的なタイプみたいに直接会って交換するという奴もある。後は一応データ同士ならアプリを通してトレードすればいい。蘇生薬も一応データアイテムだから、それも可能だろう」


 成程な、トレードアイテムがリアル物資の場合は直接出向いたりになるのか。


 俺はまだそこまでしてほしいものはないが、いつかは利用するかもしれんし覚えておいた方がよさそうだ。


「で、俺に相談したいらしいが、俺じゃ役に立つか分からんぞ?」


「そうでもないさ。あんたにはいつも助けてもらってる」


 恥ずかしげもなく言いやがって。寧ろこっちが恥ずかしくなるっての。


 そして始まる山崎の相談を俺は聞き続けるのだった。


 最終的に結果は出ず、流川達を交えての相談になったが、これはこれで仕方のない事だろう、何にせよこのトレード相手が何も考えて取引相談を求めてきたが問題になりそうだ。


 出来れば早めに蘇生薬が手に入ってほしいもんだな。 


―163話了


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長期休暇は伸びましたが、デスワークは終わったので

少し気楽あさねこです。後は少しずつ体調の回復を目指していくだけですね。

今はまだ体調があまり良くないので日々短いですがどうかご容赦を。

頭が半分位動いてない中で執筆は大変ですね(汗

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