大野教授 録画日記データ 2-1
◉REC
またまた驚きだ!
E両性具有体が卵胎生している!
まったく、イレギュラー達には驚かされてばかりだ!
ハハハハッ!!
繁殖機能はないと思っていたが・・・なんなんだ
解剖するわけにもいかんしな・・・・・・
やつの、E実験体の膣腔は完全に塞がっているんだ。脱走時に交尾したとしても物理的に受精するわけがない。何かのきっかけが、どこかにあるはずだ
・・・ん?
産道もないっていうことになるぞ、どう出産するつもりなんだ??
やばいな・・・時機をみて帝王切開するしかない
【聴取音声データ 3-2】
「卵ってのはこれのことね・・・?」
「はい」
「遺伝子の配列がミスっていたのかしら」
「もしくは、狂っちゃったか、です」
「まさに『イレギュラー』、突然変異ですものね。ミッション、とか言って研究所内だけで秘密裏にして・・・しっかり報告してくれればこんな事態にはならなかったはずよ」
「・・・もうしわけございません・・・・・・」
「あ、いえあなたが悪いわけじゃないし。ごめんね、責めたいとかではないから」
「・・・いえ、わたしはずっと後悔しています。もっと早く、ギャラップ博士たちとおなじく1回目の脱走の時点で止めていればよかったと・・・・・・」
「・・・・・・」
「私はどんな処分も受けます。それが・・・せめてもの償いに少しでもなるのであれば」
「・・・それはまた上が判断することよ。わたしが見る限りではあなたは関与していない様にも見えるわ。黙認していたことは許されないけど、最低でも異動処分は想定しておいてね」
「・・・・・・」
「・・・で?この変異体の卵はどうなったの?」
「・・・この、大野さんが言っていたように、帝王切開にて卵胎生を取り出して別に管理しようとしました」
「・・・しました?」
「それらの準備、予定も決定していて、手術の前日・・・・・・」
【別紙 大野教授 指示書】
至急対応 必須
実験体「E」死亡
残存E体から生まれたE-1確保 検査及び保護とDNA解析
設備、人員が許す限り、E並び過去の死亡実験体のクローン生成開始せよ
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