第14話 参加制限位かけておいてほしい今日この頃

14話完成です。

帰宅してからやる夫スレ投下迄の時間までに書き上げられるか

其処を勝負してる感じになってます、今の所は勝利中です。

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 7体目の化け物、「レッサーグール」を打ち倒す。サイレーンの強化が掛かっているお陰か、相手にとどめを刺してもそこまで精神的に疲弊はしていない。全くしていない訳ではないので、これ効果が切れたらやばそうな気がするな。


 まばらにやってくるお陰で俺一人でもなんとか対処出来ている。後ろには流川もいるしサイレーンの安全は確約されているので安心して敵に専念できている。これがあっちで無双している佐伯少年やジェミニ達みたいな状況だったら、俺は一瞬でミンチになってるだろうな。


『ろおぉぉぉおお!!』


「ぬぁっ!?」


 横から突撃してきた一体を大慌てで回避する。ステータスは大きく強化されているので簡単な回避のつもりが一気に距離が取れてしまった。一気に強化されたステータスだが、それを満足に扱えている訳ではない。


「この、野郎がぁっ!」


 そのまま倒れ込んでいるレッサーグールの頭部を全力で踏みつける。

 「ぐしゃっ」と骨と肉が潰れた気持ち悪い感触と音が響き、手足をばたばたさせていたバケモノは動きを止めた。人型だから頭部を潰せばちゃんと死んでくれるらしい。これで普通に生きてたら殴る蹴るしか出来ない俺じゃ厳しいなんてもんじゃないしな。


「ふぅ。まだ強化に慣れてねぇか」


 ゲームのように【強化しました、この後はすぐその強化は万全に利用できます】とかそんな訳にはいかないようだ。湧き上がる力も割と持て余しているし、攻撃に無駄があるのがよくわかる。レッサーグール達は見た目通りと言えばいいのか、軽く蹴り飛ばすだけで簡単に腕やら足やら吹っ飛んでいく程脆かった。最初の一体目に至っては、全力で殴りつけたら貫通して吹っ飛んでしまい、攻撃した俺の方が勢いがつき過ぎて倒れる所だった。 


「マスター!? 大丈夫だった!?」


 泣きそうな表情をしながらサイレーンが駆け寄ってくる。肩で息をしている俺が心配になったのだろう。

 

「あぁ、しんどいがなんとかなってるな。流川、これでほんとに楽なミッションなのかよ」


「他のミッションに比べたら、とつきますが。ただ雑魚を倒せば良いだけのミッションですからね、ある程度のレベルがあればただポイントが貰えるだけの簡単なミッションですよ。レベル1~2の場合は除きますけどね」


「だろうな。一人でこれをクリアしろって言われたらムリゲーだって泣き叫ぶわ」


 呼吸も落ち着いたので再び精神を集中させる。今倒したレッサーグールがこっちに漏れてきた最後らしく、こちらに向かってくる奴らは見当たらなかった。こっちに流れてこないほどあそこで無双してる3人が居るおかげだ。倒せばポイントが貰えるとは言うが命あっての物種と言う事で、レベルが上がるまではこんな感じでクリアできると嬉しいもんだ。


―――――!!!!


 先ほどから何度か聞こえる大爆発の音。佐伯少年たちと戦っている場所とは離れた場所で二人のプレイヤーが協力して戦っているのが見えた。一人は速すぎて姿が見え辛いが何やら叫んでいるのか居る方向だけはわかる。ここからでは流石に何か叫んでる程度しか聞こえないが。その声が響く度に周りのレッサーグール達がなます切りにされている。なんだよあれチートかよ。


 もう一人のどうみても子供、下手したら中学生なんじゃねぇのか? 位のガキんちょだが、持っている武器がなんかもう男の夢を詰め込んだような武器だった。


「パイルバンカーじゃねぇか!?」


「マスター? パイルバンカーって何?」


「男の子の夢と希望が詰まった武器だ」


「そうなの??」


「いや、僕に振らないで下さい」


 終始ハテナ顔をしているサイレーンとその辺全く興味のない流川。オタ活動をある程度たしなんでいる身としてはあぁいうロマン武器を観れるのは嬉しいもんだ。実際使えって言われたら無理って言うが。あのガキンチョ、どう見ても集団戦不得意っぽいしチャージして撃ち込む様な武器を対集団戦で使うのは厳しいだろう。それで全員ぶちのめせるのなら兎も角。

 

 だが、あの二人は互いの弱点を補って戦ってる感じだな。叫んでる方は速さがとんでもないが、攻撃力はそこまで高いようには見えない。それでもあいつらを切り刻んでるが、倒し切れてない奴らもそこそこいる。そこにパイルバンカーでの大爆発で周辺のあいつらを一気にぶちのめしていっている。武器のチャージの間を護衛して戦い、チャージしたら敵を薙ぎ払っていくという図が完成してる。どっちもレベル2とかレベル3なんだろう。俺じゃああんな真似は出来そうにない。


 誰もが必死に戦い、生き残るためにミッションを攻略している。俺達の様な一般人がのうのうと暮らしている裏で、こんな理不尽なデスゲームが広がっていたんだな。そしてこれからは俺もこの戦いを死ぬか、クリアするまで続けなくてはならない。


 戦っているあいつらを観る。まるでそれは俺が小さい頃夢見ていた主人公たちに見え、同時にどうしようもなく嫌な気分になった。【どうして俺達がこんな目にあうんだ?】そんな事を考えてしまう。俺もあいつらにも日常があった筈だ。流川にも佐伯少年にも、あそこで戦っている二人にも。


「本当に、色んな奴がいるんだな」


 結局俺が口に出したのはそんな軽い言葉だった。


「そうね、貴方みたいな人も含めてかしら」


「っ!? あ、あんた・・・」


 真っ白い、純白と言えばいいのだろうか? この場にはとても不釣り合いな鎧を身に着けている小柄な少女がこちらに向かって歩いてきていた。右手には自分の背丈を超える程の長さと横幅の広い剣を引きずりながら。


「気配からして初心者さんって所かな? 生きてる間はヨロシク~♪」


「ま、マスターに何の用?」


 人好きのしそうな笑顔でからからと笑いながら言う少女。彼女もプレイヤーなのだろう、こうやって話し掛けて来ているのと流川が何も言わない所からプレイヤーキラーという訳でもなさそうだが、サイレーンが警戒しながら話し掛けていた。


「ん? 激励と忠告って所かな。これから同業者になるんだしね、顔繫ぎって所よ」


 一拍置いた後、俺とサイレーンが気圧されるほどの気配を放つ。


「後は、私のマスターに手を出したら、殺すって言う奴ね」


「っ・・・! マスターって、あんたまさかソウルギア、なのか?」


「そ、人型は結構珍しいって言いたいけど、そっちの彼って【ジェミニ】でしょ? それに貴方もそっちの子がソウルギアみたいね。珍しいタイプの私達がこんなにいたらレア度下がっちゃうわね~」


「おーい! ねぇちゃーっ!」


 やれやれと手を上げて頭を振る彼女の傍に場違いなほど元気な声を上げて走ってくる姿があった。そのまま全力で彼女に抱きついてはしゃいでいる。


「あっこらっ!? 出てきちゃだめじゃないマスター!?」


「きょうもたくさんいるなっ!! たくさん倒したら御飯たくさんでるんだな!!」


「ん。そうよマスター♪ これが終わったら明日はハンバーグにしよっか。だから結界に戻って休んでてね?」 


「わかったー!! ハンバーグだいすき!! ねぇちゃ頑張ってー!」


 手を振ってその子は光る半球の何かに入っていく。

 子供。どう見ても幼児だった。まだ保育園か幼稚園に居る位の子供が目の前のソウルギアのマスターだっていうのかよ。年齢性別は関係ないとは言ってたが、こんな物心ついてるかも分からない子供までこのゲームに巻き込まれてるのか。


「うちのマスターがごめんなさいね? そうそう、あの【ジェミニ】のマスターの知り合いみたいだから多少は信用してあげる。精々今日で死なないようにね?」


 そう言うと彼女は剣を握りしめてパイルバンカーを使っているプレイヤー達の方に合流して行った。


「・・・あんな子供まで、巻き込まれるのかよ」


「【ディザスター】に常識を求めてはいけません。あの子の幸運は彼女のようなソウルギアを得られた事でしょう。それが幸運かはですけどね」


 こんな地獄に巻き込まれる位なら、いっそ何も知らずに死んでいた方が救いになっていたかもしれない、か。それも一つの解放手段なのかもしれないな。あの子供が手に入れたソウルギアが人型じゃあなかったら、その時点で生き残れる可能性は0だ。それがたとえどんなに強いソウルギアでも、あんな小さな子供が戦える訳が無い。


「今、他の場所でも、似たようなミッションやソウルギア使いがゲームという名の死闘を演じています。出来れば御堂君にはこんな道に来てもらいたくはなかった。貴方はただケーキを作るのが好きな優しい人ですからね」


「流川・・・」


「今は、お互い生き残るために戦いましょう」


「あぁっ! 必ず生き残ってやるさ」


 十分休めた。初のミッション、色々と思う所が出来た初戦だが、まだまだ始まったばかりだ。俺もこの先生き残るために今は少しでも経験を積まないとならない。


 覚悟は出来た。本当に出来たかと言われれば即答はしづらいがそれでも、俺は決めた。


「サイレーン」


「マスター?」


「ちょっと派手にやってくる。終わった後回復頼むぜ?」


「ん。死なないで。怪我なら全部私が治すから」


「あぁ、任せろ。流川、ちょっくら行ってくるわ、やばくなったら逃げてくるんで頼む」


 俺の情けない言葉に苦笑しながら頷く流川を横目に、俺は佐伯少年たちの居る場所に駆け出した。どこまで戦えるか分からないが、今の俺の出来る限りをみせてやる。




―14話了



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このお話にストックは基本的にありません。

強いて言えば、こちらのお話は自作のやる夫スレを小説に書き起こしてる

感じで、それがある程度まで続いている感じです。そこまで行くには

大体後20話位あればいけるでしょうか、無駄に伸びてもいるので

長くなりそうです。一応ストックがなくても問題なく書き続けられるので

問題は、やる夫スレ投下までに間に合うかでしょうか。そろそろ厳しそうです。


日々即興で1日1話やる夫スレを投下して9年間突破。

即興で書き上げる技術はそれなりに高い気がします。









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