第19話 ケルベロスとの戦い
私とアイリスさんとカエスルさんの三人はケルベロスの召喚儀式の砦に来ていた。そこは廃墟になっており、黒い炎がくすぶっていた。
「この感触からしてケルベロスは暴走して魔族の砦ごと燃やしたか……」
カエスルさんが緊張した様子で呟く。ケルベロスは地獄の番犬だ。魔族とは性質が少し違う。魔族がケルベロスを利用しようとして失敗したらしい。
「これは一級事案だ。一旦、学園に戻るか迷うところだ」
珍しいカエスルさんが指示を迷うなんて。やはり、ケルベロスの危険さを知っているからだ。
すると、地面から巨大な黒い炎が吹きあがる。そこから現れたのは三つの顔を持つケルベロスであった。
その姿は私の身長の三倍はあった。
『グオオオオ!!!』
ケルベロスは唸り声と共に私達に襲いかかってくる。
「来るぞ、イマジネーションを発動しろ!」
カエスルさんが声をあげると剣を巨大化させ、私もイマジネーションを使い、魔法少女の様な姿の魔装に切り替えて聖剣を抜く。
そして、アイリスさんはヨーヨーを取り出して炎を込める。
「防御は任せて、同じ炎なら防御しやすい」
アイリスさんはヨーヨーを飛ばしてクモの巣状に結界を張る。
いつの間にこんなイマジネーションを覚えたのだ。あのプライドの高いアイリスさんが味方を守る技を使うなんて……。
そう、あの決闘以来、アイリスさんは変わったのだ。私とカエスルさんはヨーヨーでの結界の中でケルベロスのスキを探す。
それは一瞬の出来事であった。
ケルベロスが口から吐く黒い炎が止んだのである。私とカエスルさんが左右のケルベロスの顔を剣で切り付ける。
ひるんだ、ケルベロスの真ん中の顔をアイリスさんの炎のヨーヨーがヒットする。ケルベロスは倒れ霧状になって消えていく。
「当然の結果ですよね」
アイリスさんが一番美味しいところを持っていったので有頂天であった。
やれやれだ。しかし、アイリスさんの結界があったからの勝利である。
「うむ、ミッション成功だ」
その言葉と共にカエスルさんは剣を収めるのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます