後発隊 討伐隊ヘッドセットカメラデータ 1
◉REC
※研究所の外部調査班
「兵長、こっち来て下さい」
「見つけたか?」
「いえ、先発隊の死体が・・・・・・」
※隊員はそれ以上、言葉を濁した。兵長も黙ってすぐ行動に移し隊員のあとを追う
「・・・どこだ?」
「上です」
※人が木の枝に引っ掛かっているように、うな垂れている
「・・・降ろしてやれ」
「イェッサー」
※隊員は銃器を降ろし颯爽と木を登る
「・・・兵長!こいつまだ息があります!」
※隊員は自分が装着しているハーネスを負傷している先発隊員に付けた
「誰か!ロープ投げてくれ!」
※投げ上げられたロープをハーネスに繋ぎ、下で待機している隊員に降ろすように指示をする。先発隊員はゆっくりと慎重に降ろされてくる
「おい、大丈夫か?」
※朦朧とした意識で目をあける
「水だ。飲め」
※兵長は自分の水筒の蓋を開け、先発隊員の口元に水を半ば強引に流し込む
「ゴホッ!ゴホ・・・あ、ありがとう・・・ございます」
「何があった?」
「アルマスが・・・恐らく・・・裏手に・・・・・・」
※衛生兵が診察している。服を脱がすと胸部から腹部にかけ変色し酷い打撲痕が見られる。Dオブジェクトと格闘したようで、衛生兵はこちら兵長の方へ向き、首を左右に振る。多くの内臓が破裂していて手を尽くせないという表情だ
「・・・そうか。よくやった。後は任せろ」
※衛生兵は鎮痛剤(モルヒネ)を投与する
「お前はヒーローだ。よく俺たちが来るまで持ち応えてくれた。敬意を表する」
※そう言って頭に手を乗せる。先発隊員は微笑みながら、眠りについた
「・・・行くぞ!」
※研究所裏手へと歩を進めて行く
※研究所外部の部隊は計20名で配備。10名づつに分けて建物を左右から裏手へと散開隊形(10M間隔)にて捜索
「・・・いたぞ!アルマスだ!撃てぇ!!」
バン!バン!バン!・・・・・・
※兵長を中心にした陣形の右側の方で声と銃声がする。回り込むように陣形が右へと移動する
「待て!誰か人を抱えてるぞ!撃ち方やめぇ!!」
※フィールドスコープを覗きながら無線で指示を出す。白衣を着た研究員らしき人をDオブジェクトが抱えている。銃声で部隊に気が付きobjはこっちに向かって来る
「こっちに来るぞ!!ハンス!足を狙え!」
「アイ・アイ・サー」
・・・ドウンッ!
※狙撃手が放つライフルの銃声が雑木林に反響する。右膝に命中しDオブジェクトは倒れこみ、抱えていた人物も投げ出された
「いまだ!救助しろ!リモコンを持っていけ!」
※2名の隊員が迂回して救出に向かう
「ハンス、待て!リモコンで捕獲を試みる。様子を見ろ。照準は外すなよ」
※objは立ち上がろうとしているが、先ほど狙撃された足以外もすでに血だらけで、まるで既に虫の息のようにも見える
「いいぞ、POW(捕虜)回収」
※1名の隊員が投げ出された研究員を確保し逃げるように離れ、もう1名はobjに近づきリモコンを向ける
「・・・テーザーガンを持って2名も近づけ。スティモシーバーが効かなかった場合、HK79を打ち込め」
※H&K HK79(グレネードランチャー)
「!!」
※隊員がリモコンを操作する動作を見せた直後、objは頭を押さえ苦しんでいるような仕草を見せるが、直ぐに隊員を強く突き飛ばした
「だめだ!やつにはあまり効かない!撃てぇ!!」
ドウン!・・・ドウン!
※ライフル
ガガガガガガッ!
※銃器でオブジェクトを足止めしている
・・・ポンッ!・・・ボウゥ・・・・・・
※H&K HK79(グレネードランチャー)が命中する。テルミット焼夷弾でobjが激しく炎上する
「やったぞ!」
※少しの間、暴れているのか苦しんでいるのか、間もなく酸欠によりobjは倒れこんだ
「大丈夫か?!」
※兵長が救出された研究員の元へ行き、浅倉 祥子に呼びかける・・・・・・
【先発隊 ミシェル隊員ヘッドセットカメラデータ 2】
◉REC
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ」
※ミシェル隊員が2階の部屋を次々と開けていく
バババババッ・・・ダン・・・ダン
※また遠くから、上部から激しい銃声が聞こえる。3階のBオブジェクトとの銃撃戦の音だと思われる。その音を聞きつけ階段へ走り出す
バンッ!・・・バンッ!
※今度は近場でまた銃声がした。そちらへ踵を返す
「!!」
※コントロール室で討伐隊員がBオブジェクトの分裂体B-1を撃っていた
「・・・やったの?」
「ああ・・・多分な・・・・・・」
※銃を構えB-1オブジェクトに近づく
「・・・死んでるわね」
※銃先でobjをひっくり返す
「ねぇ、C-1オブジェクト・・・ブルーノは見つかった?報告は入ってない?」
「ああ、まだだな。無線を聴く限りでは上でモスマンを発見したみたいだが、もう追いつめているだろうな。外でも交戦があったみたいだが、あっちはアルマスみたいだぜ」
「あなたたち後発討伐隊の無線周波数を教えてちょうだい」
※無線の表示画面をこっちに向ける
「ありがとう」
※自分の無線を合わせて部屋を飛び出す
ガッ・・・《SOS・・・研究所の外にてDオブジェクト討伐完了・・・裏側にて研究員1名救助・・・救助隊、誰かきてくれ・・・over》
「・・・外には逃げられないわね」
※ミシェル隊員は動かずに止まっている。何か考えごとをしているようだ。間もなくして走り出し、1階へ向かった
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