第16話 閑話休題と飛ばすには現実はリアル過ぎて
5000PVを突破しました。これもひとえに皆さんのお陰です。
いつも閲覧ありがとうございます。拙いお話ではありますが、
少しでも皆さんの暇つぶしになればとても嬉しいです。
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翌日。と一瞬で時間を流すには今日は色々ありすぎた。初のミッション、こちらを殺しに来る大量というかバカげたレベルの物量で攻めてくるモンスター達。それに対抗するプレイヤー達。そして様々な理由があるプレイヤー。学生から幼児に至るまで色々な事があった。
極めつけはレベルが上がった時に増えたもう一人のソウルギア―
【テルクシノエー】の事だろうか。あれには俺達以外に流川ですら驚き過ぎて呆然としていた。ソウルギアはレベルが上がると武器や乗り物の種類が増えたり、変身のバリエーションが増えたりとそういう変化はよくよくあるらしい。ただ、人型のソウルギアが【増える】と言うのはそれなりの経験者である流川も初めての体験だったそうだ。俺としてはサイレーンとは違うタイプの妖艶な美女が出てきて驚いたのもあるが、それ以上に嬉しかったりする。
サイレーンはまだ少女と女性の間のどちらかと言えば可愛らしさが溢れる感じの美人だが、テルクシノエーは大学生~社会人位の年齢のなんというか男の夢を詰め込んだら出来ましたと言わんばかりのナイスバディ美人だった。思わず拝んでしまったのは男のサガである。
今は俺の家に戻ってきている。流川達は明日の仕事に備えて帰っていったので、今は俺とサイレーン、そしてテルクシノエーの3人だけだ。
「あぁ、色々あったが生き残ったなぁ」
「ん。次からは私も支援できそうだし、がんばるねマスター」
敵味方識別広範囲全体攻撃とか、どこのチートだと言わんばかりの攻撃方法を手に入れたサイレーン。純支援から攻撃サポートも出来るようになってくれた。問題は支援がメインなので、攻撃力はそこまで高くないらしい。【マジック:2】もあれば十分な火力になると思うが、感覚的に倒せてもレッサーグール程度の雑魚がギリギリとの事。俺はそのレッサーグールを結構しんどい思いして戦ったんだけどね?
「私も、簡単な攻撃しか出来ませんがご主人様のお役にたってみせますね」
「お、おぅ。よろしく頼む」
「むむぅ、マスターってばテルクシノエーの胸ばかり見すぎ」
「な、何のことだか!?」
気を付けてはいるんだが、目の前に服が余裕で弾けそうな爆乳があれば目が行ってしまうものなのだ。というかテルクシノエーの服装がもう既にそれを意識してるかのような扇情的な服装なのが悪い、俺は悪くない論破。
あ、サイレーンの目が白い。申し訳ございませんでした。
「す、少し恥ずかしいですがご主人様でしたら別に。こ、こほん。まずは私の能力などを調べていきませんか?」
「そ、そうだな。サイレーンの強化されたスキルとかも見ておかんとだし」
少し顔を赤らめて恥ずかしそうに身を捩るテルクシノエー。待ってほしい、まるでリアルなサキュバスですかと言わんばかりの容姿をしておいて、清純派とかいう矛盾した存在なんですか? 男の夢をどこまで詰め込んだらこうなるんだ?
じーっとジト目になるサイレーンから目を逸らしてアプリを起動。直ぐに二人のステータスを再確認し、スキルをチェックする。どうやら色々強化されているようだ。特に俺への強化効果がかなり凄い事になっている。
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―【ブレイブシャウトLv2】
―自身のマスターのみに効果。
―パワー:+10 マジック+4 ガード+8 レジスト+8
―マスターの精神的恐怖をとても大きく緩和
―マスターの物理的な苦痛をとても大きく緩和
―マスターの自然治癒力をとても大きく上昇
―ミッションのモンスターに対し、更にパワー+5
―効果時間【48時間】または【ミッション中永続】
―この効果はソウルギアが死亡するか、効果時間までか解除するまで持続する。
―喉が潰れている場合は使用不可能
―このスキルはソウルギアがレベルアップすると強化される。
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―【ヒーリングボイスLv2】
―生命体にのみ効果。
―対象の怪我や疲労を回復する。
―効果範囲は声の届く範囲の使用者が望んだ対象二体まで。
―回復効果は一瞬。
―ソウルギアのレベル×3回まで使用可能。
―レベルが高くなるほど回復効果が上昇する。
―レベル2で疲労を一瞬で回復
―レベル3で四肢の切断や重篤な病気も回復可能
―レベル4で瀕死なども回復可能
―喉が潰れている場合は使用不可能
―このスキルはソウルギアがレベルアップすると強化される。
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―【スキル:サイレーンヴォイドLv1】
―声が聞こえる範囲内の全ての対象に音波攻撃。
―威力は【マジック】に依存する。
―敵味方識別可能。命中時、相手に対し魅了、誘惑の追加効果。
―喉が潰れている場合は使用不可能
―このスキルはソウルギアがレベルアップすると強化される。
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「こりゃすげぇな。流石純支援」
「スキルに追記があるね。あ、これ・・・やっぱり喋れないと使えないんだ」
サイレーンのスキルはシャウトとかボイス、ヴォイドとついていることから分かるように発動条件は歌ったり叫んだりする事が必要になる。つまり攻撃などで喉を潰されたり、水中などの物理的に声が出せない所では使えない弱点があるようだ。
「サイレーンの能力と私の能力は似ていますね。近い内に対策を考えなくてはいけないと思います」
「だな。サイレーンの強化が俺達の生命線だ。それが使えないってなれば詰んだのと同じだからなぁ。えーと次はテルクシノエーのスキルか」
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―【狂乱の唄Lv2】
―声が聞こえる範囲内の全ての存在が対象。
―対象の【レジスト】が自身とマスターの合計【マジック】以下なら確定成功。
―レジストが高いほど抵抗出来る。発動に気づかない場合は確定成功。
―敵味方識別可能。命中時、相手に対し下記の状態異常を付与。
―発狂、精神錯乱、狂乱、自我崩壊、異常興奮、混乱の追加効果。
―効果時間:解除されるまで永続
―この効果はソウルギアが死亡するか、効果時間までか解除するまで持続する。
―喉が潰れている場合は使用不可能
―このスキルはソウルギアがレベルアップすると強化される。
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―【勝利の唄Lv2】
―範囲内の味方全体に強化効果
―パワー:+2 マジック+1 ガード+1 レジスト+1
―精神高揚、恐怖耐性、命中上昇、回避上昇、勝利運上昇
―自身のマスターのみに対し更に追加効果。
―効果中1度のみ死亡するほどの攻撃を受けても必ず生き残る
―コモンスキル【勝利の幸運】と同等の効果が常に発動
―コモンスキル【バトルアーマー】と同等の効果が常に発動
―効果時間【48時間】または【ミッション中永続】
―この効果はソウルギアが死亡するか、効果時間までか解除するまで持続する。
―喉が潰れている場合は使用不可能
―このスキルはソウルギアがレベルアップすると強化される。
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「私のコンパチ?」
「貴女ね・・・」
テルクシノエーのスキルはサイレーンの効果と似ているものだった。サイレーンは俺に対する純支援と回復系がメインで、テルクシノエーはその気になれば味方も支援できるし、なんか恐ろしい事ばかり書いてる相手への状態異常スキルと、汎用的な支援キャラって所だろうか。二人とも前衛に立って戦えるようなタイプではなかった。
と言うよりはこんな美女達を前に出して戦わせるって小市民な俺には無理なので、これはこれでよかったんだろうか。
「サイレーン程の支援は出来ないかもしれませんが、その代わりに敵対者を崩すスキルが使えます。きっとお役に立ってみせますね」
「お、おぅよろしく頼むよ」
「自我崩壊って書いてるんだけど、テルクシノエー意外とえげつないね」
「ご主人様の敵に容赦は要らないでしょう?」
「然り」
うんうんとお互いに納得して頷き合っている二人。本当にマスター以外には容赦ないんだな。俺としてはそこまで想ってもらえて嬉しいのもあるが、開幕ここまで好感度が高すぎると、逆に不安になってしまう。いいのかね、これは―――
「ご主人様」
「ど、どうした??」
「私達はソウルギアです。ご主人様の魂から生まれた存在です。言うなれば、私もサイレーンもご主人様と一心同体の様なものだと思います」
テルクシノエーはさらに続けた。
「私達はご主人様の一部。自らの一部が本体であるご主人様以外に懸想をすると思うでしょうか?」
テルクシノエーは俺が漠然と抱えてた不安を見事に言い当て、更に言葉を続けた。
自分たちは俺の一部。好感度が高いのが当たり前というか、それが当然であり事実。自身を憎んでいるような内罰的な人間だとしても、それは変わらないと。ソウルギアにとっては、【マスター】イコール【レゾンデートル】という事らしい。
「テルクシノエー・・・オゾン出てるって、何??」
「レゾンデートル、ね? 意味は【存在理由】【存在意義】。私達がご主人様に対して常に感じている事よ?」
「難しい言葉を使うなぁテルクシノエーってば。頭良いアピールかっ!?」
サイレーンはどちらかと言えば不思議ちゃん系でありながら甘えん坊な所もある感じだが、テルクシノエーは色香漂う大人の女性だと言うのは分かる。
二人が俺の魂の一部だとすると、俺の中には二人みたいなのが・・・よそう、それを認めると俺がオカマになる。そういうキャラはアニメやゲームに出てくるだけで十分だ。リアルで会うのは御免被る。
「所で、今思ったんだが」
「どうしたのマスター?」
「ソウルギアが死んだら俺も死ぬってのは聞いたが、考えたくないが二人のどちらかが万が一死んだ場合、やはり俺も死ぬのか??」
「っ?! そ、そうなるとマスターの弱点が増えちゃったことに!?」
ソウルギアが破壊されれば魂が破壊される。死にはしなくても廃人になる。俺の場合はサイレーンとテルクシノエーの二人が居る為、どちらかが万が一倒された場合、やはり廃人になるのだろうか。
「いえ、恐らく片方だけなら大丈夫だと思います」
「ほ、ほんと!? 良かった・・・マスターが壊れるのは嫌だ」
「こうして誕生した瞬間、それまでのご主人様の知識と記憶をある程度引き継いで顕現した記憶があります。その中に彼、流川さんが言っていた話にこのような話がありました――」
先ほど俺も考えてたが、ソウルギア持ちの中には複数の武器や乗り物を呼び出せるタイプがいる。彼等の場合、万が一武器や乗り物が破壊されとしてもダメージは受けるが即座に魂が壊れないらしい。なぜなら他のソウルギアがまだ残っているからだ。その全てを破壊されない限りは死んだり廃人化はしないそうだ。
そして破壊されたソウルギアも時間が経過するかポイントを消費すれば再生も可能だと言う。もしサイレーンかテルクシノエーのどちらかが殺されてしまったとしても、もう片方が生きていれば俺はダメージを受けこそすれど、廃人になることは無いらしい。死んでしまった方も時間がたてばやはり復活出来る。実際アプリをみてみれば【破壊されたソウルギアの修復:100P~】と掲載されていた。
「あ、つまりテルクシノエーが出て来てくれたおかげで残機増えたんだね」
「残機って・・・」
サイレーンさんや、大切な仲間をゲームの残機扱いしないようにな?
「まだ確定情報ではありませんが、可能性はとても高いと思います。どうかご安心を」
「そうならないように俺も頑張らないとだな。こんな美人さん達を死なせるなんてもったいない」
「っ! ご、ご主人様。そういう殺し文句は夜に」
「テルクシノエー、今がまさに夜だけどね? でも今ので確信しますた。よしマスター、布団敷こう! 今日はエロエロだね」
「さ、サイレーンっ!?」
意外や意外、妖艶なテルクシノエーさん純粋だった。そしてサイレーンががっつり肉食系だった。冗談なのかわからんが、二人とも色々個性的で何よりだ。後、そういうネタは俺が落ちちゃうのでやめてほしい。
―16話了
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サイレーンは割と欲望のままに動くタイプの様です。
テルクシノエーは見た目はともかく、純情さんのようです。
主人公はヘタレさんです
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