CHIMERA ~嵌合体~ 第三章『繚』
chimera捕獲・討伐任務 報告書
○○○○年 〇月 〇日
将 官 牟田口 准将
『chimera捕獲・討伐任務 報告書』
記
目的:B
期間:7日間
結果:obj 3体は排除済み 不随対象1体逃亡中
詳細・経緯
⑴先発隊15名
内訳 伍長 1名 上等兵 4名 二等兵~三等兵 4名 研究所警備員 6名
生存者 5名うち重傷者 2名
死者10名 KIA
後発隊52名 重傷者 5名
⑵孵化後に逃亡したobj 3体の捜索中、事故により研究所内が停電
電子ロックなどのシステムが停止し他objも逃亡。現場は混乱。
先発隊にて援軍要請が入り、状況を艦見てobjの捕獲および駆除を優先にて後発隊を再編成した。
⑶先発隊の生存者の証言やレポート
後発隊の現場報告、カメラ映像から抜粋し報告。
映像は別に各役員へ送信済み。
以下、文字起こし音声データから
【先発隊チームgreen 聴取音声データ 1】
「地下、並びに下水で何があったんだ?伍長の火傷はなぜだ?」
「・・・地下はとくに異常はありませんでした。下水へ向かうハッチが開いていましたので、そこで逃げられ外部で繁殖でもされてしまう恐れがあり、急ぎで捜索が必要だと判断し隊長へ無線連絡を入れてから、下水道へと突入しました」
「そのあと突き当りの柵まで行き、何かに襲われる所までは映像記録があった。その後はどうなったんだ?」
※怯えながら小刻みに2回、頷く
「・・・捜索対象である分裂したobjが突然、水路の水中から飛び出して伍長の顔面に貼り付き、襲ったんです。俺と、ロビーが必死に剥がそうとしましたが全然ダメで、頭にキバをたて噛みつき、尻尾のような触手が口に・・・喉奥まで入りこみ内側からも完全にフォールドされているようでした。伍長は呼吸ができていない状態で・・・酸欠で今にも死にそうでした。苦しんで暴れだし、一時を争う事態と収拾がつかなくなり火で・・・火炎放射器で炙れば離れるんじゃないかと考え、伍長もろとも炎を浴びせました」
「objは離れたのか?」
「はい、効果的でした。対象objは伍長の顔から離れて水中にまた逃げ出しました。俺は伍長の・・・伍長はビクとも動かなくなっていて、危ないと思いました。急いで消火し、蘇生措置を取りなんとか一命を取り留めました」
「その時、ロバート隊員は?」
「ヤツを追っていきました。俺は伍長を抱えてとりあえず下水道からの脱出を図りつつ、再度ロビーと合流しようと考えました」
「そのあとに、”自爆”したのか」
「はい・・・おそらく、下水の反対側で伍長と同じ状況になったんだと思います・・・すいません、俺が先にロビーと捜索に当たっていれば・・・・・・」
「お前のおかげで伍長は助かったんだ。ロバートも色々覚悟しての判断だろう」
「・・・はい」
「チームyellow・・・ハインリヒ三等兵と合流したのはいつだ」
「爆発音のあと、俺は伍長を抱えながらハシゴの下へついた所でハインツと合流できました。伍長をハインツに頼み、私はロビーの方へと駆け付けましたが・・・・・・」
「・・・そうか・・・わかった。ご苦労だった。ゆっくり休んでくれ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます