先発隊 ミシェル隊員ヘッドセットカメラデータ 1
◉REC
※前方から人影が見える
「・・・隊長!」
※応答がなく、直ぐにその背後からもう一人の人影が表れる。2名の救助隊が担架を担ぎ運んでいた
「ま、待って、見せて!」
※担架で運ばれている全身を覆うシートをめくる
「!!・・・あ、あ・・・た、隊長・・・・・・」
※胴体から完全に分離した首が、目も片方は飛び出し半壊した頭部の無残な隊長の姿がミシェル隊員のカメラにしっかりと映し出された
「・・・うぅ・・・隊長ぉ・・・・・・」
※膝を落とし、泣き崩れる。状況を察した救助隊がシートを直ぐに戻し早々と担架を運び出す
「・・・・・・すみません・・・隊長」
※少しの時間、訓練をされているはずの隊員が悲しみを隠さずにいた。鼻を啜りガサガサと涙を拭う雑音がした後、立ち上がり心の踵を返すように走り出す
ガガガガガガッ・・・バンッ・・・バン・・・・・・
ドウン・・・ドウン・・・・・・
※遠くで激しい銃撃戦と爆発音が聞こえる
「!!」
※ミシェル隊員が階段を上がると二階の廊下、コントロール室前ではまた多くの死体が転がっている。人体のパーツがバラバラに散乱しもう誰がだれだか、人数すら識別が不可能な光景が広がる。後発隊の救助隊がそれぞれのパーツを調べている
「・・・うぅ・・・ぉえ」
※嗚咽とも、鳴き声とも取れる声を漏らす。コントロール室側の中央廊下は後発隊に任せるようにして右側通路を行く
「!!」
※前方に横たわる人物が見える
「おい!!」
※スライディングするように、呼びかけながら手をかける。微かに息がある
「救助隊!2階、警備員室前!生存者発見!すぐ来て!」
※急いで無線で救助を呼ぶ
「な・・・なんなの、これは・・・・・・」
※眼球は両目とも潰されえぐられている。歯は全て折られ、顔は腫れあがり誰なのか識別すら出来ないほど殴打されている。耳は千切れ落ちそうになっていて、両手の残された数本の指の爪はすべて剥がされ、両腕両足の骨も砕かれている。
「これは・・・これではまるで・・・”拷問”!?・・・誰が?!」
「ころ・・・して・・・くれ・・・・頼む・・・」
※画面が震える
「くる・・・しい、痛い・・・ブルー・・・ノ・・・やめてくれ」
「!!」
「殺し・・・てくれ・・・・・・」
※ミシェル隊員は周囲の警戒もせずにまた泣き崩れている。
少しして、ゆっくりとベレッタ90-Twoを取り出し銃口を隊員の頭に向ける
バンッ!・・・バンッ!・・・・・・
※2発の銃声後、間もなくしてやってきた救助隊は”無言で”隊員の”遺体”を運び出す。ミシェル隊員がふさぎ込む頭のカメラ先の足元には、鍵穴に鍵が刺さったままの大きな”南京錠”が落ちていた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます