先発隊 ミシェル隊員ヘッドセットカメラデータ 3
◉REC
※1階C-1オブジェクトの部屋
「ブルーノ・・・ブルーノぉぉぉ」
※怒りを込めたつぶやきが、微かに聞こえながら扉が開かれる
「・・・こいつ・・・・・・」
※奥の檻の中にはいつも通りにしているC-1オブジェクトが、何食わぬ顔をしながら寝そべっていた
「・・・あ、あら、あなた・・・こ、ここに居たのね」
※ミシェル隊員は怒りと恐怖に震えた声を出している。objの全身は返り血を浴びていて、凄惨さを物語っている
「え、えらい子ねぇ・・・ずっとここに居た?」
※震えた声で、平静を装いながら檻の扉へ近づく
「外は大変なことになってってね・・・あなたは大丈夫?」
※何も知らないフリをしながら優しく話しかけゆっくりと近づいている
「・・・・・・」
・・・ガチャ、ガチャ、ガチャン!
※隠し持っていた南京錠を扉にしっかりと掛けられた
「キイィィィィィィィ!」
※状況を理解したかのようにobjが檻の中からミシェル隊員へ手を伸ばし襲い掛かってくる。それをギリギリで避けた
「はぁ、はぁ、はぁ」
※緊張が解けたように大きく呼吸をしている
「はぁ・・・はぁ・・・あなた・・・ブルーノ。人間をイジメたでしょう?・・・それを・・・楽しんでいるって言うの??」
※恐怖が消え、怒りと圧力をかけるように語りかけ出す
「復讐だとでも言いたいの?このバケモノ・・・武器を持った人間には敵わないことも知っていて、ここに戻ってきたんでしょう。アルマスやモスマンに任せて。あなたは自分の欲望だけを満たし、機を見ているのね?」
※ミシェル隊員はサブマシンガンの銃口を向けながら、檻の前を左右へ行ったり来たり、動きながら一方的に語り続けている
「私たちのような人間が現れなければ、楽に出ていくつもりだったのね。そしてもし人間がやってきた時のことも考えて、今あなたはこうやってここにいる・・・でも、残念でした。私が来ちゃったね」
※ヘルメットをヘッドセットごと頭から外し、床に置かれる
バン!バン!バン!
※画面がはじけ飛ぶ。様々な破片と共に画面が大きく揺れ、画面は真っ暗になる。が、マイクだけが生きていた。恐らくヘッドセットをミシェル隊員が打ち抜いたようで、ここからは音声のみ
「ずっとおかしいと思っていたのよ。停電で部屋の入口の電子ロックは解除しちゃったわ。でも、あなた達のこの檻の錠はこの通りアナログよ。なんでここも空いてるのよ。これもブルーノ、あなたの仕業でしょう!」
ガガガガガガガッ!
※突然、銃器の音が反響する
「もうあなたは!」
ガガガガガガッ!
「ヒトとしても!」
ガガガガガガッ!
「サルとしても!」
ガガガ!カチカチカチカチッ・・・・・・
「存在していてはいけないのよ!」
※弾を撃ち尽くした音だが、まだ撃ち続けている
カチカチカチカチ・・・・・・
「はぁ、はぁ、はぁ・・・そう、奥に隠れるのね。本当に、あなたは賢いわ」
※objの檻内部は2部屋の構造になっていて、寝る場所として奥にスペースを設けている
「ふん・・・待ってなさい・・・・・・」
※ずっと静寂が続く。数分後・・・・・・
バシャ、バシャ・・・・・・
※水の滴る、浴びせられる様な音が続く
「みんなの、仲間の分まで、苦しみなさい」
ボゥッ・・・・・
「キイィィ!」
ガシャン!ガシャン!
「キイィ!キイィィィィィ」
ガシャガシャ!
・・・・・・
※objと思われる悲鳴とも奇声とも取れる叫び声と、小刻みに鉄がぶつかる音は、音声が途絶えるまで続いた
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