第116話 だって蘇生薬が報酬なんだもん
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コロナになった同僚さんがいて、うつった可能性のあるあさねこ
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山崎からエクストラミッションの誘いというか協力を頼まれた。報酬が少ないって話だろうしなんでまたと思ったんだが、まさかの報酬がランダムで2~3割程度で蘇生薬が手に入るかもしれないって話らしい。
そりゃまぁ蘇生薬を求めている山崎からすれば今回のミッションは是が非でも参加せざるを得ないだろう。
実際の所は山崎自身は俺を誘うのをためらったらしいが、親友さんの方が協力を頼んだ方がいいと諭してきたらしい。というかメインで交渉してきたのはそっちの方だ。俺としては山崎は仲間だし、協力する事に問題はない。
何せ6人じゃないと参加できないって事だし、まず第一問題としてこれ、人集まるのか? そう思ったんだが、俺の疑問に対して答えたのは片桐だった。
『掲示板で参加者募ればランダムだけど人は集まるぞ? というか募集してるの見てきた、結構集まってるみたいだ』との事。
成程、別に知り合いだけでパーティ作らなくてもネットでの共闘とかそういう感じで人を募るのも出来るのか。寧ろそっちが正規なんだろうな。あまりプレイヤー同士って協力体制募る事ってないみたいだし。
その点俺達だと、ある程度の人数は揃ってるし、その気になれば直ぐにでも6人は集められる。俺に片桐、山崎、山田、佐伯少年、スピネル、流川と。この時点で揃うからな。連絡を取れるようになった羅漢と、羅漢繋がりでガーディアンも呼び出せるし、意外とプレイヤーの知り合い増えたよな。
が、どうやらこの情報を持ってきたのはあのバンカーらしい。と言うかそのバンカーも誰かに誘われて、伝言ゲームの様に最終的に山崎に連絡を入れたとの事だ。
そして今回このミッションの誘いを持ってきたのはあの【レヴォリューション】だ。
今でも覚えている。あの日の緊急ミッション、流川以外のレベル4を初めて見た日の事を。
そしてフェアリーズの事も。そう言えばプレイヤーなら蘇生薬で復活出来るんだよな。その気になればフェアリーズを蘇生する事が出来るって事か。
いや、俺が勝手にそんな事を考えたらだめだろうな。人の生き死にを勝手にやるのは流石にな。山崎の様に苦しんで苦しんで、苦しみ続けて、自分の矜持すら投げ捨てて、贖罪の為に生き続けてきた男だからこそ、あの選択肢を取ったんだ。
詳しく知らない彼女を勝手に蘇らせてもいいのかって言われたら、ダメに決まってる。それにあの後話は聞かせてもらったが、彼女は望んでいなかったプレイヤーキラーだったと言う事。
自分のソウルギアに寿命から何から縛られて、そうせざるを得なかったという事。聞けば聞く程、プレイヤーキラーとしてやってきた事はともかく、そこまで悪人かと言われたら、俺はそこまで頷く事は出来ない。
リジェクションの様なド外道ならゴートゥヘルと真顔で言えるんだけどな。ま、参加したとはいえ早々蘇生薬なんて手に入る訳でもないし、手に入っても俺は使う予定がないから山崎にくれてやるさ。
話を戻そう。
今回のこのエクストラミッション、俺以外に参加するのは片桐、山崎、山田の合計4人だ。このほかにレヴォリューションとバンカーを加えての6名になる。
スピネルは非参加との事。流川はまだレベル5に慣れていないので、それを慣らしてからにしたいと断られた。今の俺達なら全員がレベル4、流川が居なくても何とかなるだろうという事だ。寧ろいつまでも頼ってる訳にもいかないしな。
佐伯少年はこの時期に学業と家族サービスを頑張るとの事。真面目で何よりだね。
と言うか益々緊急ミッションを思い出すな。あの時も俺と山崎、バンカーとレヴォリューションが居た。そして開幕死んだおっさんと、フェアリーズの6人で対応したんだよな。ますます今回のミッションと似通ってる部分があるが、これが所謂デジャ・ヴュって奴なんだろうか?
片桐については、頼んだ訳でもなく自分から参加してきた。珍しいと思ったんだが、レジェンドスキルが貰えるチケットを手に入れたいらしい。あと一応は蘇生薬を手に入れたら山崎に渡してやりたいと俺にだけ言っていた。
あいつとしても山崎には色々助けてもらったし、少しは恩を返してやりたいって思ってたようだ。コミュ障で対人恐怖症なのを除けば、片桐は普通にいい奴なんだよな。気が付かない所で色々助けてくれたりもしてるし、縁の下の力持ちみたいな事を得意としてる。
「という訳であっという間にメンバーは揃ったんだが、そのエクストラミッションっていつ開催だっけ?」
「アプリを見れば早いが、開催日は5日後だな」
「成程、ならクリスマス前って事だな。そいつはよかった」
流石に予定していたパーティ切り上げて参加するのはな。折角生き残った全員でやるクリスマスパーティなんだし、中止にはしたくないからなぁ。
寧ろそれなら全員無事にクリアした後にバンカーとレヴォリューションも誘ってやりたいもんだ。参加する奴が多ければ多いほど楽しいだろう? 流川に頼んで羅漢たちにも連絡入れておいてもらうか・・・って、羅漢は坊さんだしクリスマスパーティにはこれないか。だが、ガーディアンの方は幼児だし出来れば参加させてやりたい所だ。折角のクリスマス、子供にはプレゼントとかも用意してやりたいしよ。
「ゆ、油断は禁物だぞ? エクストラミッションだって簡単って訳じゃないしな?」
「リバティの言う通りだな。俺達で誘っておいてなんだが、寧ろこの報酬を見る限り難易度は高いだろう。最悪は俺達を見捨てて逃げてくれて構わん」
「出来るなら最後まで協力してほしいけどな」
山崎が重苦しく言う隣で、ソウルギアになっている新島が言う。なんと言うかある意味でバランスが取れている二人だな。真面目過ぎる山崎を抑える感じの新島。これでもう一人も蘇生出来れば山崎の罪の意識も少しは軽くなるといいんだがね。
「俺としても流石に折角終わったシーズンの後で死にたくないしな。油断はしねぇよ」
「俺もレベル4になったし、ここで良い所を見せれば、参加してる女性プレイヤーとワンチャン・・・!」
「お、おぅ・・・」
やけに燃えている山田。まぁ、モテたいって気持ちはわかるからなぁ、俺もサイレーン達が来るまでは似たような事考えてたし。とはいえここまであけすけではなかったが。
「5日後か、バンカー達からはなんか連絡来てたか?」
「一応明日合流して相談などをしたいそうだ。場所は此方で指定していいらしい。ただ、レヴォリューションが結構遠い場所に住んでるらしくてな、俺達の拠点だと流石に遠すぎる可能性がある」
「となればどっかのファミレス辺りで集まるのがいいんじゃないか?」
「だろうな。周りに話せない相談ならそこから移動すればいい」
報酬の交換とかもあるかもしれんし、その辺りの相談とか共闘する時の話し合いとかになるだろうな。俺はそう言うの苦手なんだが、流川もいないし今回に限ってはあまり冷静になれないだろう山崎を頼るのも難しい、となれば俺が色々対応する事になるだろうが、俺にはテルクシノエーもいるしどうとでもなるだろう。
それよりも一番の問題について、これが恐らく相談のキモになるとみている。
「このエクストラミッション、ボス撃破系なんだよな」
「つまり私無双が出来ないって事だね・・・むー」
エクストラミッションでは大体が雑魚散らし系の物が多いと聞いている。ボス退治系のエクストラミッションはめったにないらしく、今回はその滅多にが適用されてる訳だ。
平均レベルが3~5って事は下手すりゃレベル6のボスも出てくるかもって事で、山崎達の言葉じゃないが油断はそうそうしてられない。
「合体ロボは? 友樹なら合体ロボに」
「いや、あれやると急激に疲れるんだよ。んな開幕使って、とかは出来そうにねぇ」
変身中はそれこそ万能感溢れてて実際に強いんだが、解除された途端に戦闘なんて無理なレベルで疲労が激しく、まともに動けなかったからな。最悪は使うつもりではいるが、切る場所は間違えないようにしなければ、下手すりゃただの自爆で終わる。
後、サイレーン以外との合体はまだ試してないんで、どうなるか未知数ってのもあるんだよな。なら試せよって思ったんだが、どうにも合体には何らかの条件があるらしく、今の俺ではサイレーンとの合体しか出来ていない。
ハトメヒト曰く、「必要なものは覚悟と愛情、お互いがお互いを究極の状況でも想い合える力が必要になる」との事だ。だから何でお前はそう色々知ってるのかと言いたいが、実際問題頼りになるので文句も言えないという。
となればただの鍛錬では覚悟という点で無理があるんだろう。一度でも成功していればそれ以降は問題ないので【タイプ:サイレーン】はいけてるが。
で、件のタイプ:サイレーンだが、実は直接戦闘はそこまで強く無かったりする。メインがサイレーンとの合体だからなのか、主に出来る事は歌を音波光線に変えての砲撃や全体即死の歌の強化バージョン。支援と回復も結構出来る。
一応俺がメインで動くので、近接戦闘も出来るが劇的な攻撃力上昇とかはない。質量の問題で火力は上がっているがそれだけだ。寧ろアクセルと戦うと全く速さに対応しきれずにあっという間に押されていく。
防御力とかはかなり高くなっているので負けはしないんだが、勝てもしない。やはりサイレーンと合体したときは歌や歌の砲撃を使っての遠距離から中距離の攻撃がメインな運用方法になるだろう。となればテルクシノエーの時は完全な魔法タイプになりそうだな。どんな見た目になるのか少々楽しみではある。
「ま、その辺は会ってから色々相談だろうな。レヴォリューションは俺達よりずっと上の経験者だし、頼らせてもらうさ」
あの日以来の再開か。会えたらまず礼を言わせてもらわないとな。
―116話了
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明日はお仕事が忙しい・・・・頑張るのですよ(涙
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