第102話 かおすよあふれよー とりあえず京都に

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今日もぎりぎり間に合いました、いつも閲覧ありがとうございます。

日々寒さと戦いつつ、皆さんも風邪やインフルには気を付けて下さいね。

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 現れたソウルギアが幼女だった。


 というよりハトメヒトだった。つい先日のあれだ、頭がイルカ頭のレイドボスだよな? どうしてそれが俺のソウルギアとして出てくるんだ? ソウルギアってのは俺の魂の片割れみたいな物だった筈だよな?


 もしかして俺にも目の前の幼女みたいなカオス風味がまぎれてるって事なのか? え、超絶嫌なんだが。


 ただ見た目が全く違っている。


 俺達が見たハトメヒトはゆるキャラみたいな姿をして頭がまんまイルカだった謎生物だった。目の前に居るのは赤色のツインテールが特徴的なぎりぎり美少女だ。穿った目で見ると美幼女になる。


「さて、主殿よ。汝等も混乱しているであろう、まずはゆっくりとお茶でも飲んで落ち着いてからコントを24時間連続で始めようと思うのだが如何に?」 


「如何に? じゃねぇんだわ」


「うむ、良いツッコミである、主殿は良い相方になる事請け合いだな。さて、冗談はここまでとして本題と行こう」


 手をパンパンと叩いたハトメヒトが真剣な表情で語りだした。


「まず最初に言っておこう、主殿よ。もし汝がレベルアップをあと数日遅らせていたならば、ここに居たのは違うソウルギアであっただろう」


「・・・どういうことだ?」


「我としても可能性でしかない以上、憶測でしかいう事が出来ぬが、今回我をソウルギアとして顕現出来たのは、【我との縁】が濃い状態だったから、であろうな。我としても受け継ぎし者である主殿にはあのような所で死んでもらいたくはなかった。故にやり過ぎたのだが、これはもう過ぎた事として」


 彼女は更に続ける。


「ソウルギアとは何か? 魂の武器、魂の兵器、魂の・・・それは魂の歯車に刻まれた記憶の一部。主達が呼び出し、生み出しているものは、正確には自分自身ではない」


「・・・それは、どういうことですか?」


「流川・・・」


「それがもし、魂の片割れであるのならば、自分自身の魂であるのならば、裏切る事もない忠実な半身が生まれるだけだろう。そこには超常的な力も無ければ、特別な物もない」


 背筋が寒くなっていく気がする。


 初めは緩く聞いていたサイレーン達も、その表情は少し震えて来ていた。


 ソウルギアは自分自身ではない。つまりサイレーン達は俺の魂の一部じゃあないってことなのか? だからハトメヒトがソウルギアとして出てこれたって事なのか?


「心配させるような言い方をしてしまったな、あいすまぬ。安心するが良い、汝等ソウルギアはまさしく己の主と魂で繋がっている事に相違ない」


 しかし―と彼女は続ける。


「ソウルギアは主人の一部であり、同時に全く別の存在であるのだ。故に、お互いを愛し合ったとしてもそれは自己愛にはならぬ、勘違いしやすいので覚えておくように」


「と言うか貴女はなんでそこまで知っているの??」


「テルクシノエー?」


「先ほどから聞いていれば、全て断定した言い方。正直貴女がディザスターの手先で紛れ込んできたと言われても私は信用できるわ」


 確かに、ハトメヒトは先ほどから俺達に色々な真実を聞かせてくれている。しかしそれが100%真実とは限ら―――


「そう言えばハトメヒトって」


「うむ、我のステータスを見てみるがいい、テルクシノエー殿、そこに汝に対する答えがある」


 思い出した、レイドボスとして出てきた時もハトメヒトはあるスキルがあった。


 直ぐにアプリを開いてハトメヒトのステータスを閲覧すると、そこには予想した通りの物があった。


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【ソウルギア:ハトメヒト】

【LEVEL:4】

【ステータス:パワー:0 マジック:20 ガード:0 レジスト:0】

【スキル:精神系状態異常無効】

【スキル:沁み込む真実Lv10】

【スキル:天衣無縫Lv1】

【スキル:ヘキサグラムマジックLv4】

【スキル:ヘキサグラムアタックLv4】

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【スキル:沁み込む真実Lv10】

効果:このスキル所持者は嘘をつく事が出来ず絶えず真実のみを話すしか出来ない。

但し、その真実の言葉を聞いた対象はそれを【嘘】や【でたらめ】等と

疑う事が出来なくなる。それはレベルが高いほど、確実に成功する。  

スキル所持者があえて疑問を持たせる事も可能である。

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【スキル:天衣無縫Lv1】

効果:自由を体現せしその姿は主にすら力を与える。

マスターに自身が持つスキルを使用可能にさせる。但し使用回数は

このスキルの最大レベルまでである。

パッシブスキルは現在は付与出来ない

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【スキル:ヘキサグラムマジックLv4】

効果:一度に6回の魔法を同時に発動する。それは同じ魔法でも違う魔法でも可能。

レベル回数使用する事ができる。

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【スキル:ヘキサグラムアタックLv4】

効果:一度に6回の攻撃を同時に発動する。それは同じスキルでも違う技でも可能。

レベル回数使用する事ができる。

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「沁み込む真実・・・レイドボスの時と同じスキル、これ自体がブラフではない以上これが真実と言う事なのでしょうね」


「ま、疑いだしたらキリがないしな、すまんテルクシノエーを悪く思わないでくれ」


「何、いきなりすべてを信じろと言われて逆に素直に信じてしまっては色々と危ういもの。あえて疑問を持たれるように効果を弱めていたからな。問題ないのである。だが、真実しか話せないというのはスキル特性上変える事が出来ぬ」


 ハトメヒトの言う事は全て真実、だと言う事だ。


 テルクシノエーもハトメヒトに謝罪して話を続けてもらう事になった。


「さて、話が逸れたが、改めて説明しよう。では「ソウルギア」とは何なのか。至極単純に言えば、【魂】という容器であり貨幣を用いて、超人的な何かを宿す物だろう」


 身振り手振りを交えながら彼女は更に続けていく。


「本来ソウルギアは一人につき一つまで。それは【魂の許容量】の問題である。この辺は説明していくと面倒と言うか、文字にして10万文字位は会話せねばならぬので横に置いておくとして。汝等プレイヤーの中にも時々魂が強い存在がいる。それらが複数のソウルギアを所持したり、人型や召喚型のソウルギアを呼び出せる。例外的にアイテムを用いての増加もあるがそれはまた別の話だ」


「えーとつまり・・・私等は魂を消費してソウルギアを買ってる? って事か? で、入れ物の役割も果たしてるって事で」


 リバティがおそるおそる手を上げて言う。


「うむ。ソウルギアが破壊された時に廃人になるのはそれが理由よな。複数ある場合は【その全てが魂】として扱われるので耐久度が上がっているのだ」


 そして彼女はソウルギアの確信について話しだした。


「サイレーン、テルクシノエー、ミューズ、ジェミニ、その他にも多種多様にあるソウルギア。これは【魂】を媒介にして現存している、もしくは現存していたそれらを呼び出しているのだよ」


「・・・私のソウルギアも・・・?」


「魔法少女になるソウルギア。それも地球に存在していたからこそ呼び出され選ばれたもの。呼び出す時に魂とプレイヤーの性質を持ってソウルギアはある程度選択されて選ばれる。スピネル殿だったかな? 汝がそのソウルギアを手に入れたのも、ある種運命とも言えるのであろう」


「その理屈で言うと、御堂君のソウルギアは女神だと思うのですが?」


「女神である」


「っ・・・!?」


「正確には【女神の性質と力】だけを宿した存在ともいえる。本来の女神は恐らく既にいないであろうからな」


「で、では僕のジェミニも・・?」


「おそらくは双子座の元になった存在から同じくそれらを宿しただけの可能性もある。我自身全てを把握している訳ではないからな。女神の事ならばある程度わかる、その程度である」


 俺のソウルギアの事、流川のソウルギアの事、考えれば考える程よくわからなくなっていく。


「だが、これだけは言っておこう。本来が何であれ、出自が何であれ、我等は主殿のソウルギア、そうして生れ落ちた以上は【それこそが我等】だ、例え過去に何があろうとも、本来が何であろうとも、我等は我等でしかない」


「ハトメヒト・・・」


「長くなってしまったが、我が主殿のソウルギアとして生れ落ちた理由が、かすかに残った縁が、ソウルギア形成時の主殿に繋がり【女神】としての相性の良さから、我を顕現させたと言う事なのであろう。我自身、レイドボスとして生れ落ちた我の全てを覚えている訳ではないからな、言うならば新生増えるハトメヒトと言った所であろうか」


「・・・神話が、現実にあった話かもしれない・・・か」


 スピネルがそんな事を言う。


 そう言えば目の前のこいつ・・・と言うかレイドボスのハトメヒトが言ってたな。ディザスターは【地球】のソウルギアだって。


 そういう不可思議な事があるのなら、伝説や神話の出来事もあながちすべてがでたらめって訳でもないのかもしれねぇ。


 だがこれで少しだけ謎が解けたような気がする。


 俺のソウルギアが全員女性なのは、俺の魂が女性だからとかそういう人格を望んでたとかじゃあないって事だ。よかった潜在的に女性願望でもあるのかと言われたら泣きそうだったしな。


 つまるところサイレーン達は俺の魂の一部ではあるが、ちゃんと彼女達自身だって事なのか。あぁ、だから・・・


「リジェクションは自分のソウルギアに見捨てられたんだな」


「その通り。魂を使っての半身ともいえる存在の召喚である以上、元々の好感度等は高くても究極的には他人である。そのような事を続けていれば100年の恋も冷めようと言う物。あのものはソウルギアを都合のいい道具としか見ていなかったのであろうよ」


 俺も彼女達をないがしろにするつもりはないが、改めてこれからも今まで通りに接していこうと思えたわ。


 こうして色々聞かせてもらった事を考えれば、俺のソウルギアがハトメヒトになったのはもしかしなくてもラッキ―だったのかもしれないな。


 そう考えれば見た目も最初のキモい系ゆるキャラではなく、無表情系美幼女なら十分以上に合格点だ。せめて後5歳位見た目的に大人なら良かったんだが。


「ハトメヒトさんにはあとで個人的に色々話を聞かせてもらいたいですね。宜しいですか?」 


「うむ流川殿。我としても主の安全の為には全力を尽くす所存。なんでも聞くがいい、我のスリーサイズから今日の下着の色、そして好きなしらたきとかも満遍なく答えよう、我としてはおでんの具にはこんにゃくとしらたきは外せない。そこに大根と卵に、一応牛筋があると最高であるな。ハンペンとかも良いのだが、我ハンペン食べた事ない。と言うかむしろおでん食べた事ないので食べてみたいのだが、今日の夕飯はシチューとビーフシチュー、どちらがいいか迷っている」


 ら、らっきー・・・だった・・・んだよな・・・うん。


 あ、俺達のステータスまだ確認してねぇや。



―102話了


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適当になんかそれっぽい事言わせておくと頭良さそうに見えますが

肝心のあさねこの頭が残念なので、どうしようもないという悲しみ。

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