第6話 お坊さんのイメージ
お坊さんと言えば通夜、葬儀のプロである。
式場では静かに入場してきて読経をして
家族、親族、会社関係の焼香が終わると
「スッ」と式場から去ってゆく。
それは一般的なイメージだろう。
有難い話をする。ここでは法話である。
ところが寺院に帰るとまた違ったお坊さんの姿が見れる。
寺院での来客対応で、てんてこまいになっている所もある。
どこもお坊さんの人数が足りないことが
今の時代の現状かもしれない。
お寺の敷地は広いところが多く
夏場は暑い中、草むしり作業が待っている。
とある寺院では他のお坊さん仲間にお願いして
本堂で正信偈、阿弥陀経を上げることもある。
そして、法話。
お坊さんの仕事は多岐にわたる。
花瓶の花換え。トイレの掃除、畳の掃除機かけ。
また町内の人が亡くなると枕経がある。
遺族の家に出向いてお経をあげる。
火葬場やご遺族との兼ね合いで
通夜、葬儀の日程が決まる。
もちろん寺院には来客が次々にやってくる。
イメージと違い、とてもゆっくりしている訳ではないのだ。
むしろ、走り回っている。
ストレスも溜まるだろう。
お逮夜も度々あるだろうし、空いた時間には仏教書を読んでいる。
どこか寺院の住職になると、よほどのことがない限り
一生、仕事が続く。きっと使命感も強いはず。
特に8月、12月は亡くなる人が多いので
お坊さんはハードなスケジュールの中
お風呂に入るのも一苦労。
お坊さんは人々の邪気を吸い取る仕事という一面もある。
稀に光る仏像もある。
きっととんでもない秘密があるのだろう。
今日もお坊さんは走っている。
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