第117話 レストランでまず食べるのはパフェですよね。
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灯油が112円でした、そろそろあさねこはないていい・・・
◆訂正 116話の参加キャラから佐伯を外し訂正しました。7人になるのん・・
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久しぶりに出会ったレヴォリューションだったが、前にあった時と同じく中学生とは思えないほどの自然体だった。スピネルですらまだまだ子供っぽい所があるのに、目の前に居るのは少し背が小さいだけの同年代なんじゃねぇかと錯覚するほどだ。
今俺達はそこそこ有名なチェーン店で昼食をとっている。代金は俺持ちだ。正直そこまで痛くないし、こういうのは子供に出させるもんじゃねぇしな。
しかし、何と言うかこう異様な光景だよな。
中学生、中学生、社会人、社会人、フリーター、元ニート、土方のお兄さんと普通ではありえない組み合わせだ。あれか? オンラインゲーム等のオフ会とかならあり得そうな組み合わせかもしれんが。
中学生のレヴォリューションとバンカー、社会人二人は山崎とソウルギア新島、フリーターは山田で、元ニートは言わずもがな片桐、最後にお兄さんである俺だ。
サイレーン達は召喚解除している。魅力的過ぎる事もあるが、あまりゾロゾロ連れてくると面倒な事になりそうだしな。特にテルクシノエーは要るだけで周囲の目を引くし、おいそれと出す訳にもいかん。山崎のソウルギアになっている新島は基本的には普通の日本人なので問題なく召喚中だ。
「悪いな兄さん奢ってもらっちまって」
「気にするな、前は色々助けてもらってるし、子供に出させる訳にも行かねぇよ」
「そうかい、それじゃ遠慮なく」
出てきた傍からどんどんかきこんでいく。余程腹が減ってたのか、生活に困ってるようには見えないし、単純に大食いなんだろう。
その隣ではバンカーがハンバーグセットを食べてる所だ。俺もハンバーグは結構好きなんだが、どちらかと言うと俺は安く売ってるハンバーグの方が好きなんだよな。と言うより、基本それしか食べてこなかったから、レストランとかで出てくるハンバーグに違和感感じたりする。勿論美味いんだけどさ。
皆それぞれ適当に好きな物を食べている。片桐はパスタ食べてるし山崎と親友君は刺身定食食べてる。セーフハウスでテルクシノエーが和食を作ってくれた時は感動して泣いてたよ。生き返って和食をまた食べられるんだって喜んでた。
んで俺だが、パフェを食ってる。
店員が「え?」って顔してたけど、いいんだよ俺はパフェが食いたいんだよ。俺は別に恥ずかしいからそういうもの食べられないとかないんで、普通に食べたいもの食べるからな。と言うかレヴォリューションとバンカーの二人も同じ顔してた。
そこまで似合わないかね? まぁ、確かにごついお兄さんが一人パフェ食べてる姿は確かに異様っちゃ異様か。だが俺は気にしない、美味しいものを食べる時に恥ずかしさなんて邪魔でしかない。
俺が頼んだのはスタンダードなチョコレートパフェ。ちょっと安物だが一応ガラスの器に色とりどりの食材が入ってる。どうやら下部分はコーンフレークを使ってるみたいだな。スポンジやアイスとかのパターンもあるがそう言うのはちょっとお高めだ。これはこれで十分美味いのでOKである。
上部分はアイスの上からホイップクリームが巻かれていてこれでもかって程にチョコソースがかけられている。そこに細長く切ったバナナが4カ所に花みたいに添えられて、ホイップ部分に飾り切りされたりんごが載せられている。更にチョコスプレーもまんべんなくかけられていて、子供や女子が喜びそうな出来だ。
これでお値段800円。悪くはない。味も大体予想通りでこれなら文句のつけようもないな。リピート確定の瞬間だぜ。
まずはホイップをスプーンですくって一口。
濃厚な甘さが口内に広がっていく。安物だったり作りが甘いホイップだとパサパサする感触が残ってたり、粉っぽい感じになるがここのホイップは割と当たりだ。とろけるような甘さがチョコの苦みと甘さと相まって素晴らしい味わいが広がる。
連続でホイップを食べる前に林檎を一口。飾り切りは見た目を良くするために必須の技能なのだが、実際食べるとなると正直食いにくい。これをどれだけ見栄えを良くして尚且つ食べやすく、うまくするかは料理人の腕にかかっている。
その点で言うと、ここのパフェは見た目だけを重視した結果食い辛さがあるのでそこがマイナス点だな。決して悪くはないが、もう少し抑え気味でもいいだろう。味は普通の林檎だな、傷まない様に軽く塩を入れた塩水に入れてあったのだろう、僅かな塩味を感じるが、逆にそれが良いアクセントとなる。
ここでコーヒーを一口。あえて砂糖など入れないブラックだ。ごくりと飲めば強い苦みが甘さと酸味を打ち消していく。甘いものって言うのは食べすぎるとダレてきたりもう無理ってなったりすることがあるが、こうする事で飽きる事なく甘いものを食べられるのだ。
ホイップを食べ、飾りのチョコスティックを齧り、バナナを食べる。そしてコーヒーを一口・・・
「はぁ・・・美味い」
「友樹、美味そうだな・・・」
「おう、うまいぞ?」
「・・・・うぐぐぐ」
「やらんぞ?」
「い、いらないよっ!? てかカロリーががが」
あぁ、カロリーとか気になるタイプか。というかそんなの気にしてたのか?? 割とセーフハウスでは自堕落に適当に食べてた気がするが。
ま、何にせよまずは沢山食べて、相談やら話し合いはその後だ。俺はまだまだ存在感を残しているパフェ攻略に乗り出した。
ちなみに1個じゃ足りなかったのでもう1個頼み。片桐もミニパフェを頼んでいた。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「ふぅ、御馳走様。田舎に住んでると味のうっすいものしか食べる事なくてな。久しぶりに美味いもの食ったよ」
「田舎かぁ、確かにコンビニとかも少なさそうだな」
「兄さん、少ないんじゃない。「ない」んだよ」
レヴォリューション・・・お前どこから来てるんだ? この辺にコンビニすらない限界集落なんてあった覚えがないんだが・・・
というかコンビニすらない田舎とか未だにあるんだな。よくラノベとかだと田舎でスローライフとか言うが俺には絶対無理だな。今のセーフハウスだって、車とかで買い出しに行けるから何とかなってるが、コンビニもなにもない場所で畑作業とかやれる気がしないわ。もう少し快適な暮らしがしたい。
「さて・・・これでよし。まずはバンカーに礼を言わせてくれ。よくこの短期間で人を集めてくれた」
「あ、うん。僕も欲しいものがあったからね・・って、こんな周囲に人が居る所でバトルネームは―」
「大丈夫だ。周りには俺達の言葉は適当な感じで聞き流されるようになってる。そういうアイテムがあるんだよ」
そう言うとレヴォリューションは懐から小さな箱を取り出した。
どうやらこれを使うと、俺達の会話が周囲には全くどうでもいい話題とかに聞こえてくるらしい。まるで魔法の様なとんでもアイテムだが、やはりというかソウルギアショップ産との事。お値段お得な300ポイントらしい。
「そんなものがあるとはなぁ、俺も買っておいた方がいいか」
「ランダムで人を集める時とかには使えるかもな」
「全員揃うまでに流石にあと数日か期日ギリギリになるかって思ってたんだが、連絡して直ぐとは思わなかったよ。それにあの時の兄さん達が来てくれるとは思わなかった」
「俺としてもお前さんにはかなり世話になったからな。報酬は俺も欲しいものがあったし、参加させてもらうさ」
「俺もだ。あの時の様な体たらくはもう晒すつもりはない。ここに居るメンバーは全員がレベル4、今のお前に後れを取る事はない筈だ」
レヴォリューションがまだレベル4だったのならここに居るメンバー全員がレベル4なんだよな。レベル3にあげるのも大変でレベル4には2万ポイントも必要だから、本来ならこんなバカスカレベルなんて上げられないんだが、あのラストミッションの報酬が大きすぎたな。
俺達以外のプレイヤーもあれでレベル4が増えただろうし、次のシーズンはどうなるか今からちょっと怖い。
「あぁ、聞いたよ。俺も用事がなければ参加してたんだがね。こればかりはしょうがないさ、とはいえ・・・そう遅れはとるつもりはねぇよ」
あの時の様に自然体のまま、それが余裕なのか気にもしていないからなのかは分からないが、流川とは違ったベクトルで頼りに出来る男だ。まだバンカーと同じ位の年齢だろうに、何があればここまで老練な雰囲気を出せるんだろうな。俺じゃあ数十年たっても同じ感じになれる気がしない。
「あぁ。頼りにしてるぜ。俺達もレベル4にはなったが、経験はまだまだだしな。あれだ、もしよかったら開催までの数日開いてるだろ? 鍛錬に付き合ってくれないか?」
「鍛錬? 別に構わないぜ? 俺も暇と言えば暇だしな」
「あ、それ僕もお願いします! 個人で鍛錬はしてるんですけど、僕の武器はあまり周辺じゃ使えないので」
確かに男のロマン武器ともいえるパイルバンカーはなぁ、街中じゃあ流石に使えないだろ。こうなったら全員纏めて流川のセーフハウスに誘ってそこでやるのがいいな。
俺のセーフハウスは、まだ山崎達のカスタマイズが終わってないので早くても来年になりそうだ。値段は5ポイントだったのに気が付けばオプション代金で3000は消えてるそうだが、払うのは俺じゃないからいいや。キッチンさえ最高峰なら俺は文句はありませんよ。
「んじゃ、まずは個人の報酬についてなんだが―――」
色々脱線しつつも、クリア報酬時にどうするかなどの相談が始まった。
―117話了
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この話でやりたかったことはパフェを美味しく食べるシーン!!
あさねこ今年まだ一回もパフェ食べてなかったので
せめて御堂君に食べてもらう事にしました、羨ましい、羨ましい。
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