研究報告書No.01056 (未提出)
E-1突然変異体の変異が著しく顕著になる。
原因は両性具有体である個体のホルモンバランスの影響だと考えられる。
定期的に鎮静剤と共にエストロゲンも投与していく。
※以下省略
【大野教授 録画日記データ 2】
◉REC
驚きだ
研究所内脱走事件いこう、直後の検査では見つけられなかったがC実験体トラビスと、D実験体アルマスが『妊娠』していることがわかった!
檻を破った際に交尾していたのだ!
まさか自然性交にて着床し、胚分裂まで安定するとは、予想外だ
たまたま、実験体どうしの染色体の構造が近いからか・・・・・・
だが、嬉しい誤算だ!ハハッ!
・・・しかし、父親が誰かがまったく分からないな
雄の種は、ブルーノか、イレギュラー・・・・・・
まぁ、いい。出産後にでも調べれば分ることさ
しかし、当初に比べれば研究は順調だ!
これで混合胚のパターンをもっと増やし『グリア細胞』の活性化を続けていけば・・・・・・
分析結果はまだか?
やはり生物の
常識という膜に覆われたままでは革新的な出来事は起きない
・・・そうだ
MISSION θ theta(シータ)にも着手しないと・・・・・・
【聴取音声データ 3】
「トラビスって名前の・・・C-2体はメスだったの?」
「はい、女の子です。大野さん、その辺は無頓着と言いますか、適当な人なんです」
「あ、そう・・・まぁいいけど。・・・そう、浅倉さん、一つ聞きたいのだけど、いいかしら?」
「?はい」
「あなた、この事件のあと直ぐに、妊娠が発覚しましたね」
「・・・あ・・・はい」
「それは、やっぱり、大野教授との?」
「はい・・・産めなかったのは残念でした・・・悲しかったですが、私は自業自得だとも思っています。私はそれだけの罪を犯しているのだから・・・・・・」
「・・・診断したのは誰ですか?」
「え?・・・大野さんと、エヴァ・ブラウンさんです」
「エヴァ・・・ああ、あの子ね」
「ご存知なのですか?」
「まぁ、少しね」
「・・・・・・」
「で、アルバートって個体はなんなの?」
「はい、この子もある日、突然、大野さんが連れてきました。この子はほかの子と違い、見た目・・・と言いますか、外見上は人間に近いといいますか・・・全身が多毛で力もチンパンジー並みですが、比較的かわいいと言える個体です。まぁ、キメラやイレギュラー達と比べれば何でもかわいく見えるのかもしれませんが」
「まぁ、そうね。アルバートも、浅倉さんは誕生の経緯を知らないのね?」
「はい。ミッション・デルタは大野さん単独で、それ以降はエヴァさんと2人が主に重要研究は行っていました。わたしは、例の研究所内脱走事件いこう、研究に献身的にはなれなくて・・・心理分析と実験体の世話を主にしていました」
「そう。わかったわ」
「アルバート・・・あの、アルビーは見つかりましたか?!」
「・・・いえ、まだよ・・・・・・」
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