第3話:インプットは量も質も大事だった

 分析力の話をしたが、何かを分析するためにはその対象物を知らなければならない。

 つまりこの場合、本を読んでいるかどうか、である。

 同時に再構築する力にも触れたが、これは手持ちの知識でどう改変できるか、と表せる。


 インプットの手段は小説に限らなくていい。漫画、アニメ、映画、音楽などなど、情報を集める手段は溢れ返っている。多様な作品に触れるうちに「ここはこうしてみたい」とか「この定石を覆したい」とか、思い浮かんでくると思う。いわゆる「自分ならこうする」という心理。これは何かを見聞きしないことには発生し得ないだろう。だから、どの媒体にせよいろんな作品を知っていることはアドバンテージになる――というかクリエイターならマストであろう。

 そして複数の既存パターンを知っていることで、マンネリ化(or二番煎じ)を回避できる。

 それらに加えて知識も必要だ。知らないことは書けないし、勝手な想像や思い込みで表現すれば読者に違和感を持たれる。よく言語学習で「知らない単語は聴き取れない」と言われるのだが、それに似ている。特定の心理状態について描写するなら当然似たような経験がある方が書きやすいだろう。

 なお私は彼女いない歴=年齢のため、ラブコメを書くのが非常に苦手。そもそも恋愛要素を抜きにしたらラノベ、書けないと思うけど……。


 こうした知識があってカスタマイズする力は生まれる。

 が、しかし。私の読書量やインプット量は圧倒的に足りない。元々漫画かラノベしか読まないような人間で、一般的な小説をきちんと読むようになったのは大学三年の時だった。それも読む量は「読む時で一ヶ月に数冊」程度のもので、今なお読書量にはムラがある。

 しかも読み物は多彩なジャンルであった方がいいのに、どうしても百合に集約されてしまう。かのSF作家・星新一先生は「アイデアは異質な物の組み合わせで生まれる」と述べたが、成功を収めている人々はこの言葉に漏れず、自分の興味ある分野以外でも情報をチェックしているように思う。メンタリストの方も何かの動画でそんな話をしていた。


 なるほど、それは私に力が足りないのも頷ける。

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