第153話 新居はもう少し先なのふ
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豪雪にはなりませんでしたがホワイトアウトな白い世界です。
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「にしても、随分色々と施設を盛ったなぁ」
「折角ポイントとかあったし、自分達の拠点は良いものにしたいじゃん?」
「後々追加するよりはあらかじめやっておくべきだ」
俺達の新しい拠点だが、完成が2月の半ばになっている。
本来ならすぐにでも引っ越し出来たのだが、ポイントを追加で支払って様々な施設などを追加したため引き渡しまで結構な時間がかかる事になっている。
それでも一月程度で済むんだから十分速いんだがな。
新しい拠点は件の曰く付きの物件、封印している部屋からはモンスターが常時発生するっていう呪いの部屋も真っ青の場所だが、倒せばポイントも貰えるしハトメヒトが推してきた事もあってここにしている。
「てか、誰が工事やってるんだろうな・・・絶対カタギじゃあないだろ」
「だろうな、恐らくはディザスターにゴマを擦っている阿呆共達が抱えている奴だろう。関わる事はないさ」
敵として関わってきたら殺すがな、とは山崎の談。
新島が蘇生して結構立つが、基本的にはディザスター憎しの精神は何も変わってないんだよな。
「いやぁ、新しい場所に私だけの部屋かぁ・・・ここだと気を使うから楽しみだなぁ」
「・・・え? お前気を使ってたのか・・・?」
「なんで!? 使ってたよ!? ばりばり使ってたじゃん!」
心外と言わんばかりに噛みつく片桐だが、俺の目から見ても自由に好きなようにニート生活を満喫しているようにしか見えなかったんだが。何なら寧ろ自分の家みたいに自由にしてたように見える。これで気を使ってんなら、新しい拠点についたらどれほどまでに自堕落になるんだろうか・・・テルクシノエー辺りに毎日怒られそうだなこいつは。
新しい拠点は色々拡張したおかげでそれぞれに個室がある。
俺と山崎は比較的近くの個室で、片桐やサイレーン達女性は少し離れた場所に用意している。これはまぁ当たり前だろう。そういう所は大事だ。
後空室はいくつか用意してあるぞ。蘇生薬があれば復活出来る山崎の彼女さんの部屋と、俺がもしレベルがあがってソウルギアが増えた時用に数室って感じだ。
広めのリビングがあるので会議などはそこでやればいいし、地下にいけばモンスターを封印している戦闘訓練も可能な個室や倉庫なども完備している。
移動用の車をしまう車庫等も用意してあるし、本格的になってきたと改めて感じるわ。
「次回のミッションだが、お前達はどうする?」
「あー、俺はパスするかもだな。報酬によったら、か」
「私はパス、毎回毎回死にかけたくないって、折角のオフなのに」
「成程な、俺は出来る限り稼ぐ予定だ、返済するポイントについては安心してくれ」
毎月毎月律義にポイントを返済してくれる山崎にあまり無理するなと言いたい所だがこれはもう性格なんだろう、頑なに支払いを続けるので止めすぎるのも逆に迷惑になるだろうし、好きにさせるつもりだ。
俺としても定期的にポイントが貰えるのは助かるしな。一応俺と片桐が暇な時にソウルギアGAMEのオークションサイトなどを見て蘇生薬があるかどうかを調べている。ポイントで購入するのは不可能だが、山崎の手に入れたアイテムならば等価か寧ろこちらが大幅に追加で貰えるレベルのアイテムを持ってるし、後は見つけて交渉するだけになる。
俺としても何かいいアイテムなどがあれば交換したいしな。まぁ、見つけても基本的に高くて交渉する余地すらないんだが。
「そう言えば御堂。バンカー達に俺達の新しい拠点の場所を教えても大丈夫か?」
「ん? 構わないがどうした急に?」
「拠点自体は御堂の物だ。お前の許可なく誰彼に情報を流す訳にはいかないだろう?」
「あぁ、そういやそうか」
俺の拠点なんだよな一応は。気が付けば俺より山崎と片桐の方が拠点拡張にのめり込んでたからその辺すっぽ抜けていた。
だが、そうだとしても別にあいつらになら情報を流しても問題ないと思うからすぐにOKをだす。あの二人には色々助けてもらったし、これからも一緒に行動する事が多くなりそうだからな。
羅漢とガーディアンについてはまぁ、おいおいでいいだろう。
山田が時々【アトリ】というプレイヤーの事を言っているが、そちらに関しては山田自身、どこに居るのか分からないらしいのでその時改めてになるだろうな。
「はー、もう11時かぁ。お昼までもう少しあるし私は部屋に戻ってゲームやろうかなぁ」
「外出て歩け、太るぞ?」
「お、乙女にそんな事いうなよぉ!?」
乙女は11時から部屋に籠ってぐーたらとゲーム三昧なんてしないんだよ。
とはいえ、外に出ても車で町に出ない限り周辺は鬱蒼として森だから楽しくもなんともないのは分かるけどな。かと言って外に連れ出しても多分ゲームセンターとかパソコン類を販売してる店とか、ゲーム屋とかしか行かなそうな気がするが。
下手したらネカフェに籠ってそうでもある。片桐ならなんかやりそうなある種負の信頼ってのがある。
ま、俺も多分ケーキの材料買いに行ったりするだけである意味同じ穴の狢なんだが。
「じょーだんじょーだん。昼には呼ぶからゆっくりしてろ」
「ふーんだ」
ぷんすこ言いながら部屋に戻っていく片桐を見送ると山崎も鍛錬をしてくると言って離れて行った。俺はさてどうするかねぇ・・・
テルクシノエーとサイレーンは昼食作りだし、流川はなんか会社を興すと言う事で色々やっている。佐伯に対する表向きの立場を作るとかなんとからしい。実態はなんもないペーパーカンパニー?とか言う奴だが、佐伯の家族が卒業した後の彼の将来的な不安を払拭させるためだとかなんとか。
今の世の中デジタル関連での仕事とかもやろうとすれば出来るらしいからなぁ。資本金と行動力さえあれば、後は踏み出す勇気と気力でどうとでもなるとか。
俺にはさっぱりわからんね! 伊達に卒業してからずっと土木作業員してた訳じゃねぇよ。それ以外の事なんてさっぱりわからんし、聞いても多分ちんぷんかんぷんで終わる自信がある。
「さぁて俺はどうするかねぇ」
こうも毎日時間があると、逆に手持ち無沙汰になるなぁ。
だからと言ってミッションに参加して生死を賭けた戦いがしたいとかそういう訳でもないし、毎日の様にケーキ作ってる訳にもいかんしな。
片桐の事を笑えなくなるが、俺もゲームでもするか動画でも見て昼になるのを待つとするかね。
―153話了
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毎回3000文字~4000文字も書かなくていいという天啓を得たあさねこです。
短い時はいっそちゃんと短くまとめる方がいいと教わりました。
あさねこ、少し成長です。※除雪で死んでたせいでもある
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