第93話 うんえいさんはみている。
今日も閲覧ありがとうございます。
今日は休みですが色々忙しくて書く時間がががが
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◆警告メール。
このメールは現在◎◎地区でミッションを行っているプレイヤーの皆様に
お送りさせて頂いております。どうぞご確認ください。
◆運営外からの悪質な違法行為について
運営に重大な違法行為を確認しました。
皆さんに置いては今回の事誠に申し訳ありません。
運営一同次回から徹底しての違法行為に対する徹底管理を行います。
次のシーズンからはこのような事が無いように
運営一同全力を持って運営してまいります。
今回の補填としてクリア時に一律10連チケットを配布いたします。
◆プレイヤーキラーの違法行為について ※こちらは違反者のみに通達されます
現在一部ミッション地区に、違法行為を行ったプレイヤーキラーが滞在しております。内容は【次のシーズン中までの対象プレイヤーの殺害禁止】とその内容に深く底触する行為である為、次の様な罰則を行います。
◆違反内容 説明文を深く読まなかったことによる認知不足による違反行為
1-1 次のシーズンまでのプレイヤー殺害は【間接的な行為】も含まれる。
1-2 殺人教唆も同様である
◆罰則内容
1 クリア報酬なし
2 違反ミッション内に存在する為、特殊な罰則を与える
3 違反者がボスを倒した場合【違反者がレイドボス】となる
4 レイドボスになった場合、撃破されれば死亡する
5 参加者全員を撃破した場合、レベル1から再スタートを許可する
6 他のプレイヤーがレイドボスを倒した場合、ポイント0とレベルから再スタート
7 上記の場合所持ソウルギアは回収され、ランダムでソウルギアを再配布とする。
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一丸となってレイドボスを探している彼等は一斉送信されたこの緊急通達のメールを見て訝しみながらも補填が貰えると喜んでいた。
しかしリジェクションにも上記の情報に追加した罰則が書き足された通達が届く筈だったが、流川からもらったスマホに最低限アプリは入れる事が出来たがメール設定までは急いでいた為まだしていなかったのでそれが届く事が無かった。
この文章が届いていたのを読んで居ればリジェクションは動きを止めたかもしれないが届いていない以上、誰よりも早くレイドボスを探そうと躍起になっている。
罰則のメールについて全員に届いていたのなら流川辺りが必死に止めたかもしれないが、これもディザスターが狙っていたのかは誰にも分からない。
※
頭部の違うレイドボスを一人で探すリジェクション。雇ったプレイヤー達にも一応探させているが、ポイント、金で動いてる連中なので勝手に倒される可能性があるので連絡のやり取りはしていない。
どちらにせよこのミッション終了後に殺してポイントに変える予定なので最悪彼等ならばどうなってもいいのだが、今回のボスは彼等が倒される心配がない所は彼にとって楽でよかった。
直接殺せないのは流川や御堂達パーティのほぼ全員なだけで、それ以外は普通通りに殺しても問題ない。殺し過ぎて目を付けられても面倒ではあるが、雇った数人を殺す分には問題もない。
ソウルギアが無くてもレベル3程度の雑魚プレイヤー。流川の様なとんでもではないのは確認しているので、此方で色々補充する気だった。元々彼等に1ポイントたりとて渡すつもりなど毛頭なかったのだ。
『ジェミニ達は仕方ないから今回だけは見逃してやるっす。ソウルギアも探さなくちゃならねぇし、だが次のシーズンが始まったらどんな手を使ってでも・・・』
今はやらなければならない事が沢山あるので、あいつらに関わっている暇が無くなった。こんな事ならば楽なミッションにいけばよかったと反省しきりだ。
なにはともあれ自分のソウルギアを見つけ出し、自分の主人が誰かを思い知らせたうえで管理しなくてはと計画を組み立てていたリジェクションだったが、奥の方で違和感を感じるレイドボスの姿があった。
他のレイドボスが奇怪な行動をしているのに対し、そのレイドボスだけは逃げるように何処かに向かっている。しかもよく見れば頭部の部分が他のイルカ頭と分かりやすいほど違っていた。
何せ頭部の額の部分にひらがなで『しゃち』と書かれているのだ。悪戯でそんな恰好をしている可能性もあるにはあったが、他のレイドボスの分身にはないその恰好と行動は本体を思わせる。
ニヤリとリジェクションが笑みをこぼす。周りの他のプレイヤーは居ない、初めのうちはボスの対処が難しくて焦ってしまっていたが、タネが割れてしまえばここまで簡単なミッションは他にはないだろう。
直ぐに追いかけ本体を追い詰める。
「はぁ、さっさと終わらせねぇとなぁ。という訳でとっとと死ねッス」
「む・・・待ちたまえ。君が我を殺すのはやめておいた方がいい」
「何だこいつっ! あはははは! レイドボスがまさかの命乞いし始めたっすよ! なにこれ面白れぇ!!」
レイドボスの本体ハトメヒトが何やら焦った様子でリジェクションをなだめようとするが、それを見た彼はおかしくて堪らないと言わんばかりに爆笑する。
喋るボスと言うのもそうそう居るものではないが、ここまで規格外すぎると爆笑ものだった。
先ほどまでの憂鬱だった気分がいくらかはれていくのを感じる。このまま気のすむまでなぶり殺しにするのも楽しそうだったが、さっさと終らせた方がいいと、すぐに殺す事にする。
「いやぁ、ここまで爽快なのは久々っスよ。お礼に痛みなく殺してやるから安心しろっす。いやぁなんて優しいんだろう」
「待つのだ。制限があって喋る事が出来ぬが、我を汝が殺せば取り返しのつかない事になる。他の誰でもいい、汝だけはやめておくのだ」
「はぁ? 命乞いの質が低レベルっすよ? 嬲り殺しにされたいんスか?」
「殺しさえしなければ好きなだけ甚振るがいい、汝の予想通り我が本体である。故に―――」
ハトメヒトの首が吹き飛んだ。
「0点。もう少しまともな命乞いをしろよ、泣き喚いたりとかさぁ?」
彼が本体を倒したことで周囲にいたレイドボスがゆっくりと消えていく。
同時にスマホに着信音がなった。直ぐにアプリを開きデータを見るそこにはいつもの様にクリアリザルトが表示・・・されていなかった。
「あん? まだ時間かかってるんスかね? お、出た出・・・・た?」
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◆違反プレイヤーキラー【リジェクション】がレイドボスを討伐しました。
罰則に則り、現時点でリジェクションのプレイヤー権利を剥奪。
同時に【レイドボスモンスター:レベル6】として配置される事になります。
これにより、皆さんにはさらに白熱したバトルをして頂けると思います。
レイドボス変更により報酬などが大きく変化します。
【報酬変更】
報酬:4万ポイント+10連ガチャ2枚
最多ダメージ報酬:SS以上LR1%確定チケット2枚
MVP報酬:SSスキル確定チケット2枚
最多支援報酬:10連ガチャチケット2枚
最多防御報酬:5000ポイント
【注意】レイドボスになったプレイヤーはこのバトルに勝利しない限り
死亡します。勝利した場合、レベル1 ソウルギア再展開となり復活出来ます。
皆さん達の奮戦を期待しております。
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「え・・・な、なんだよ、これ・・・なぁ? う、嘘っすよね? 嘘だといえよおおおおおお!? がっ!? ぎゃあああああああ!?」
全身が熱く焼け爛れるように痛く、痒くなり始める。体中が震え膨張し、顔がまず不気味に膨れ上がった。まるでB級ホラー映画の化け物が生まれる様なその姿は、見ている者が居れば吐き気を催すレベルのものだろう。
彼の意識がだんだん遠退いて行く、自分が自分でなくなる感覚と急激な飢え、そして止まらない殺意が全身を駆け抜けていくのを感じた時に、リジェクションという人格は消滅する。
本能だけの巨大なバケモノに成り果てたリジェクションは歓喜か狂気の咆哮を上げるのだった。
※
そこからでも巨大化した化け物の姿を見る事が出来た。
佐伯が先導しレイドボスの本体を探していた御堂達だったが、スマホからの通知がなり響いた。同時に周りにいたハトメヒトの分身体達が光の様に消えていくのを見て既に誰かに倒されたのだと安堵と共に残念な気持ちになりつつも、リザルト画面を見た所、彼等のリザルト表記の部分にも、リジェクションと同じ文章が乗せられていた。
そして数秒も間を置かず苦しんでいる叫び声が響き、その方向から巨大な肉の塊が凄まじい速さで蠢き体積を増やしていくのが見えたのだ。
気持ちの悪い速さで形成されていくそれは、最早人の形をしておらず、人間の出来損ないの様な姿をした巨大すぎる化け物が立っていた。
土座衛門の様な不気味に膨れ上がった白と赤色の肉の塊、かろうじて頭部部分に目の様なものが見えるが、どこが口で鼻なのかもわからない。
長さがばらばらな腕の様なものが肩から下、背中からと系10本以上も生えているのが見える。足の部分は建物などで見えないが、あの質量の巨体を支えるのに二本足では厳しいだろう。
スマホのデータを見る限りあれは、今回の罰則とハトメヒトの違反の両方によって発生した【レイドボス:リジェクション】だった。
咄嗟に口を押えて吐き気を堪えるリバティとスピネル。リバティは最初の部分で限界が近かったが、流石にスピネルも気色悪さが限界に来ていたようだ。
バンカーやハルペーもあまりのおぞましさに引いている。
というよりも半数以上のプレイヤーは半狂乱に近い状態だった。やっと終わったと思えばまさか【プレイヤーがレイドボスに変わる】と言う事態。冷静でいろと言うのが難しいだろう。
だが、プレイヤーの状態などバケモノが考慮する訳もない。大音響の叫び声をあげ、バケモノとなったリジェクションが口からなぞの塊を他のプレイヤーに向かって吐き出した。
回避が間に合わず直撃を喰らってしまう女性のプレイヤーが、叫び声を上げる間もなくドロドロに溶けていく。どうやら強力な溶解液らしい。
ベチャリと溶解液の一部になったプレイヤーが骨まで溶けたのを見た近くにいたプレイヤーが狂乱状態になってソウルギアを用いてリジェクションを攻撃する。
あっさりと攻撃は通ったが何の手ごたえも無い上にすぐに肉同士が繋がって元に戻ってしまう。恐怖にかられたプレイヤーはただ死にたくないと攻撃し続けるが向かってきた肉そのものに押しつぶされて全身の肉が砕け死亡した。
「全員一旦離れろ! 我武者羅に近づいて勝てる相手じゃねぇ!」
御堂の叫び声に勝機を取り戻した佐伯たちや他のプレイヤーがリジェクションから一斉に距離を取る。簡単に終わるかもしれないと思ったレイドボスバトル。
あのディザスターがハトメヒトの様な暴挙を、リジェクションの様な命令違反者を許す訳がなかったのだ。そして【都合がいいから】という理由で今回のミッションを続けたのだろう。
何せ【その方が楽しい】のだから―――
―93話了
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リジェクションさんレイドボスになるの巻。
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